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7年間で218人 イマドキ大学生はなぜ就活自殺に走るのか?
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/156172
2015年1月6日 日刊ゲンダイ
就職活動がうまくいかず、悩んだ末に命を絶つ「就活自殺」が深刻化している。警察庁の統計によると、2013年度までの7年間で大学生の就活自殺者は218人に上る。年間に約30人だが、専門家によると、実際は数倍の規模になりそうというから看過できない問題だ。
人事コンサルタントの菅野宏三氏は「昔は就活による自殺者は多くなかった」と言う。
「20年前までは希望の会社に入れず、中小や中堅企業に決まった人も“いずれ会社が大きくなるだろう”と期待して入社したものです。ところが今は将来性があるのはブラック企業が多いIT業界くらい。学生はマスコミやネットを通じてそうした企業の厳しい実態を知っているため、新卒学生は大手や財閥系企業を目指すわけですが、ご存じのようにどこも狭き門です。“大手に落とされたら、ブラック企業で一生を送るしかない”と悲嘆にくれたり、“俺には非正規雇用しかないかも”と絶望的になり、自ら命を絶つ。こんな現実を耳にします」
■劣等感からうつ状態
同級生がみんな大手から内定をもらっているのに、自分は中小企業にしか受け入れてもらえなかった。そんな劣等感から、うつ状態になる学生もいるそうだ。
「彼らを絶望の淵から救うには親の助言が重要です。“就職活動はダメモトで当たれ。中小企業にもいい会社はある”と励ます。働きながら資格試験や語学の勉強をしてスキルを身につけることの面白さを教えてあげれば、希望企業に入れなくても前向きになれます」(菅野宏三氏)
人生の目標をつくってやることも親の責務なのだ。