ついに“大物”に飛び火(写真は東大病院)/(C)日刊ゲンダイ
阪大など80本超の論文に不正疑惑 共著者に「東大病院長」が
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/156342
2015年1月10日 日刊ゲンダイ
STAP細胞に始まった不正論文騒動が“大物”に飛び火した。
東大や阪大などの研究グループが発表した80本を超える医療論文に画像の使い回しや切り貼りした疑いがある――研究者とおぼしき「匿名A」を名乗る人物が年末年始にかけ、日本分子生物学会の関連サイト「日本の科学を考える」で指摘した問題。各紙こぞって報じ始めたが、疑惑を指摘された複数の論文の共著者に、ナント東大医学部付属病院の門脇孝院長の名前まで含まれているから、さあ大変だ。
門脇氏といえば、日本糖尿病学会理事長という権威で、東大医学部の助手からトントン拍子で教授、病院長まで上り詰めたエリート中のエリートだ。理研の一研究員だった小保方晴子さんとは、まるで比較にならない超大物である。
■東大病院は「情報収集中」
「門脇氏が含まれる“疑惑論文”は2000年代前半のもの。門脇氏がまだ講師か助教授時代の論文とみられ、匿名A氏から、左右を反転させた画像が使用されたり、異なる論文の画像がほぼ一致しているなどと指摘されています。STAP細胞そのものがなかった小保方論文と単純比較はできませんが、要するに“コピペ疑惑”が浮上しているのです」(科学ジャーナリスト)
東大では昨年末、分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、論文33本でデータ捏造などの不正行為があったとする最終調査報告書が発表されたばかり。
東大病院に問い合わせたら、「(門脇氏の)名前が挙がっていることは認識していますが、事実関係を含めて情報収集中です」(パブリック・リレーションセンター担当者)と、何とも歯切れが悪かった。
この国の“最高学府”がうやむやのまま終わらせたら、昨年自殺した理研の笹井芳樹副センター長も浮かばれまい。