03. 2013年10月10日 00:00:36 : pbGtlhns2o
当方、国鉄一家だったけど、国労一家でもあった。国鉄の分割解体の折に人活センターに集中的に送られるなど、総攻撃を受けた。JRに行くために国労をやめざるを得なかった職員も多い。これを主導したのが、悪名高きイルミナティ・ナカソネ。国鉄を潰したのは、組合対策だったと自ら語っている。
JR以降、第二千歳空港が開港し、札幌から空港への旅客輸送を獲得するために特急電車のスピードアップと増発が行われた。これにより貨物列車もスピードアップを迫られ、これまでDD51形ディーゼル機関車1輌で引いていた貨物列車を、2輌で引くこととなった。運転経費の増大と機関車の老朽化が進んだ。これの対策のため、新型ディーゼル機関車DF200形が新規投入された。ところがDF200形は車重がDD51形より重く、軌道に与える負担が大きい。本来なら保線費が増えて当然だ。ところが逆に減らしてしまった。これが鉄道施設の疲弊を招き、脱線事故が増える原因となっている。
北海道の自然条件の厳しさは予想以上で、これほどの酷寒地で運用されている鉄道は世界でも数少ない。一例を挙げる。1968年に小樽〜札幌〜旭川間の交流電化が完成した。ここに1970年代、特急電車を走らせることとなり、485系電車(1500番台)が投入された。
ところが、信じられない出来事が起こった。この電車は青森で何のトラブルもなく運用されていたのだが、北海道に持ってきた途端、本州最北端でも全く起こらなかったトラブルが続発した。出入り口のデッキ部分に粉雪が次々と舞い込み、電車の中に雪がたまってきた。これを見た子供たちが電車の中で雪合戦をしていたのである。国鉄は、これに対し酷寒地専用の特急電車を新たに開発して1978年に投入した。聴いた話によると、国鉄は1970年代に大赤字を出していたため、少しでも節約しようと本州向けの電車を投入したらしい。ところが現実は厳しかった。やはり、北海道には専用設計の酷寒地向け車輌でないとダメであった。酷寒地向けの車輌は、価格が本州向けより大幅に高くなる。
北海道は夏冬の温度差が-30℃〜+30℃だから、実に60℃も変動する。このような地域は世界でも極めて少なく、車輌の老朽化も驚くほどの速度で進む。本州の減量ダイヤで余剰になった14系特急型客車を1984年に改造して北海道に投入したが、15年ほどでボロボロになってしまった。これを使用した急行「天北」に乗ったことがあるが、泥炭地を通る線路がでこぼこで、空気ばねを持ってしても衝撃を吸収することができなかった。JRになってから3年ほどで廃線になったが。
天北線(廃線)を行く 急行「天北」
http://www.youtube.com/watch?v=fLX0_xra9VQ
国労やめてまでJRに行ったけど、ローカル貨物はどんどん切り捨てられるばかり。専用貨物列車はコストがかかると、コンテナ化を荷主に押し付け、あげくの果てに荷主に逃げられる。1995年の阪神淡路大震災で東海道本線・山陽本線が長期間不通になり、逃げた荷主は帰ってこなかった。株式上場しか頭にない国土交通省に腹が立って、やめて外国に行った。するとどうだ、ニュージーランドには本物の鉄道があった !
TranzCoastal Train from Picton to Christchurch, New Zealand
http://www.youtube.com/watch?v=Gti2SSPltf0
ニュージーランドは鉄道を民営化したものの、コスト削減のため保線費用を減らし、まともな鉄道ダイヤが維持できなくなり貨物列車にしわよせが出た。これに危機感を強めた政府は、鉄道を上下分離して、下の鉄道施設を再国有化した。保線管理を適正に行うことにより、貨物列車の輸送力は以前のレベルを取り戻し、鉄道の再建に成功した。日本はニュージーランドに学ぶべきである。
Midland Line Coal Special Cut
http://www.youtube.com/watch?v=HZ8XPCM0lS8
鉄道は社会の公共インフラなのだが、国土交通省がそんなものお構いなしに株式上場ばかりに血眼になり、本州JR3社は株式を売却したものの、外国人株主が増えており、彼らの配当要求が厳しいために、本州3社の中でも財務体質が弱いJR西日本など、JR東日本やJR東海で老朽化のため引退した113系電車、115系電車、117系電車(これは東海だけ。)を、未だに主力として運用し、おまけに寿命延長工事まで行っているようでは、JR西日本のお先も真っ暗だと言わざるを得ない。JR西日本は、現に車輌故障による運休が起きている。