景気「緩やかに拡大」61% 「足踏み」も39% 個人消費への懸念根強く
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150923-00000000-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/9/24 08:15
フジサンケイビジネスアイが23日まとめた主要118社を対象とするアンケートによると、足元の国内景気について、「緩やかに拡大している」と答えた割合は、全体の61%と過半に達した。ただ、力強さに欠けるとの認識も目立ち、「足踏みしている」との回答も39%に上った。とりわけ、国内総生産(GDP)の約6割を占めている個人消費への懸念が根強い。
アンケートの実施期間だった8月下旬以降、中国経済の減速懸念を発端に世界の金融市場が混乱した。こうした中国リスクの高まりや株価の乱高下が、主要企業の景況感に影響を与えたとみられる。
足元の国内景気が「緩やかに拡大している」とした理由(2つまでの重複回答)を聞いたところ、「企業収益の増加」が最も多く、「雇用情勢の改善」などが続いた。実際、円安や原油安を追い風に企業収益は過去最高水準にある。また7月の有効求人倍率は23年5カ月ぶりの高水準で、厚生労働省は雇用情勢の判断を1年半ぶりに上方修正した。
一方、「足踏みしている」とした理由(同)を聞くと、「個人消費の低迷」が最も多かった。今月8日に発表された4〜6月期の実質国内総生産(GDP)改定値で個人消費はやや上方修正されたとはいえ、前期比0.7%減と低迷が続いている。
それでも2015年度下期(15年10月〜16年3月)の国内景気見通しについては、「拡大する」「やや拡大する」との回答が計80%に上り、「横ばい」「やや後退する」の計20%を大きく上回った。「拡大する」「やや拡大する」とした理由(2つまでの重複回答)では「個人消費の回復」や「企業収益の増加」が上位に並んだ。
また、今年末までの国内景気のリスク要因については、全回答企業118社の半数程度が中国経済の減速懸念を指摘した。多くの企業が「中国経済の急速な減速による輸出への影響」(海運)、「中国経済の崩壊による世界経済の低迷」(化学)などと警戒感を示した。
アンケートは8月中旬から9月初めにかけて実施し、118社から回答を得た。個別回答の比率は無回答を除外した。