http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMRP966KLVRR01.html
(ブルームバーグ):
米国の原油生産を約40年ぶりの高水準に押し上げたシェールオイルブームが終えんを迎えつつある。
米エネルギー情報局(EIA)は13日、ノースダコタ州バッケンシェール層などのシェールオイル生産が5月に日量5万7000バレル落ち込むとの見通しを示した。EIAが生産の減少を予想したのは同局が掘削生産性月報の発表を開始した2013年以降で初めて。
ドイツ銀行や米ゴールドマン・サックス・グループ、IHSは、原油先物価格が6年ぶりの安値に近い水準で推移する中、米国の原油生産の伸びが少なくとも一時的に終息すると予想している。価格下落により米国のリグ(掘削装置)のうち半数が既に稼働停止を余儀なくされ、数千人の雇用が失われた。ゴールドマンは米国の石油ブームの後退は供給過剰を是正し世界の原油市場の需給を均衡させるために必要と指摘する。
フロスト・アンド・サリバンの石油・天然ガス担当責任者、カール・ラリー氏は13日、ヒューストンからの電話インタビューで「回避できない崖から落ちているような状態だ。問題は減産がどの程度速いペースで進むかということだ。ペースが速く急激であれば価格は大幅に上昇する可能性がある」と語る。WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油価格は1年前と比較して約50%下落している。
米国の製油所は定期修理を終え、原油処理量を増やし始めており、1930年以降で最大に膨らんでいる供給過剰は緩和されつつある。米国の原油在庫が減少すれば、昨年6月以降で1バレル=50ドル余り下げている相場に一服感が広がりそうだ。
原題:America’s Shale Oil Boom Turns to Gloom With Output Set to Fall(抜粋)
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更新日時: 2015/04/14 09:15 JST