中国 ウルムチの爆発で31人死亡
動画⇒http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140522/t10014641741000.html
5月22日 17時59分 NHK
中国西部、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチで、22日朝、野菜などを売る朝市に車が突っ込んだうえに何者かが車から爆発物を投げ込むなどして爆発が起き、これまでに31人が死亡し、94人がけがをしました。
国営の新華社通信によりますと、日本時間の22日午前9時前、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチで開かれていた野菜などを売る朝市に2台の車が突っ込み、何者かが車から爆発物を買い物客らに向けて投げ込んだあと、車は爆発したということです。
新華社通信はこれまでに31人が死亡したほか、94人がけがをしたと伝え、けが人は病院に搬送され手当てを受けているとしています。
また、2台の車にはナンバープレートがなく強引に突っ込んできたということで、新華社通信は、目撃者の話としてけが人の多くは朝市をよく訪れるお年寄りだと伝えています。
さらに国営の中国中央テレビは、習近平国家主席が今回の爆発は「暴力テロ事件」だとしたうえで、迅速に捜査を進めて犯人を厳罰に処すとともに、同じような無差別の殺傷事件が連鎖的に起きるのを全力で防ぐよう指示したことを伝えました。
ウルムチでは、先月30日、駅で爆発が起きて3人が死亡、79人がけがをした事件が起きたばかりで、大勢の武装した警察官がパトロールするなど厳重な警戒が続いていました。
「爆発音は複数回聞こえた」
ウルムチ市内の病院は、NHKの電話インタビューに対し「病院にはけが人が運び込まれているが、取材には答えられない」と話していました。
爆発が起きた現場近くに住む男性は「朝8時ごろにすごく大きな爆発の音が聞こえ、黒い煙が見えた。爆発音は複数回聞こえた。現在は警察官がたくさん来て、街の中を警備している」と話していました。
また、同じく現場近くに住む女性は「2、3秒連続して大きな音がして、地震のような揺れを感じたので外を見たら煙と炎が見えた。炎が大きく外に出ることはできなかった。爆発があった青空市場は野菜などが売られていて、子どもを連れたお年寄りなど多くの人が買い物に訪れる場所だ。昼前にはバスなども通常どおりに走りはじめたが、通りには大勢の警察官が出ている」と話していました。
テロ事件との見方を強調
新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチで起きた爆発事件について、中国外務省の洪磊報道官は22日の記者会見で、「今回の『暴力テロ事件』は人類と社会、それに文明に反するテロリストの本質を改めて示したもので、中国の国民と国際社会は声を合わせて非難すべきだ」と述べ、根拠は示さないまま、テロ事件という見方を強調しました。
そのうえで、洪報道官は「中国政府はテロリストを打ちのめす自信と能力があり、彼らのたくらみが実現することはない」と述べました。