日本最大のシンクタンク誕生
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/society/2015/10/25/post-397.html
サンデー毎日 2015年10月25日号
みずほフィナンシャルグループ(FG)は、国内外で資産運用(アセットマネジメント=AM)ビジネスの強化に乗り出した。国内では2016年度上期をメドに、みずほ信託銀行の運用部門、みずほ投信投資顧問、新光投信、みずほFGと第一生命が折半出資するDIAMアセットマネジメントの4社・部門を統合することで合意。統合後の新会社の運用資産残高は約54兆円と国内最大級になる。
一方、海外では米国最大のアジア株投信を持つマシューズ・アジアに約16%出資し、出資比率に応じて利益を計上できる持ち分法適用会社にする方針。既にみずほFGは、世界最大級の運用会社・米ブラックロックに2%弱出資しているが、さらにマシューズへの出資によりアジアでのAMビジネスを強化する。
みずほFGは銀行(みずほ銀行)、信託(みずほ信託銀行)、証券(みずほ証券)の「銀・信・証」の連携強化を進めている。AMビジネスはそれに続く「第4の柱」となるもので、「1700兆円に及ぶ個人金融資産の運用活性化に寄与したい」(みずほ関係者)という。
だが、相乗効果追求はAMにとどまらないようだ。
みずほ関係者によると、「第5の柱として『リサーチ&コンサルティング』の強化策を検討にしている」という。同グループには、みずほ総合研究所、みずほ情報総研、みずほ証券リサーチ&コンサルティング、都市未来総合研究所など多様な関連部門・会社があり、関係スタッフは約5000人ともいわれる。全ての関連部門・会社が統合した場合、「日本最大のシンクタンク」が誕生する。
「グループ企業の統合や連携強化は、規模の利益を追求するだけでなく、各社の強みを生かしつつ相乗効果を最大限に引き出すのが目的」(同)
大事なのは規模より質ではあるが、日本最大のシンクタンク誕生も近い?
(森岡英樹)