ワシントンD.C.(Washington D.C.)の経済政策研究所(Economic Policy Institute)で、著書「Capital in the Twenty-First Century」(21世紀の資本論)について講演するフランスの経済学者トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏(2014年4月15日撮影)。(c)AFP/IVAN COURONNE
【4月25日 AFP】フランスの経済学者トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏が書いた所得格差に関する書籍が22日、米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の売れ筋ランキングで1位に躍り出た。
ピケティ氏の著書「Le capital au 21e siecle」(21世紀の資本論)の英語版「Capital in the Twenty-First Century」は、先月出版されるとアマゾンの売れ筋トップ100入りを果たし、ついに「アナと雪の女王(Frozen)」、「ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」、「天国は、ほんとうにある(Heaven is for Real)」といったベストセラー作品を押しのけてランキングのトップになった。
米国の指導者たちが、所得格差の拡大とは政治行動を必要とする問題なのかどうかという議論を展開している中、700ページに及ぶ今回のピケティ氏の著作は広い関心を呼んだ。前週、ピケティ氏は米ワシントンD.C.(Washington D.C.)を訪問し、ジェイコブ・ルー(Jacob Lew)米財務長官やバラク・オバマ(Barack Obama)大統領の経済顧問らと面会した。
近年の経済学で最も重要な著作の一つと称賛されている同書は、過去2世紀のデータを用い、経済全体の所得の多くを富裕層が蓄えており、既存の政策ではそれがますます拡大するだけだと論じている。
しかし米国の保守派はピケティ氏を新マルクス主義経済学者として非難している。米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は、ピケティ氏は「非現実的な空想家」であり、その著作は「経済学的分析というよりも、奇妙で観念的な長談義だ」と断じる書評を掲載した。(c)AFP
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