国境線問題を軍事的に解決しようとすれば悲劇的な結果を生むことは、フォークランド戦争の記憶がある人間には容易に想像できる。その被害をこうむるのは、現地近くの住民も同様。
平和な暮らしを守りたいのは年齢に無関係のはずだが。町長は投票決定時に「未成年者を外せなかったのが残念」など、住民の意思を無視する発言を繰り返している。
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【政治】基地造成進む与那国島 住民投票へ 陸自誘致 島を二分
2015年2月15日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015021502000108.html
・造成工事が進む、陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備予定地=沖縄県与那国町で
(写真略)
日本最西端の沖縄県・与那国島(与那国町)で、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の賛否を問う住民投票が二十二日に実施される。地域の活性化か基地のない島か−。これまでも選挙のたびに争点となってきた。投票結果に法的拘束力はないが、誘致派と反対派で島を二分した激戦となる見通しだ。
重機が岩盤を削るたびに粉じんが舞い上がり、石を積んだ大型ダンプカーがひっきりなしに往来する配備予定地。造成工事を進める工事関係者がつぶやく。「ここに体育館ができるが、岩盤が固くて順調に工事が進まない」。せわしなく動く重機の近くを、在来馬のヨナグニウマが二十頭、ゆっくりと歩いていった。
台湾から約百十キロしか離れていない与那国島は、中国や台湾が領有権を主張する尖閣諸島にも近い。防衛省は海洋進出を活発化させる中国に対抗し、南西諸島の防衛力強化を掲げている。与那国島の沿岸監視部隊配備もその一環だ。
これまで選挙のたびに賛否が争われ、二〇一三年八月の町長選では、五百五十三票を獲得した誘致派の外間守吉(ほかましゅきち)町長が四十七票差で反対派に辛勝し、三選を果たした。
今回の住民投票では、永住外国人も含む中学生以上の町民が投票資格を有する。
町選挙管理委員会によると、有権者は千二百八十四人で、うち永住外国人は五人、中学生以上の未成年者は九十七人だ。
「自衛隊基地誘致に断固反対」「自衛隊誘致は我々の悲願」。住宅の壁には賛否それぞれの横断幕がいくつも掲げられている。
「自衛隊員が来れば、税収で島の新たな財源が生み出される」。誘致派の町漁業協同組合の組合長嵩西(たけにし)茂則さん(52)は、人口減少に歯止めがかからない島の活性化に期待。住民投票自体に疑問を投げ掛ける。「工事が進んでいるのに、いまさら住民投票をしてどうするのか。この論争に明け暮れて疲れた」
反対派の自営業山口京子さん(56)は「基地があれば、戦争になると狙われる」と訴える。東京から移住して三十二年。気持ちがゆったりできる島だと感じている。「基地の島だと言われるのはたまらない」。住民投票で反対の民意を示し、配備阻止につながることに期待を込めた。
外間町長は、反対派が過半数となっても配備に反対しないと明言している。防衛省によると、沿岸監視部隊は約百五十人規模で、一六年三月末までに配備する予定。
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