米国のFRB次期議長指名と債務上限問題
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52515268.html
2013年10月11日 在野のアナリスト
日本の株式市場が、4連騰してきました。14000円割れの水準では、日系の先物買いが目立ち、その強い抵抗にあって切り返したこと。及びイエレン・ラリー、米債務上限問題に道筋が見えてきたこと、などが材料視されています。その米国は材料もりだくさんです。
FRBの次期議長として指名されたイエレン氏は現在の副議長、しかも女性ということで、異例づくしです。メディアの協力により、レイムダック化を防げているとは言え、こうした異例の人事というのは、強い政権基盤の下でしか、中々通せるものではありません。特にハト派と看做され、新自由主義が多い共和党としては、これだけ異例の緩和をさらに継続させるようなイエレン氏は、天敵に相当します。しかし女性の社会進出を否定すれば、国民に不人気となりつつある今の共和党にとって、来年の中間選挙で致命傷になりかねない。議会で、徹底的にハト派の意見をつぶし、それをもって承認する形が妥協点とみられます。しかし今の米国、そうはならない可能性が高い。
予算案も、債務上限問題も、どちらもネックはオバマケアです。オバマ氏は脅しに屈しない、として交渉もしない強硬路線です。その頑なな態度から、共和党も態度を硬化し、妥協点さえ探れない。これはFRB次期議長の選出も同様で、これは上院マターであるため、ほぼ共和党は口を挟めない事案です。オバマ氏はそのまま押し切ってしまうでしょう。そうでないと、サマーズ氏の指名に失敗した、その失点をとりもどせない。強い指導者というイメージに拘っているのです。
ではオバマ氏のこれほどの頑なさは、どこから来ているのか? それは暗殺への怯え、なのだと考えています。就任前から、二期目の暗殺が噂されていたオバマ氏、国民の人気も高く、演説もうまい。その姿はケネディ元大統領に重なります。日本の大使にケネディ氏の娘をあてたのも、何かの因果か。来年の中間選挙を過ぎると、大統領選の機運が盛り上がり始めるため、それまでのここ一年が、タイミングとしては最適です。今の流れは着実に『急進的なティーパーティーの人間によって、オバマ大統領が襲撃される』というシナリオに向かって、すすんでいるようにみえます。
麻生財務相や、甘利経再担当相が、米債務上限問題でかなり強気な、米国を非難する発言をしています。恐らくこれも、今の冷たいオバマ政権への恨み節が雑じるのでしょう。米国のお気に召すよう、追従しているのにつれない態度。麻生氏はナチス発言以来、米国からの援護射撃は期待できない身分ですので、安倍氏がいうと角が立つことを、あえて言う立場にはあるようです。
日本の株価は公的資金なのか、何か分からない資金によって、下支えもされます。イエレン氏の登場により、1年は先送りされたとされる金融緩和の解除。しかしアジア株と、日本株のシーソーのような現状は、決して今の経済が安泰ではないことを示しています。米国は都合の悪い人物を、暗殺によって消してきた、負の歴史を抱える国です。今回も、オバマ氏が米国にとって都合が悪くなると、世界にとっての不都合なことが、より大きくなってしまうのかもしれませんね。