「安保法制反対派がひとつひとつ賛成派の論点を冷静に突き崩していく様子は、見るに値する。:萩原 一彦氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/18336.html
2015/9/14 晴耕雨読
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日曜討論、見た。
賛成派二人の議論は「国際協調に日本が参加しなくていいのか」「集団的自衛権を行使しなければ米国との情報共有が妨げられる」の2点に集約されるもの。
これに対して反対派二人の議論は「国際協調に集団的自衛権行使は不必要」「そもそも安保法制は違憲と結論が出ている」というもの。
もし、日曜討論の議論を「ディベート」と位置付けるなら、このディベートは反対派の論理に整合性があり、賛成派の論理には整合性がないという印象だった。
賛成派、元外務省の岡本行夫氏の議論は多分に友達を助けなければという義理人情論で、集団的自衛権と集団的安全保障も混同している印象だった。
日曜討論、安保法制賛成派の国際政治が専門の細谷雄一氏はこの法案のほとんど唯一の論点である「武力行使」による集団的自衛の話を徹底的に避けつつ、集団的自衛権行使必要論を述べるという曲芸だったが、その論点はそもそもこの法案の中心ではないという木村草太氏の一言で一蹴されてしまった。
日曜討論、反対派の小泉政権下で内閣官房副長官補だった柳澤協二氏は、イラク特措法時の経験を踏まえた政権担当者の目で「安保法制」の立法要件は無いという議論を展開して、岡本行夫氏の情緒的なトモダチ議論を退けた。
岡本氏は柳澤氏の疑問である立法要件議論に合理的に答えることはできなかった。
日曜討論、反対派の憲法学者、木村草太氏は、法律の合憲性を判断するトレーニングを受けた人のほとんどが「安保法制」は違憲であると述べている点、賛成する人の多くもこの国会での採決には反対している点をあげて今国会では安保法案は廃案にするしかないとしたが、反対派はそれに反論できなかった。
日曜討論、木村草太氏は、さらに、政府が10本の法案をまとめて提出してしまったがために、その10本のうちの1本でも瑕疵があれば、10本全部を否決しなければならないことになる点を挙げ、どうしてそのように拙速なことをしたのかという疑問を投げかけたが、それに答えられる賛成派はいなかった。
日曜討論、見た感想では、木村草太氏が投げた違憲な法律は作ることができないという点が最も根本的な問題点で、そこに解決を与えるような反論がなかった点で、安保法制賛成派の岡本行夫氏と細谷雄一氏の議論は有効ではなかった。
逆に賛成派二人の論点は柳澤氏と木村氏によって有効に反駁されていた。
今日の日曜討論の議論は、もし動画がどこかに上がっていたら、必見だと思う。
山本太郎氏が出た回のような緊迫感や感情的なセンセーションはない代わりに、安保法制反対派がひとつひとつ賛成派の論点を冷静に突き崩していく様子は、見るに値する。
>北丸雄二 みごとに論理的な木村草太説。「10本の法案を1本にまとめている法案。中には理解を得られる法案もあると思うが、それを一本にまとめている限り、一つでも問題がある法案があれば全体を否定せざるを得ない。つまり廃案しかないということ」#NHK日曜討論
あった。日曜討論「どうなる採決 改めて問う 安保法案」
1 http://bit.ly/1K6bDtM
日曜討論「どうなる採決 改めて問う 安保法案」 1
2 http://bit.ly/1K6bCG4
日曜討論「どうなる採決 改めて問う 安保法案」 2
3 http://bit.ly/1iGEy0M
日曜討論「どうなる採決 改めて問う 安保法案」 3
4 http://bit.ly/1K6bDK8
日曜討論「どうなる採決 改めて問う 安保法案」4
そういえば今日の日曜討論で一番おかしな論議だと思ったのは、岡本行夫氏の「現在海自が行っているイエメン沖の海賊からの護衛活動は警察行動だからできる。これが相手が国家だと軍事行動になるからできなくなる。イスラム国は準国家のようなものだから対処できないおそれがある」というもの。