http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRLYX66K50Y001.html
(ブルームバーグ):6月に米保険会社の大型買収を決めたばかりの東京海上ホールディングス は今後、中国での事業を強化する。提携先の中国最大の複合企業、中国中信集団有限公司(CITIC )と合弁会社を設立したり、共同出資を通じて、損保事業拡大を検討している。
永野毅社長(62)は17日、ブルームバーグとのインタビューで、中国での日系企業向けではないローカルビジネスの獲得が「次なる大きな課題」と述べた。CITICの目利き力や人脈を活用し、「一緒に中国の保険会社を作ったり、投資することを通じて、ローカルの保険事業をやっていきたい」との考えを明らかにした。
同社は昨年、CITICグループと提携し、傘下の中信泰富有限公司(CITICパシフィック)に7.8億香港ドル(約100億円)出資した。一方、中国で認可を取得した自動車保険の試験的な引き受けも開始しており、同氏は「地域を絞って拡大していくのか、通信販売など別のやり方で展開していくのか、いろいろ検討している」と述べた。
東京海上HDはこれまで英キルン社や米フィラデルフィア社、デルファイ社を買収したほか、東南アジアや中南米で生損保事業を展開。6月には、スペシャリティー保険の米HCCインシュアランス・ホールディングスを約75億ドル(約9400億円)で買収すると発表していた。
報道を受けて東京海上HD株は上げ幅を拡大し、前日比154円(3%)高の5342円で高値引けした。
中国市場
東京海上HDは中国では現地法人の支店網を通じて、進出日系企業向けに損保事業を展開してきたが、永野社長は中国企業相手のローカルビジネスについて「ものすごいマーケットがある」と分析する。
中国以外のアジアではインドネシア、タイ、フィリピン、インドに力を入れるほか、ブラジルを中心とする南米、メキシコも強化する。買収に頼らない自前での成長を基本としながらも、販売チャネルの取得や銀行との提携などを繰り返し、「成長力をもっと高めていきたい」と述べた。
利益全体に占める海外事業の比率について「半分くらいのイメージで進めていきたい」という。東京海上HDグループの利益に占める海外保険事業の割合はHCC買収前で38%。欧米での大型買収については「しばらくはこれで一段落したのかなとは思っている」と述べ、HCC買収後の経営統合や、基盤固めに専念する考えだ。
買収資金調達
米HCC買収資金について、永野社長は「マジョリティは自己資金で賄う」考えを明らかにし、外部調達する場合は「基本的にドルベースの金を借りようかなと思う」と述べた。エクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)や政策保有株の売却加速などは考えていないという。
ブルームバーグ・データによると、同社の3月末時点の現・預金は5367億円、コールローンは4026億円。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 伊藤小巻 kito@bloomberg.net;東京 Kathleen Chu kchu2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Andreea Papuc apapuc1@bloomberg.net 持田譲二, 平野和
更新日時: 2015/07/17 17:01 JST
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/849.html