米商務省、経済動向示す新たな指標を公表へ
2015 年 5 月 16 日 10:36 JST
景気はどのような状態か。この答えは、統計次第で変わる。
米商務省は今夏から国内総生産(GDP)に加えて新たに2つの生産関連統計を公表する。6月30日に導入するこれらの統計は、経済動向を把握するのに役立つ情報となり、エコノミストや政治家、ジャーナリストなど米国の健全性について議論するすべての人に新しい材料を提供することになる。
ます1つ目はGDPと国内総所得(GDI)を平均したものだ。どちらも全般的な経済活動を表すが、GDPは支出面に着目している一方、GDIは所得面から経済活動を把握する。両統計が示す景気の方向性は同じはずだが、短期的には数値に差異が生じることが多い。
米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は今週の講演でいずれの数値も考慮することが有用との考えを強調した。フィラデルフィア地区連銀はすでに両方の統計を反映した「GDPプラス」と呼ばれる指標を公表している。
ウィリアムズ総裁は「1-3月期は期待外れとなったが、年内は長期平均を上回る成長率を回復する見込みだ」とし、「この見通しを支持する数値が新たな統計の中にあるかもしれない。GDPとGDIのいずれも盛り込み、一部のノイズを除去するGDPプラスは、GDPのみよりも経済情勢をより明確に見せる可能性がある」と述べた。
米商務省が発表した1-3月期GDP速報値(季節調整済み)は年率0.2%増にとどまったが、改定値でさらに下方修正されるとみられている。ウィリアムズ総裁によるとGDPプラスは年率1.7%増を示しており、過去4四半期の成長率は平均3%となっている。
商務省は声明で「新しい指標は2つの統計の不一致の説明に役立つ可能性がある」とし、こうした不一致の例として「発表時期のずれや基本的な原データ、統計調査の誤差」を挙げた。
2つ目の統計は民間国内最終需要(PDFP)で、米大統領経済諮問委員会(CEA)が好む指標だ。これは国内経済における企業や消費者の需要を表す統計で、変動の大きな政府支出や在庫、国際貿易統計の影響を実質的に取り除く。
ホワイトハウスの統計によると、1-3月期の実質PDFPは1.1%増だった。
CEAのジェーソン・ファーマン委員長はブログへの投稿で「実質PDFPは在庫投資、純輸出、政府支出など変動の大きな要素を含まないため、実質GDPよりも安定的かつ先見的であることが多い」とし、「GDPそのものよりも来四半期のGDPを正確に予測することができる」と述べた。
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米ミシガン大消費者信頼感、5月速報値は88.6 前年10月以来の低水準
2015年 05月 16日 03:50 JST
[ニューヨーク/ワシントン 15日 ロイター] - ロイター/ミシガン大学が15日発表した5月の米消費者信頼感指数(速報値)は88.6と、4月確報値の95.9から低下した。市場 予想の96.0を下回り、前年10月以来の低水準となった。
景気現況指数は99.8で4月の107.0から低下、消費者期待指数も81.5と4月の88.8から低下した。現況指数は前年10月、消費者期待指数は前年11月以来の低水準となった
市場予想は現況指数が107.0、消費者期待指数が88.6だった。
1年先の期待インフレ率は2.9%と、4月の2.6%から上昇した。5年先の期待インフレ率も2.8%と、4月の2.6%から上昇した。
キャピタル・エコノミクスの首席エコノミスト、ポール・アシュワース氏は、「信頼感が低下したことは、向こう数カ月の消費の伸びが、これまでの予想よりの鈍くなる可能性があることを示している」としている。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0O01MT20150515