御嶽山は今も噴煙を上げている/(C)AP
震災から4年…「東日本」の火山で“大噴火”迫ると専門家警告
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2015年1月9日 日刊ゲンダイ
鹿児島地方気象台が、桜島でマグマの上昇による山体膨張が起きていると発表した。気象台は「噴石や火砕流に注意が必要」と警告しているが、本当に心配なのは東日本の火山だという。
「火山性地震が増加している蔵王を筆頭に、十和田湖、十勝岳、鳥海山、吾妻山、白山、草津白根山はいつ起きてもおかしくない」と警告するのは、立命館大環太平洋文明研究センター・歴史都市防災研究所の高橋学教授だ。
「西日本の火山活動は、巨大噴火につながらないとみています。プレートに圧縮されて、現在マグマだまりにあるマグマが出てしまえば終息する。東日本の場合、東日本大震災後、直下の太平洋プレートが震災前の3、4倍で沈み込んで今日までマグマをつくり続けている状態です。世界で20世紀に起きたM8.5以上の地震は21回。すべて4年以内に大噴火している。現時点で、例外は日本だけなので気がかりです」
高橋教授によれば、9世紀の貞観地震後の地層を研究すると不気味な結果が出ているという。貞観地震といえば、東日本大震災と酷似していることで注目された地震だ。
「貞観地震の津波の砂の地層の上に、十和田湖の火山灰が見つかっています。その上にあるのが、北朝鮮にある白頭山の火山灰です。白頭山が噴火したのは貞観地震の影響が考えられています。冬の間に噴火が起きれば火口の雪が熱に解けることで、大洪水や土石流を起こします。1985年にコロンビアでは、雪に覆われた火山の噴火による土石流で人口2万5000人のアルメロの街が襲われ、2万1000人が生き埋めになって亡くなっています。東日本の火山の付近には、六ケ所村など原発関連施設もある。不安要素は尽きません」(高橋教授)
東日本大震災からもうすぐ4年。覚悟が必要だ。