自衛隊とNATO軍 実動訓練へ調整
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014090502000238.html
2014年9月5日 東京新聞
【ニューポート=斉場保伸】日本政府は四日、英ウェールズのニューポートで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の分科会に出席し、日本の自衛隊がNATO軍との初の実動訓練を早期に実施するために調整していることを明らかにした。
政府は安倍晋三首相が掲げる「積極的平和主義」の一環と位置付けている。日本はNATO加盟国ではないが、NATO加盟国との連携を「極めて有意義」と判断した。
海上自衛隊は現在、ソマリア沖アデン湾で海賊対処活動を実施している。NATO軍も同様の活動を展開しており、海域の重なる部分で偵察機で収集した情報の共有や艦船運用などで連携を強める考え。具体的な訓練内容は今後詰める。
分科会で日本側は、七月に武力で他国を守る集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしたことを説明。この決定で「NATOとの連携強化も後押しすることになる」と強調した。
内閣改造があったため、政府から閣僚は出席せず坂場三男駐ベルギー大使が分科会に出席して発言した。同行筋は「日本はNATO加盟を希望していないが、協力関係は深め、学びたい」と述べた。
NATOは加盟国が一つでも武力攻撃を受けた場合は、全加盟国への攻撃と見なして兵力使用を含む行動を取る集団防衛を掲げており、今回、ロシアのウクライナへの軍事介入を受け、防衛強化を議論している。