久美子社長が採決で勝利した(C)日刊ゲンダイ
母が乱入し“浪花節”全開 大塚家具株主総会は娘勝利も大波乱
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2015年3月27日 日刊ゲンダイ
27日午前に都内で開かれた注目の「大塚家具」の株主総会。娘の大塚久美子社長(47)と創業者で父親の大塚勝久会長(71)の双方が相手の退任を求める委任状争奪戦は結局、娘の久美子社長が勝利した。
総会は冒頭こそ粛々と進行したが、その後はいつもの親子バトルの延長線上で大波乱。母親の千代子さん(68)まで登場して、“浪花節”全開だった。
大塚家具の株主総会は、東京都江東区有明にあるビルのホールで行われた。定刻の午前10時までに、会場外には100人以上の報道陣が集まり、テレビ各局の中継車がズラリ。騒然とした雰囲気となった。
総会は議長の久美子社長の挨拶から始まった。グレーのスーツに、真珠のネックレスの久美子社長は、まず事業報告と会社側の取締役提案などを説明。続いて、勝久会長が株主側からの取締役提案を説明した。
「クーデターにより社長の座を奪われた。子供たちを利用している人がいて、報道は非常に残念。子供は5人つくりましたが、久美子は大変な難産でした」
父がこう話すのを、娘はうつむいたまま聞いていた。
その後の、株主からの質疑になったところで、質問者からの問いかけに久美子社長が一瞬、涙ぐむ場面も。時折、鼻をすすりながら、株主の声に耳を傾けていた。
■母が「あまり社員をイジメないで」と訴え
父は3人目の質問者として、マイクに立った。
「(大塚家具の)復活は私しかできない」と訴えるが、娘は「貴重なご意見をありがとうございました」と受け流す。しかし、父は引き下がらない。続けて再質問し、マイクを離れても叫んでいたため、娘が「ご静粛にお願いします」とたしなめた。
すると今度は、母の千代子さんが乱入、必死の訴えを始めた。
「私が一番中立な立場です。(久美子に経営が)できるとは思いません。あまり社員をイジメないでください」
父と同様、母も暴走気味で、会場からは怒号が飛ぶ。しかし母は、「聞いていただきたいんです。おかしいですか」とひるまない。
正午すぎに質疑が終了。採決で結局、娘が勝利した。総会前までに父側が28%超の株式を、娘側は20%超を確保した。
最後は、日本生命や東京海上日動火災などの大株主や個人投資家の動向がカギを握るとされたが、娘の訴えの方が株主の心に響いたということか。負けた父の次の一手はどうなる?