プエルトリコ、米政府に破産法適用を要請
2015年 06月 30日 16:41 JST
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米自治領プエルトリコのアレハンドロ・ガルシア・パディラ知事は29日、連邦破産法に基づく債務再編の実施を認めるよう米国政府に求めた。
同知事はテレビ演説で、債券保有者が犠牲を分かち合わなければならないと述べた。
プエルトリコの新たな顧問に起用された国際通貨基金(IMF)元IMF筆頭副専務理事のアン・クルーガー氏が、プエルトリコは「債務超過」状態にあり、近く財政資金が底を突くと指摘したことを受けた動き。
プエルトリコは730億ドルに及ぶ債務負担の軽減を求めており、皮肉なことに財政危機にあえぐギリシャと同じ日に正念場を迎えた。重要な債務返済期日の7月1日を控え、クルーガー顧問が財政の信頼性にに関して厳しい内容の報告書を発表したことが引き金となった。
報告書では、連邦破産裁判所の元判事で現在はプエルトリコと契約を結んでいるスティーブン・ローズ氏が、プエルトリコは「もはや債務返済不能に陥っており、運転資金も近く枯渇する。住民と企業が苦しむことになる。早急な手助けが必要だ」と訴えた。ローズ氏は歴史に残るデトロイト市の破産手続きを担当した経験がある。
プエルトリコは地方自治体ではないため、米国の破産法に基づく債務再編を実施する資格がない。
ローズ氏はプエルトリコの未来は、破産法の下での債務再編の資格を得られるかどうかにかかっていると指摘する一方、破産は「公的救済」には該当しないと強調した。
テレビ演説でガルシア・パディラ知事は、自らの目標は交渉の末に債権者から多数の年に及ぶ債務の返済猶予(モラトリアム)を得ることだとした上で、米国政府に対して破産法の適用申請を許可するよう要求。「さもなければ全ての支払いは停止し、あらゆる面にマイナスの結果が及ぶ」と語った。
報告書の共同著者であるクルーガー氏は、債務再編のほか増税と歳出削減を提言しており、「状況は厳しくかつ緊急を要する。政治的抵抗に直面する恐れがあるが、問題への対応に失敗すればさらに多くのプエルトリコ住民に影響が及ぶ」と警鐘を鳴らした。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0ZG13Z20150630
ギリシャとプエルトリコでにんまり−タイガー創業者は冷静
2015/06/30 13:09 JST
(ブルームバーグ): ギリシャ国民がまとまった現金を確保するために現金自動預払機(ATM)の前に列をつくり、これまでで最も長く続いた中国市場の強気相場が終わりを迎え、米自治領プエルトリコの知事が債務の返済不能を宣言する状況となっても、米国人資産家のジュリアン・ロバートソン氏は冷静さを保っており、ほほ笑む理由さえある。
ヘッジファンド運営会社タイガー・マネジメントの創業者であるロバートソン氏(83)は週明け29日の米東部時間午前7時ごろ、ニューヨーク・パークアベニューの超高層ビル最上階にあるオフィスに到着した。
同氏は「今朝わたしが一番うれしいのはプエルトリコの出来事だ。『債務を返済できない』という宣言は、私が空売りしていた銘柄の一つ、アシュアド・ギャランティ のポジションにとって好都合だ」と語った。
プエルトリコのガルシア知事が720億ドル(約8兆8100億円)の債務が返済不可能だと述べたことで、金融保証会社アシュアドの株価は29日に最大15%急落した。
一方、ギリシャは債権者との協議が不調に終わり、チプラス首相が支援条件の受け入れの是非を問う国民投票を実施すると発表。同国のユーロ離脱のリスクが高まり、ATMやガソリンスタンドには人々の長い行列ができた。ユーロの対ドル相場は過去1年で18%下落している。
ロバートソン氏はギリシャ情勢についても、「ユーロ・ショートのかなりのポジションを長期間保持しており、喜ばしいことだ」と歓迎した。
原題:Hedge-Fund Billionaire Julian Robertson Shrugs as World Churns(抜粋)
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記事についてのエディターへの問い合わせ先: Peter Eichenbaum peichenbaum@bloomberg.net Robert Friedman
更新日時: 2015/06/30 13:09 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQQL7Y6K50XY01.html
ギリシャ首相が国民投票を実施する「本当の理由」
2015年 06月 30日 15:14 JST
Marco Vicenzino
[29日 ロイター] - チプラス政権が銀行休業と資本規制に踏み切るなか、ギリシャはかつてないほどユーロ圏離脱に近づいている。国民投票の実施というチプラス首相の決断は、少なくとも当面はユーロ圏や国際債権団との交渉を事実上終わらせるものだった。
加えて、支援の1カ月延長を求める土壇場でのギリシャの要求を、ユーロ圏財務相会合は全会一致で拒否した。もし国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が、返済期限である6月30日の後にギリシャは正式に債務不履行(デフォルト)したと宣言するなら、同国はジンバブエやキューバやソマリアと肩を並べるデフォルト国家となる。
ギリシャは事実上、経済的にグローバル市場でのけ者扱いされるだけでなく、外交的にも「ならず者国家」として見られることになるだろう。
チプラス首相率いる急進左派連合(SYRIZA)は、国民投票の目的を民主主義の実践だとしている。SYRIZAの主張によれば、ユーロ圏首脳や国際債権団は、民主的に選ばれたギリシャ政府を倒そうと企んでいる。したがって、国民投票はギリシャ国民が民主的な意思決定を取り戻すために必要なのだという。国民投票によって、ギリシャの未来を自分たちで決めることができるというのだ。
このように説得力に満ちたストーリーは、SYRIZAの支持基盤と先の総選挙で同党に投票した有権者36%の感情に火を付けるものだ。チプラス首相は国民投票を、緊縮策と国家の威厳の対立構造に仕立て上げるだろう。本質的には、ギリシャがユーロ圏に残留するかどうかを決めることになる。
国民投票を行う背景には、チプラス政権の5カ月にわたる債権団とのハイリスクな瀬戸際交渉が裏目に出たことがある。そして今、責任あるリーダーシップと厳しい選択の時が来ている。国民投票を実施することでチプラス首相は責任を放棄し、代わりに、この極めて困難な状況を国民に「丸投げ」したのだ。
チプラス首相は明らかに、ギリシャの長期的な国益よりも、自身が率いる政党の短期的な利益、つまり政治的な生き残りと党の結束を優先している。欧州と合意に達することは、SYRIZAの分裂とチプラス政権の崩壊というリスクを負うことになる。党内の強硬派は、一段の緊縮策を課すような支援条件には断固反対する姿勢を示している。
もしチプラス政権が国益に従っていたら、今年1月後半の首相就任直後にも債権団との交渉を真剣に始めていただろう。国民投票も必要とあらば、6月の支払い期限前の5月までに適切に行われていただろう。
ギリシャの野党勢力は、SYRIZAが常にユーロ圏離脱を計画しており、それが意図的であろうと愚かな選択であろうと、「グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)」に向かっていたと主張する。
経済安全保障に対するチプラス首相の向こう見ずとも言える無関心さは、ギリシャと欧州を極度の危険地帯へと引きずり込んでいる。チプラス政権が国民投票を実施するなら、崩壊のリスクは依然として現実であり続ける。欧州におけるギリシャの未来が決まり、欧州統合の構想自体を方向づけることになるだろう。
実際のところ、ギリシャは7月5日の国民投票前にデフォルトし、ユーロ圏を離脱する可能性さえある。
国民投票には、かなり曖昧な点が付いて回る。第一の疑問は、チプラス政権が1週間以内に国民投票を行うだけの管理能力と財源を持ち合わせているのかどうか、という点だ。
第二に、国民投票は本物というより、非現実的な民主主義の実践のように見えることだ。結局、ギリシャは債権団と拘束力のある合意に至ることはできなかった。このことは次のような疑問を投げかける。ギリシャ国民は何を問うために投票するのか。ギリシャ政府が受け入れなかった債権団の最終案の是非か。それとも、緊縮策そのものの是非か。
第三に、国民投票が実施され、ギリシャ経済もまだ持ちこたえているなら、次に何が起きるのか。反緊縮派が勝利するなら、ギリシャのユーロ離脱にとどめを刺すことになる。逆に、ユーロ残留派が勝つなら、チプラス政権に対する信任投票が行われることになる。必然的に、新たな選挙の実施と、その間に国の重要問題にあたる暫定政府が設置されるだろう。
しかしチプラス氏はそのようには捉えず、首相の座から降りることを拒否するかもしれない。考えられる同氏の反論は、民意が国民投票で明らかとなった以上、自身の首相としての責任はブリュッセルに戻り、欧州各国の首脳と最終案の交渉をするというものだ。
要するに、国民投票は緊縮策を問うものであり、チプラス政権に対する信任を問うものではないということだ。しかしながら、国民投票の実施は、憲法の危機が続いて起きる可能性も意味している。
国民投票はまた、チプラス首相に面目を保ちながら辞任する機会を提供する。たとえ敗北に終わったとしても、民主主義の擁護者として、一般市民の保護者として、支持者たちから称賛されるだろう。熱心な支持者はチプラス氏のことを、国家の威厳と誇りと主権のために果敢に闘った愛国者として美化するだろう。同氏はSYRIZAの党首であり続け、SYRIZAも傷を負うことはないだろう。
国民投票を行わなければ、SYRIZAは内部崩壊する恐れがある。したがって、チプラス首相の長期的な戦略ビジョンでは、国民投票の敗北はあくまで戦術的な敗北となる。そして野党党首として、チプラス氏は時間をかけて党を見直し、自身と党を主流の中道左派として生まれ変わらせることができる。
たとえ7月5日に負けても、チプラス氏はいつの日かまた闘うことができるよう生き延びるだろう。その一方で、ギリシャは生き残るために奮闘し、奈落の底に落ちるリスクに直面する。他の欧州諸国も引きずり込む可能性を秘めながら。
*筆者は地政学リスクや国際ビジネスのコンサルタント会社、グローバル・ストラテジー・プロジェクトのディレクター。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA0GA20150630
アングル:欧州の反EU政党、ギリシャ危機で「呉越同舟」
2015年 06月 30日 15:39 JST
[ローマ 29日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)などの債権団との交渉で、一歩も引かない姿勢を見せるギリシャのチプラス首相。同国のユーロ圏離脱とそれに伴うユーロの基盤弱体化につながることが懸念されるなか、反欧州連合(EU)を掲げる各国の政党からは支持が集まっている。
こうした反体制的政党は、EUから課せられた緊縮策への拒否反応を除けば共通点はないに等しい。ただ、ギリシャが置かれた状況とチプラス首相への世論の同情は、伝統的政党への反発につながり、ひいては自分たちへの支持が拡大すると期待している。
チプラス首相に共感を示している政党には、スペインの急進左派「ポデモス」のほか、イタリアの反移民政党「北部同盟」や草の根勢力「五つ星運動」、フランスの極右政党「国民戦線(FN)」、反EUを掲げる「英国独立党(UKIP)」などがある。
各党は、債権団の改革案を拒否し、支援条件の是非を問う国民投票の実施を表明したチプラス首相に喝采を送っている。
5月に行われたスペインの統一地方選で躍進したポデモスは、債権団からの「脅迫」を前にして国民投票を呼びかけたチプラス首相の態度を「模範的」と称賛。29日に発表した声明では「現在の欧州には2つの対立する勢力がある。緊縮と民主主義、国民や市場による政治と選挙で選ばれていない団体だ。われわれは民主主義とともにあり、ギリシャ国民とともにある」と表明した。
長髪の政治学教授パブロ・イグレシアス氏が率いるポデモスは、少なくともイデオロギー的には、チプラス首相の急進左派連合(SYRIZA)に近い。左派である両党はともにユーロ自体は支持しているが、ユーロ圏を支える経済政策の変更を求めている。
マリーヌ・ルペン党首が率いるフランスの国民戦線は、SYRIZAなどと政治理念は対極にあるが、ユーロの弱体化につながるとの思惑から、今年1月のチプラス首相誕生を歓迎した。
ギリシャと債権団の交渉決裂に対する同党の反応は熱狂的でさえあった。フロリアン・フィリポ副党首は「欧州連合にとって最初の歴史的後退をまもなく目の当たりにするだろう」とし、ギリシャのユーロ離脱は「悪魔的プロジェクトの進行が必然ではないことを示す」と語った。
<欧州の失敗>
7年に及ぶ経済低迷と景気後退の中で反ユーロ感情が高まったイタリアでは、2つの主要野党がユーロ圏からの脱退を呼びかけている。
北部同盟のマテオ・サルビーニ議員は、ギリシャが直面する困難は「何よりもまず欧州の失敗」だと指摘。チプラス首相については、債権団の要求に屈せず「毅然(きぜん)とした態度を貫いている」とたたえた。
レンツィ首相率いる民主党に次ぐイタリアの第2党である五つ星運動は、チプラス首相が、欧州の南半分に課せられた緊縮策への幅広い反乱の道を開いていると評価。同党議員らは指導者ベッペ・グリッロ氏のブログに「まもなく南欧はユーロと緊縮の鎖を断ち切るだろう」と書き込んだ。
また、ベルルスコーニ元首相が率いる野党「フォルツァ・イタリア」は、2011年のユーロ圏債務危機の真っただ中にベルルスコーニ氏を強制的に退陣させたのと同様、EUが非民主的にチプラス首相を政権の座から引きずりおろそうとしていると非難している。
こうした本来異質である各党が、ギリシャ危機から本当の追い風を受けるかどうか判断するのは時期尚早だ。実際にギリシャがユーロから離脱し、その後どうなるかで変わってくる。
また、ユーロ圏各国の間では、ギリシャに対する世論は大きく分かれている。
昨年に780億ユーロの支援策を終了したポルトガルは、ギリシャに対しては厳しい態度を保っており、目立った反体制的な動きもない。国内の反ユーロ政党は共産党だけであり、その支持率は10%に満たない。
2013年に640億ユーロの支援策を終了後、力強い成長軌道に戻った「緊縮の申し子」アイルランドでは、政府の対ギリシャ強硬路線を左派野党が激しく批判している。ただ、国民の世論は分かれている。
ギリシャに最も厳しい目を向けるのは、同国に比べて所得や年金の水準が大幅に低いバルト3国だ。
バルト3国には大きな反体制的動きはなく、ラトビアの新ロシア派政党「調和センター」のような反ユーロを掲げていた勢力でさえ、ギリシャへの共感はゼロだ。
同党の幹部ヤニス・ウルバノビッチ氏はロイターの取材に、「ギリシャはユーロ圏加盟の前も後も欺き、そして現在も欺いている」と批判。「問題は、ギリシャがユーロ圏を離脱するかどうかではない。ギリシャが残留してユーロ圏を吹き飛ばすかどうかだ」と語った。
(Gavin Jones記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA0I520150630
6月のドイツ失業者、9カ月連続で減少−底堅い景気回復示す
2015/06/30 17:00 JST
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(ブルームバーグ):ドイツでは6月も失業者数 が前月を下回り、これで9カ月連続の減少となった。同国の景気回復が底堅い状況が示された。
独連邦雇用庁(FLO)が30日発表した6月の雇用統計によると、失業者数は季節調整済みで前月比1000人減少の279万人。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では5000人減が見込まれていた。失業率 は6.4%と、旧東西ドイツ統一以降の最低にとどまった。
原題:Germany Shrugs Off Minimum-Wage Concern as Unemployment Falls(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Angela Cullen acullen8@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net Jeff Black
更新日時: 2015/06/30 17:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQQZFP6K50XV01.html
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/344.html