http://31634308.at.webry.info/201502/article_20.html
2015/02/22 22:32
原発事故が発生してから、もう4年近く経つのに、福島第一原発では、排水路から高濃度放射性物質が漏洩しているとの報道があった。正直言って、人間これだけ漏洩の話を聞いていると、またかと、特別の反応もなくなる。マスコミも淡々と報道する。排水路から検出されたということは、汚染水は湾の中に流れているということである。安倍首相が汚染水は湾の中に完全にコントロールしていると、世界に向けて嘘を言った訳である。今は、湾内の汚染度も湾外の汚染度も測定されていない。
東電が、核物質を除去した濃度の低い汚染水を湾に流すことを漁協に求めたが、漁協は認めなかった。賢明な措置であろう。福島原発の近くから取れた魚は、継続的にモニタリングされているはずであるが、未だに食べられるレベルになっていないのであろう。そのような報道が出たのは聞いたことがない。
汚染水が太平洋側に流れているので、隣国から文句を言われていないが、日本海側の原発から汚染水が日本海に流れれば、韓国、中国は黙ってはいないだろう。
漏洩した核物質はストロンチウムである。ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が類似するため、動物体内に摂取されると一部は排泄されるものの、大部分が骨に取り込まれて体内で90Srおよびその娘核種の90Yがβ線を放出し続ける。そのまま放射線を受ければ結局癌になる。
今また、政府は原発再稼働を行うつもりで、原子力規制委員会で安全を検証している。しかし、基本は再稼働を通すための検証であるので、遅かれ早かれ、再稼働のお墨付きを得て進められることは目に見えている。
ドイツは着々と原発廃止に向けて進んでいる。再生エネルギーの利用率は20%以上になっているという。片や日本は3%しかないのに、送電線の容量が一杯になっていると言い、買い取りを規制している。バカな政権で、日本の将来から確実に原発廃止のチャンスを奪っている。汚染水貯蔵タンクの耐用年数もそれほど長くは無い。その内にタンクからの漏洩が頻繁になることを恐れる。
原子力規制庁は22日、東京電力福島第1原発の排水路に設置されている測定器で、放射能濃度が高いことを示す警報が鳴ったと発表した。排水に高濃度の汚染水が含まれていたとみられ、一部は港湾内に流出したと判断した。原因は分かっていないという。
規制庁や東電によると、最初の警報は22日午前10時ごろ。その10分後にはさらに高濃度であることを示す警報が鳴った。
同10時20分から50分にかけて計測された値では、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり5050〜7230ベクレル含まれていた。地下水を海に放出する「地下水バイパス」の運用で東電が定めた濃度基準値は同5ベクレル未満。一方、同11時ごろに採取した排水のセシウム濃度は同15ベクレルで比較的低い値だった。
排水路は港湾内につながっている。午後0時半に採取した港湾内の海水からはベータ線を出す放射性物質が同3000ベクレル検出され、通常時よりも大幅に高い濃度であることが判明した。
汚染水が貯蔵されているタンクからの漏えいなどは確認されておらず、東電が原因を調べている。