株式日記と経済展望
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NHKスペシャル"マネー氾濫(はんらん)〜世界経済に異変〜" 中国で、工事があち
こちでストップ。ブラジルでは連日デモ。理由は物価高。パンが1年で2割上がった。
2013年9月30日 月曜日
◆NHKスペシャル"マネー氾濫(はんらん)〜世界経済に異変〜"を見てました。 9月29日 Fallen Physicist, Rising Engineer
http://sci.tea-nifty.com/blog/2013/09/nhk-e3ae.html
まずはオリンピック開催が決まった日本から。景気が回復し始めている。しかし、世界に目を向けると、、、様子がおかしい。中国で、工事があちこちでストップ。鬼城(ゴーストタウン)ってよんでる。ブラジルでは連日デモ。理由は物価高。パンが1年で2割上がった。一方アメリカは2億円もする住宅に投資しようとしている人たち。不動産市場が加熱しようとしている。
いつ投資するか?今でしょうって。。。
アメリカは3兆ドル、中国は4兆人民元のお金を流し続けていたが、、、
今年5月、「緩和の縮小もありうる」とFRBのバーナンキ議長の発言で逆流が生じ始めている。リーマンショックから5年。世界にあふれ出したマネーはいったいどこに向かうのか?
とここまでがイントロ。
東京品川。世界を取引をしているどこかの企業(どこ?)。日本精工か。NSK。8月、担当の大平部長は販売の減速という形で景気の悪さを実感していた。アセアン地域やブラジル、鉱山関係の鉄鉱石が下落している。建機は下期厳しい。この企業ではベアリングを製造している。リーマンショックのあと新興国で売り上げをのばしたが、新興国が落ちてきている。
グローバル戦略会議では海外の責任者があつまった。(どこも同じことやってるな、、、うちもやってる)
中国担当者は経済が落ちてきていると報告。ブラジルも悪化、インドも悪化、、、おいこんなの映していいのかな?
5月以降、新興国からアメリカにドルを引き上げる動きがでてる。バーナンキ議長の発言を受けた。ブラジルが激しい。ブラジル通貨、レアルはドルに対して20%落ちた、、、(あ、レアルってRealってかくのか)。レアル安のため、輸入している小麦の価格が上昇、パンが20%近く値段上がってる。各地で連日デモが発生している。値上がりは公共料金にも及ぶ。
怒ってるときでもどこか陽気なブラジルの人(聞こえますか〜)。
インドもルピーが22%下がった。ガソリン価格が高騰。自動車産業に影響が。販売台数が毎年前の年を割っている。
なぜこんなことになったのか?きっかけはアメリカ。リーマンショックまでさかのぼる。危機になる前は住宅価格も高騰していた。それを支えていたのがサブプライムローンなどの金融商品。そしてそれが一気にはじけた。深刻なダメージを受けたアメリカ経済。FRBが切り札として打ち出したのが量的緩和という金融政策。大量のマネーを供給して景気回復を後押し。これまで3兆ドルちかく流した。これが新興国にまで流れた。アメリカの金融機関がこのお金を新興国にながしていた。その時、おりしもオリンピックの招致にブラジルは成功。それでどんどん高価な住宅や車がうれていくなど、経済が上昇して国中が沸いた。
それからアメリカでも景気が持ち直してきた。株価も5年5ヶ月ぶりに最高値。そこでFRBの中でも緩和を見直すという意見が出てきた。そこで、バーナンキ議長が量的緩和の縮小もありうるという発言が。ここで投資家の考えが一点。蛇口が閉まるなら、アメリカにマネーを戻した方がもうかる。そこでドルを買う動きが加速した。ブラジルはそもそも身の丈に合わない莫大なお金が流れ込んだに過ぎない。
サトウキビ畑が広がるブラジル南東部。バイオエタノールをサトウキビから作る工場。ここも事業を拡大してきたが、、、(圧搾機一台5億円だって)。社債を発行し、ドルでの投資を呼びかけた。アメリカのマネーが入ってきた。社債完売の楯とか作ってる。多額のドルを調達した。5月を超えて、会社の計算が狂った。返済額が大きく膨らんだ。社債はドルで返さないといけないが、レアルが大きく下落したため。
このような工場は次々と閉鎖に追い込まれており、失業者も増えている。サトウキビ工場の社長はFRBのバーナンキのせいだと怒ってる。
ブラジル政府はレアルを守ろうとはしてきた。海外からの資金には2%の税金を設定し、どんどん税率をあげていった。流出しはじめると0%にした。しかし大きな流れは変えられなかった。
日本企業はさらなる問題にさらされた。中国経済の下落。さっきの大平さんが下期の生産を下げる話をしてる。。。(だからこんなの映していいの?)中国はよくわからんと。
で生産ラインの2割がストップしてるって。工場長は注文ちょうだいって。どこもこんな感じだなあ。
中国政府も多額のマネーを導入した。これが問題に、、、
湖北省の工場。ラインが動いているはずの時間。従業員が草むしりをしていた。2500人の従業員全員にある知らせが届いた。休め、と。生産ラインの半分以上を止める状況が続いている(というのをスマートフォンでみてるその中国人)。
中国経済を詳しく見る。2009年リーマンショックの直後、おんかほう首相は4兆人民元を導入。150兆円に金融機関の貸出は及んだ。経済成長率は12%に急回復。好景気に沸いた。しかし過剰な投資を招いていた。2010年、1年で引き締め政策に転換した。景気は7.5%に低下。営口市では巨額のマネーを投じて複合都市の計画を立てていた。当時は景気刺激策のおかげで経済成長したが、、、もくろみはおおきく外れた。工場を誘致する土地はほとんど空き地。
1年近く工事が止まっている建物が出てきた。商業施設付きのマンションになる予定だった。今では鬼城(ゴーストタウン)を呼ばれている。これまでの投資はどうなるのか。見通しは立っていない。
過剰な投資をしたのでは?という質問に担当者は私の立場では答えられないとコメント。
中国経済の減速の影響が世界に広がっている。アフリカ南部のザンビア。輸出の4割が中国向け。銅を輸出していた。しかし中国経済の減速で銅の価格も下がっている。銅鉱山の経営も悪化。5人の子持ちのお父さんも解雇、、、子供たちも学校変えないといけなくなった。街にも失業者が目立つようになっている。中国ブームがずっと続くと思っていたと鉱山の担当者。
再度アメリカに目を向けると、、、バブルがまた。サンフランシスコの住宅の展示会。2億円の物件に100人が訪れた。投資対象らしい。不動産業者の顧客リストには投資会社の名前が並ぶ。投資家が買いあさって住宅の価格が上がっている(ほんとにこいつら学習しないな。日本もだが、、、)。
中国は新たなリスクも。りこっきょう首相も危機感を募らせる。金融の監督を強めると。
不透明なシャドーバンキングというマネーの流れが増えてきている。
先月、シャドーバンキングを行っていた投資会社が破たんした。理財商品で高金利でお金をあつめ、破たん。投資していた人が怒ってる(日本でもこんなのあったなあ、、、どこも同じか)
シャドーバンキングは総額480兆円にものぼると。しかしこれが増えてきたのは中国政府のマネーの流出から引き締めへの政策変更によるもの。地方政府が利用したのだ。
シャドーバンキングの主役の投資会社を訪ねた。するとそこは地方政府の庁舎の中だった。地方政府の許可なしに取材出来ないと言われ、地方政府の担当に許可を求める。うわ、いかにもわいろもらってる役人だ。一緒になってシャドーバンキングをやってると。
あ、中国でもデモが。政府に怒りをむけてる。地方政府の債務はGDPの1/4に。この破たんが相次げば、世界経済にも影響は免れない。
またアメリカ。アメリカが緩和を縮小するかどうかに世界は注目していた。FRBが9月18日に出す発表は何かと。で発表したのは、、、”量的緩和を継続する”と。
市場関係者の予想が覆った。投資家は反応した。そこでまた新興国に投資をした(こいつら何やってんだ)。株価は最高値を更新。
(私のコメント)
NHKスペシャルで「マネー氾濫」という特集をやっていましたが、いま世界で起きている金融異変をわかりやすく特集していた。新興国バブルについては前々から株式日記でも書いてきましたが、テレビの映像で見えるように報道されると実感がわいてきます。世界経済はアメリカの金融緩和が命綱を握っていますが、バーナンキが金融引き締めに転換すれば世界的に金融大波乱が起きるでしょう。
現在の新興国ブームは、90年代から始まっており、ゴールドマンサックスがBRICsという新語を作って新興国投資ブームを続けてきた。ボールドマンサックスはアメリカの金融国策会社のようなものであり、財務長官もゴールドマンサックスから出していた。そのようなブームもリーマンショックで破たんして、政府は金融国策会社を救うためにFRBが不動産担保証券を買うなどして金融国際区会社を救った。
日本のバブル崩壊においても、不良債権を政府や日銀が買い上げて救済していればバブル崩壊も20年も続く事は無かったはずだ。しかし政府は銀行に不良債権の処理を強制して多くの銀行は竹中金融庁に潰されかかりましたが、合併統合などで何とかピンチを切り抜けた。日本はなぜFRBのような大胆な金融緩和ができなかったのだろうか?
それは欧米などの圧力で、日本が金融緩和して円安になれば新興国ブームが終わってしまうから日本はFRBのような金融緩和政策が取れなかった。日本の円高は新興国への投資となってゴールドマンサックスのBRICsブームを支えた。中国や韓国は人民元安やウォン安を利用して輸出を拡大して行って高度経済成長を支えた。
NHKなども中国の巨大市場を煽って中国への投資を呼びかけましたが、アメリカの金融引き締め観測はドルの逆流を促している。中国国内でも不透明なシャドーバンキングが時限爆弾になりかけていますが、流れ込んできたドル資金が逆流して、中国国内の多くの開発計画がとん挫している。リーマンショックで中国は54兆円もの金をばら撒いて高度成長を維持しようとしましたが、長くは続かない。
さすがに中国への投資が危ないと気が付いた日本企業は中国からの撤退を模索していますが、簡単には撤退させてくれない。中国の国内法で何重にも規制がかけられて簡単には撤退できないようにしている。企業を転売できなければ韓国企業のように夜逃げしてしまえばいいと思うのですが、バカ正直に踏みとどまっている。
まだ中国の13億人の巨大市場の幻想に囚われているからですが、アメリカの大規模な金融の引き締めに転ずれば中国の巨大市場は絵に描いた餅になる。アメリカ政府はショックを和らげるために日本の金融引き締め緩和を認めましたが、アメリカの投資ファンドは引き揚げた後を日本のマネーで貧乏くじを引かせるつもりなのだろう。
中国もブラジルも多くのファンドが焦げ付いて返済が不能になってきているようだ。多くがドル建てだから新興国は返済用のドルを買い集めなければなりません。その為にブラジルのレアルなどが暴落していますが、それが国内インフレを招いている。ブラジルなどは慢性的なインフレに長い間苦しんできましたが、新興国ブームで資金も技術も海外から提供されて経済が活性化された。
日本の遅すぎた金融緩和で円安株高になりましたが、それも新興国に影響を与えており、韓国経済が変調をきたしている。中国も日本からの投資が減ってアジアシフトが続いている。中国のシャドーバンキングや韓国の個人の負債の増加は時限爆弾であり、これらの国への追加的な融資は焦げ付きのもとになるだろう。
このような状況ではアメリカ国内だけの都合で金融緩和解除するわけにもいかず、18日のFRBは金融緩和政策の継続を発表しましたが、アメリカでは株価も新高値で不動産もバブル復活を思わせるものがあります。しかしこれは中国でも見られたように金融緩和を続ければ無駄な投資が拡大して不良債権を増やしてバブル崩壊のショックを大きくするだけだ。
バブルの崩壊は、FRBや中国政府が行ったような金融緩和で先送りにすることができますが、問題はいつ金融引き締めに踏み切るべきかが難しい。引き締めればショックが大きすぎて世界経済に混乱が起きる。バブル崩壊が近づいたと見れば現金を増やして負債を減らす事であり、日本企業は内部留保を200兆円以上も貯めこんでバブルの崩壊を待ち受けている。