冠水しない燃料取り出し技術募集
動画⇒http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140425/k10014036211000.html
4月25日 18時21分 NHK
東京電力福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料を巡り、国は、今の計画で想定されている燃料を水にひたして取り出す「冠水工法」と呼ばれる方法ができない場合に備えて、必要な技術を募集することになりました。
福島第一原発の廃炉を進めるうえで重要な1号機から3号機のメルトダウンした核燃料の取り出しは、工程表では早ければ、6年後の平成32年度以降に始まるとされています。
今の計画では、原子炉を覆う格納容器に水を張って放射線を遮蔽しながら燃料を取り出す「冠水工法」が検討されていて、各号機の格納容器の調査が行われています。
25日、東京・港区で開かれた会議で、メーカーの技術者などに燃料の取り出し方法の検討状況が報告され、廃炉を技術的に支援する組織「国際廃炉研究開発機構」の担当者は、これまでの調査から、格納容器の損傷箇所の特定や十分な修復が難しく、冠水できないおそれがあると説明しました。
そのうえで、放射線量がより高い状況でも燃料の状況を把握する映像技術や水を使わずに放射線を遮蔽する方法など、冠水せずに燃料を取り出す技術の募集を国がことし6月から始める方針を明らかにしました。
国際廃炉研究開発機構の鈴木一弘専務理事は「冠水できない場合、放射線を遮蔽する新たな対策が必要になる。困難を乗り越える斬新なアイデアを出してほしい」と話しています。