まさかの牛丼400円も…吉野家大幅値上げでマクドナルドの復活もある?ってホントか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141230-00041351-playboyz-soci
週プレNEWS 12月30日(火)6時0分配信
12月17日、吉野家の牛丼並盛が300円から380円に…。このあまりに無情な値上げ、俺たちの愛する吉野家に一体、何が起きているのか!?
マーケティングコンサルタントの新井庸志(やすし)氏に聞いた。
「理由のひとつは円安。円ドル為替レートは1年前に比べて20円近く円が安くなり、原材料の輸入価格が高騰したんです。そして、もうひとつの大きな要因が米国産牛肉の価格上昇。米国の干ばつ被害により出荷数が減少し、さらに中国や東南アジア諸国での需要の高まりもあって、1年前の約2倍に値上がりしています。ですから、牛丼を従来の低価格で提供し続けることが現実的にもう不可能になったのです」
苦しいのは吉野家だけじゃない。“三大チェーン”の一角である松屋は、すでに7月から関東圏の店舗で、使う牛肉の質を高めた「プレミアム牛めし」(並盛380円)を導入し、実質値上げに踏み切っている。
すき家は291円で頑張っているものの、もはや“安くてうまい”牛丼は風前の灯(ともしび)!
「牛丼チェーンの抱える構造的な問題なのですが、看板メニューである牛丼は利益率がとても低い。人件費と原材料費を合わせると、提供価格の8、9割程度にまでなってしまうのです。今はそこに追い打ちがかかっている状態なので、正直、吉野家は今の380円でも厳しいはず。そのような状況ですから、すき家の値上げも時間の問題でしょうし、吉野家が380円からさらに値上げする可能性も否定できません」(新井氏)
まさかの牛丼400円超えの日も近い!?
でも、いくら値上げせざるを得ない事情があるとはいえ、客数は激減するはず。今後の経営へのダメージは?
「吉野家の『牛すき鍋膳』(並盛630円)が好調だと話題になっていますが、どこも牛丼以外のメニューで勝負して客単価を上げ、客数減をカバーするというビジネスモデルへと転換する過渡期に差しかかっているのです。
また、値上げ後、一時的に客数は減ると思いますが、何ヵ月かたてば、ある程度客足は回復するのではないかと私はみています。なぜなら、すでに松屋がプレミアム牛めしの導入で実質的な値上げをしていますし、牛丼チェーン以外でも、ラーメンチェーン大手の幸楽苑が看板メニューの『中華そば』(290円+税)の販売を一部店舗で中止し、今後は500円台のラーメンに注力するという報道がされたばかり。
あらゆる物価が上昇している今の状況にあって、消費者も『またか…』程度に思うわけで、吉野家だけに責任を押しつけても仕方がないという心境のはず」(新井氏)
確かに、今回の吉野家の値上げについては、あんまり怒る気になれません…。ただ、気になるのは“吉野家値上げショック”による、ほかの外食チェーンへの影響。
近頃は、利益の大きい高価格帯のメニューに注力するファミレスも増えているけど、メジャーな吉野家が大幅値上げに踏み切ったことで、今後、牛丼以外の外食チェーンも続々と値上げに踏み切る!? そうなったら、かなり困るけど…。
フードアナリストの重盛高雄氏はこう語る。
「確かに、客単価2000円近いロイヤルホストなど高価格帯のファミレスが好調なように、今の外食業界にとって、“多少高くても、質に納得できれば通う”消費者をいかに取り組むかは重要なテーマです」
むむ…。それはつまり、安さを最優先する消費者は、もはやマーケティングの対象外になりつつあるってこと?
「決して、そんなことはありません。プレミアム系メニューばかり展開することに目を奪われることがいかに危険なのかは彼らも理解していますし、どの外食チェーンもメニューの価格帯を多極化していくということになると思います」(重盛氏)
前出の新井氏もこう語る。
「円安でどの外食チェーンも大変な部分はあると思いますが、牛丼チェーンほど利益率の悪いメニューを看板にしているところはない。ですから、ほかの外食チェーンが吉野家の値上げに一斉に続くということにはならないでしょう」
特に、牛丼と同価格帯のメニューを売りにするほかの外食チェーンにとって、今はファン獲得の大チャンス!
「例えば、『丸亀製麺』『はなまるうどん』などのうどんチェーン。さらには苦戦の続くマクドナルドが巻き返す可能性もあると思います」(新井氏)
まさかのマック復活!
「マクドナルドは10月から『昼マック』という350円から食べられるランチ限定のセットを開始するなど、かつての低価格路線に戻す動きが見られますよね。さすがに最盛期の人気を取り戻すのは難しいと思いますが、牛丼と同価格帯になったことで、今まで『高い』と敬遠していた人や牛丼チェーンに行っていた人が、マクドナルドに逃げてくる≠ニいう現象も起こり得るのでは」(新井氏)
果たして、どうなる!?
(取材・文/昌谷大介、武松佑季[A4studio])