OPEC産原油の輸出価格、2009年以来の1バレル=40ドル割れ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXXKAK6K50Y201.html
2015/11/17 09:57 JST
(ブルームバーグ):石油輸出国機構(OPEC)の原油売却価格の平均が2009年以来の1バレル=40ドル割れとなり、市場シェア確保に向けたOPECの戦略の財務コストが浮き彫りになっている。
OPEC事務局(ウィーン)が16日送付した電子メールによると、13日のOPECバスケット価格は39.21ドル。一部のOPEC加盟国産の原油は比重が重いか硫黄分が高く精製マージンが低いため、OPEC産輸出原油の価格の平均を示すバスケット価格は通常、国際原油先物価格を下回る水準で取引される。
スイスのコンサルティング会社ペトロマトリックスのマネジングディレクター、オリビエ・ジェイコブ氏は、原油の安値は高コストの生産者にとって問題であるだけではないと指摘。OPEC加盟国にとっても「財務環境の悪化につながる」と述べた。
国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は10日ロンドンで、現行の価格水準ではOPECの年間収入は5500億ドル(約67兆8000億円)と、過去5年間の平均である1兆ドル超から減少する可能性があると指摘。OPEC最大の産油国であるサウジアラビアでさえ今年は財政赤字に直面しており、国際通貨基金(IMF)はサウジの財政赤字が国内総生産(GDP)比で20%を超えると予想している。
原題:OPEC Export Price Falls Below $40 for First Time Since 2009(抜粋)