株式日記と経済展望
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台湾海峡危機への対応如何は、日本の安全保障戦略を考える上で、
尖閣諸島防衛の問題以上の重要性を帯びているわけである。
2014年5月3日 土曜日
◆分析官が小説で描く台湾海峡危機 5月2日 松本太
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40598
米国の安全保障分野の碩学であるジョン・ミアシャイマーが、2月末、ナショナル・インタレスト紙に寄稿した「台湾にさよならを(“Say Goodbye to Taiwan”)」という短い論文は、東アジアの安全保障を考えている人々に大きな衝撃を与えた。
その要旨は明快だ。将来、中国の軍事力が増大する結果、もはや中国のパワーに台湾は抗しきれず、遠からず中国の一部とならざるを得ない、という冷徹かつ現実的な戦略家の議論である。
ところが、この論考が論壇を賑わした直後に、台湾では、中台間の貿易サービス協定に反対した学生たちが、台湾の国会を23日にわたって占拠するという大事件が発生したことは、すでに御存じの通りである。中国の台頭の最前線にある台湾の若者が、これ以上の中台間の経済的接近に警笛を鳴らしたわけである。
台湾では、そもそも多くの若者が、職にあぶれて不満を募らせていたという背景があるにせよ、台湾で台中間の経済の緊密化に反する動きが出てきていることは、ミアシャイマーが見通す未来を拒む、別の現実が、東アジアに出現してきているという兆しとも言えよう。
そこで本稿では、台湾をめぐる安全保障の現実を考えてみたい。それも小説を舞台にして。なにしろ、ゴールデンウイーク後半の読書にふさわしい、お薦めの小説があるからだ。CIAの現役分析官マーク・ヘンショウが著した台湾をめぐる近未来小説『レッドセル─CIA特別分析室─』である。
「ちっぽけな島、金門島」
この場を借りて、簡単に紹介させていただこう。主人公は、キーラ・ストライカーというCIAで現場のオペレーションを担っていたブロンドの女性だ。彼女は、ある日、「レッドセル」と呼ばれるCIAの秘密の分析部局に配属される。彼女は、突然の職場の変化に戸惑いながらも、突如発生した台湾に対する中国による侵攻をめぐるインテリジェンスの謎の究明にあたることになるのである。
事件は、台湾において、中国大陸から派遣されているスパイが一網打尽にされることから始まる。これは、国民の支持率を挽回するために、台湾の「連」総統が次期総選挙で勝つために取った奇策なのだ。そして、これに対して中国は、台湾への極秘侵攻作戦を行うのである。
現役のCIA分析官が書いただけあって描写は真に迫るものがあるが、半分ぐらいは空想と嘘が散りばめられていると見てよかろう。ここでは、空想と嘘は読者の推理に任せるとして、ほどほどのリアリティがある部分のみを取り上げてみよう。
小説の中では、中国人民解放軍は、まず大陸に近い金門島の発電所を、隠密裏の秘密作戦によって爆破し、通信局や送電線などの金門島のあらゆるインフラを次々と叩き、そして、金門島の台湾空軍の拠点である尚義空港を押さえ、最終的に制空権を奪取するという特殊オペレーションが開始される。
同時に、台湾のキッド級ミサイル駆逐艦の「馬公」が、敵機や潜水艦の接近を一切関知できない状況の中で、突如、撃沈されるという緊急事態も生じる。
こうした事態を受けて、「スチュアート」米国大統領は、中国の「田(でん)」国家主席に対して強い抗議を行うものの、ホワイトハウスでは、もはや金門島は軍事的には奪還できないという評価が早々に下されるのである。
そこで、ホワイトハウスの中で自問自答するスチュアート米国大統領は次のように言う。
「事実を探り出し、人民解放軍のしわざであることが証明できなければ、身動きがとれない。実際、金門島は取るに足らないちっぽけな島だ」
「台湾をめぐって中国と戦争になっても、国民の多くは納得しないだろう。世界地図にほとんど載っていないようなちっぽけな島が原因だとしたらなおさらだ」
ここでの問題は、金門島を襲撃したのが中国人民解放軍であるのか否かはすぐには分からないし、それを証明することは至難のわざであるということだ。ちょうど、ウクライナの東部やクリミア半島において、市庁舎や警察署などを占拠したのがロシアの特殊部隊であったか否かを証明することが困難であったことと同様の問題である。
この点で、台湾にとっての金門島が、日本にとっての尖閣諸島に重なって見えるのは、筆者の錯覚ではないだろう。そして小説の中では、一度、中国に奪取された金門島は永遠に台湾には戻ってこないのである。(中略)
一方、完全な海上封鎖を戦略として考えるのであれば、台湾海峡こそが最も重要なチョークポイントとなる。しかし、これが封鎖できないのであれば、こうしたオフショアコントロール戦略そのものが成り立たくなる。この意味で、台湾海峡危機への対応如何は、日本の安全保障戦略を考える上で、尖閣諸島防衛の問題以上の重要性を帯びているわけである。
小説の中では、台湾海峡有事を受けて、キャスリン・クックCIA長官がスチュアート大統領に対して、台湾海峡という国際海峡の交通の安全を守るために空母を派遣する意義を次のように進言している。
「台湾はフィリピンの北、太平洋と南シナ海をつなぐルソン海峡に位置しています。ここは主要航路で日本、韓国とインドネシア、インド洋をつないでいる。田(主席)が占領に成功して金門島〜澎湖諸島〜台湾ラインを押さえたら、台湾海峡とルソン海峡を封鎖し、商船の航行をストップさせる可能性があります」
このCIA長官の助言に従って、スチュアート大統領は、澎湖諸島防衛計画の発動を命じることになる。すなわち、大統領が下した決断は、米国の空母を派遣し、国際海峡である台湾海峡を守るということなのである。
ちなみに、最近筆者が話し込んだ台湾のプロフェッショナルたちによれば、中国の軍事的台頭が進めば進むほど、台湾と米国との関係は実際には一層緊密なものになっているという。
日本の安全保障に関わる者は、こうした台湾の内外で今起きているリアルな変化を、目を見開いて見つめるべきなのだ。
そして、台湾の将来を事もなげに予想をする米国のリアリストに対して、きっと今度は言い返す必要があろう。“Never Say Goodbye to Taiwan”と。
(私のコメント)
韓国と台湾と少し違うのは、中国に対する若者の考え方であり、台湾の若者は馬総統の政策に反対して国会を占拠した事である。韓国においてこのような事があり得るだろうか? 韓国の若者は政府やマスコミの言う事に従順であり、パククネ政権の親中政策に大きな反対論は出て来ていない。
韓国政府は、アメリカのオバマ大統領がアジア歴訪で韓国を訪れない事に大きな危機感を感じてアメリカ政府に働きかけたのに対して、台湾にアメリカ大統領が訪れる事はまずないだろう。中国政府を刺激するからですが、河野洋平も台湾には行かない事で中国に対しての忠誠心を示した。
中国が直接軍事力を行使する事よりも、台湾にスパイを大量に送り込んで政府ごと乗っ取ってしまう事を考えるだろう。韓国はすでに中国・北朝鮮スパイの手によってパククネ政権は親中外交を取るようになた。日本にも中国のスパイを大量に送り込んでいるのでしょうが、日本の文化人や言論人も大量に取り込まれている。
台湾と韓国が違うのは、台湾人は中国の事が手に取るようにわかるのに対して、韓国人は中国の事が良く分からない。漢字も読めないし中国語も分からない。情報は政府やマスコミの事を信ずるしかなく、情報は政府寄りであり、中国の事は専門家しかわからない。その辺が対中感情の違いに現れているのでしょう。
韓国も以前は日本語世代が多い頃は日本からの情報も分かっていたのでしょうが、最近ではハングルしか分からないから政府やマスコミの言いなりになってしまう傾向が多い。台湾人は漢字が分かるから中国の事も分かるし日本の事もある程度は分かる。一番違うのは地政学的に韓国は中国と地続きなのに対して、台湾は島国であり地理的条件が異なる。
しかし韓国と台湾は中国との経済関係が濃密であり、中国なしでは成り立たなくなってきている。だから中国政府は時間が経てば韓国も台湾も平和裏に勢力下に置けると見ているのでしょうが、軍事的な直接攻撃を行う事は中国に取っても賢明な策ではない。スパイを大量に送り込んで国会議員を一人一人取りこんでしまえば併合も可能だ。
問題は、アメリカが台湾をどのようにするのか分からない事であり、中国が直接台湾に侵攻してきた場合にアメリカは台湾防衛に動くのだろうか? 中国はアメリカにも多くの工作員を送り込んでアメリカ連邦議会議員を取りこんでいるのでしょうが、大統領を直接買収してしまえば一番効果的だ。
クリントン大統領は、中国に買収されて台湾に対して「三つのNO」を明言しましたが、台湾の独立を支持しないとか、国連などの国際機関に加盟する事も反対するといった政策であり、明らかにクリントンは中国に買収されていた。だからチベットに対してもウイグルに対してもアメリカ政府は言及する事が少なく、チベットやウイグル独立を支持していない。
このような事はアメリカと中国との特殊な関係を物語るものであり、共産主義国家の中国の独立に大きな功績をアメリカは残している。しかし中国共産党はアメリカを裏切ってソ連について一枚岩の団結をもった。共産主義国の中露が連携すればアメリカは孤立して日本を味方にせざるを得なくなりましたが、もともと米中は日本を封じ込める見えない同盟を組んでいる。
アメリカ政府は一つの中国を支持しているのであり、中国が台湾を手に入れれば日本は南方の航路を塞がれる。アメリカが日本を「敵国」としているのなら合理的な判断だ。しかし現実は全く逆であり、日米は同盟国となり中国は潜在的敵国となった。今や中国は経済規模においてアメリカを凌駕したというニュースがありましたが、アメリカはどうするのだろうか?
◆中国、アメリカ経済覇権142年ぶりに揺さぶる 5月1日 the hankyoreh
http://japan.hani.co.kr/arti/international/17276.html
中国が今年、購買力平価(PPP)に換算した国内総生産(GDP)基準で、アメリカを抜いて世界1位の経済大国に上るだろうと<ファイナンシャルタイムズ>が30日報道した。 世界経済規模順位で王座が変わるのは1872年にアメリカがイギリスを追い越して以来、142年ぶりのことだ。 金融危機以後にさらに明確になったドル覇権の弱化と共にアメリカが1世紀を超えて守ってきた世界経済覇権を揺るがす象徴的な事件だ。
同新聞は世界銀行がこの日に発表した‘世界経済の購買力平価と実支出:2011年国際比較プログラム(ICP)結果要約’報告書を基に、中国経済が予想よりはるかに速い速度でアメリカを追い越していると伝えた。多くの経済専門家たちは2019年頃に中国がアメリカを抜くと予想していたが、中国の浮上は実際にははるかに速かった計算だ。
世界銀行報告書によれば、購買力平価基準で2011年のアメリカGDPは15兆5338億ドル、中国は13兆4959億ドルで中国の経済規模がアメリカの86.9%水準まで追撃した。 2005年に中国がアメリカの43.1%に過ぎなかった状況と比較すれば驚くべき追撃ぶりだ。 <ファイナンシャル タイムズ>は "国際通貨基金(IMF)は2011年から2014年の間にアメリカ経済は7.6%成長する反面、中国経済は24%成長すると推定する。これに伴い、中国が今年アメリカを追い越す見込みだ" と展望した。
もちろん、世界銀行が為替レート基準で算出した2011年の中国GDP規模は7兆3000億ドルで、アメリカの15兆5000億ドルの半分に至らない。 だが、変動性が激しい為替レート基準よりは実質商品とサービス価格を反映した購買力平価基準を適用する方が経済規模を比較する上ではるかに良い方式と評価されると<ファイナンシャル タイムズ>は強調した。 世界銀行は自らの購買力平価方式を基準とした国家別GDP報告書を2005年に初めて出したのに続き、今回2回目に出したが、この資料は国際通貨基金などであまねく引用され権威を認められている。