http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGPYKQ6KLVR801.html
(ブルームバーグ):日本株を売買する海外投資家の間で、フランスの存在感が高まっている。2013年末と14年初めの大量売買に続き、10月もシェアが上昇、需給面で相場を変動させる一因になりつつある。
今日のチャートは、財務省・日本銀行の対内・対外証券投資による主要国別の月次売買動向を示す。2013年のフランス投資家は、10月まで月間で1000億−2000億円台の売り越しあるいは買い越しだったが、11月に8432億円、12月に7799億円の買い越しを記録するなど金額規模が急拡大。ことし1月は8057億円、2月に6084億円売り越した。10月には、再び大幅な買い越しとなった。
フランスの日本株売買動向は、TOPIX の動きに連動している。TOPIXは昨年11月に5.4%、12月に3.5%それぞれ上昇し、ことし1月は6.3%、2月は0.8%下げた。ことし10月は0.6%高だった。
野村証券エクイティ・ストラテジー・チームの柚木純アナリストは、「フランスの投資家はデリバティブやクオンツ系が強いと言われている」とし、「昨年末に日本株売買を本格的に始めたのかもしれない。彼らは一時的に入ったり出たりする投資家」との見方を示した。
柚木氏によると、海外投資家の中に占めるフランスのシェアは8−9%程度という。「東証の売買動向で米国の売買シェアがことし途中から落ちてしまった。米国が下がり、その分欧州のシェアが上がった」と同氏。ただ、その理由は分からないとし、「口座の付け替えなどが背景にあるかもしれない」と推測する。
パリに本拠を置くコムジェストで日本株ポートフォリオ・マネジャーを務めるリチャード・ケイ氏も、フランスによる日本株買い越しの事実は認識しているが、背景は把握し切れていないと指摘。「フランスの銀行による多国籍投資家を相手にしたデリバティブ取引と思えたりもする。日本の回復を狙った素直な投資とは言えないようだ」と話す。
野村証の柚木氏は、日本株市場でフランスが投機的な主体になっており、「10月にまた大きく資金が入っていて気になる」と言う。日本銀行が追加金融緩和を実施した10月31日の1日で資金がほとんど入った可能性もあり、今後何かのきっかけでポジション(持ち高)の巻き戻しが起これば、日本株が売られる展開もあり得るとみる。
フランス以外の投資家動向は、13年に4000億円以上の買いが8カ月あった米国は、14年に入り月間1000億円台以下の売買にとどまるなど存在感が低下。英国は安定的に売買している。
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更新日時: 2014/12/30 09:33 JST
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