1億円なんて数字に惑わされないで!本当に必要な「老後のお金」
http://dmm-news.com/article/943089/
Woman Money 2015.04.12 11:00
今後ますます年金を当てに出来なくなっていく時代、こんな時代において老後を迎えるまでに一体いくら貯めておかなければならないのかは非常に気になるところですね。一説によると、その金額は5,000万円だとか7,000万円だとか、はたまた1億円だとか……。
でも、本当のところはどうなのか、家計コンサルタントの筆者とともに見ていきましょう。
■なぜこんなにも金額が違ってくるの?
老後に必要なお金がこんなにも違ってくるのは、個々によってその生活スタイルや退職金、そして貰える年金額が異なってくることによります。
つまり、老後に必要なお金は主なこの3つだけによっても随分と変わってくるということですね。それゆえ、本来、老後に必要なお金を知りたいというのであれば個々においてきちんと計算する必要があることをまずお伝えしておきたいと思います。
一般的に老後、夫婦二人の生活に必要な金額は1カ月約23万円と言われています。この金額はどちらかと言えばそれほどゆとりのある生活ではなく、リタイア後 は数カ月に一度は旅行に出掛けたりしたいなと思っている場合にはもう少し多めの金額、30万円くらいを見ておいた方がいいでしょう。
次にどれくらい生きるか、これが現時点ではわからないので不安になるということの大元の要素とも言えることなのですが、ここでは20年間(65〜85歳)の場合と25年間(65歳〜90歳)の場合を見ていくことにしましょう。
これを計算式で表すと4通りになります。
(1)1カ月の生活費23万円/20年間の場合
・(23万円 × 12カ月) × 20年 = 5,520万円
(2)1カ月の生活費23万円/25年間の場合
・(23万円 × 12カ月) × 25年 = 6,900万円
(3)1カ月の生活費30万円/20年間の場合
・(30万円 × 12カ月) × 20年 = 7,200万円
(4)1カ月の生活費30万円/25年間の場合
・(30万円 × 12カ月) × 25年 = 9,000万円
そして、このいずれもに500万円〜1,000万円ほどの予備費を足したものが老後に必要なお金となります。
巷でよく言われる老後に必要なお金はこの金額のことを言っているのかもしれませんね。
■あくまでも老後にかかるお金、ここから引けるものがあることを忘れないで!
この金額を見てみなさん驚かれ、「こんなお金、とても用意できないわ」とますます不安になられるかもしれません。
ですが、この金額はあくまで老後にかかるお金ということです。ここから引いていけるお金があるのです。
■一番高い金額の(4)でも老後までに必要な金額は1,100万円!?
まず、支給される退職金の予定額をここから引くことが出来ます。これが2,000万円であれば、(4)の場合、9,000万円−2,000万円で7,000万円ということになりますね。
次に、ここから差し引けるお金は貰える年金の額です。貰える年金の額が1カ月夫婦二人で23万円だとすると、単純計算で25年間に受け取れる年金額は6,900万円ですので、7,000万円−6,900万円=100万円
つまり、(4)でも老後までに貯めておかなければならないお金は100万円+予備費で考えると、600万円〜1,100万円となるわけです。
いかがでしたか?
思ったよりも老後までに必要な金額が少なくて済むことがわかり、驚かれたのではないでしょうか。
但し、退職金が2,000万円より少ないと考えられる方や年金の支給額が23万円より少ないと思える方はその分を上乗せして貯めておく必要があります。若い方は、どちらも7割くらいの減額で設計しておいた方がよいでしょう。
ぜひ一度、ご自身の老後に必要なお金について、考えてみてくださいね。
(田辺美穂)