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2013年08月31日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆米国オバマ大統領が、米軍単独でもシリア攻撃を敢行する構えを示している。英国議会が、シリア攻撃参加に反対の議決をしたためだ。中東の軍事情勢に詳しい専門家が、イラン軍上級幹部から得た情報によると、「米軍がシリア攻撃を開始すれば、イラン軍は、イスラエルに核攻撃する」という。この情報はすでにオバマ大統領にも伝えられていると見られることから、オバマ大統領は、苦しい立場に立たされている模様だ。
オバマ大統領は、シリアで化学兵器(毒ガス兵器)が使用され、一般市民1350人が死亡した情報を受けた。シリア潜入の米CIA要員から、これがシリア政府軍の仕業だったという情報をキャッチして、地中海上の巡航ミサイル搭載の駆逐艦からのシリア攻撃を決断し、強硬姿勢を全世界にアピールした。
◆しかし、これがシリアを支援している隣国レバノンはじめ、イランなどイスラム諸国を結束される結果を招いている。とくにイラン軍は、かねてからイスラエルに対する「核攻撃」による先制攻撃態勢を組んでいるので、いつでもイスラエルを攻撃できる。米海軍が、シリアに巡航ミサイルを発射したと知るや、直ちに米海軍駆逐艦ではなく、イスラエルに向けて核攻撃して、叩き潰すという。シリアとレバノンも、これに呼応する。もちろん、戦後敵対し続けてきた「パレスチナ」も猛烈に攻撃に出てくる。すると、逆にイスラエル軍が、イランに向けて核攻撃により反撃することになる。それでも、四囲をイスラム諸国に囲まれたイスラエルは、孤立してしまい、瞬く間に国家が滅亡することになる。サウジアラビアやヨルダンなどは、米国との関係が深いとはいえ、イスラエルとの関係では、本質的には、敵国であるから、頼りにはならない。こうなると、米国オバマ大統領は、イスラエルを守りきれなくなる。米国民の多くが、どうしてユダヤ国であるイスラエルにそれほど肩入れするのかと「米国のシリア介入」に批判的であり、世論調査の結果では、75%が反対しており、賛成は25%に過ぎない。
◆イスラム世界では、シリアで使われた化学兵器(毒ガス兵器)が、「イスラエル製」であることを掴んでおり、「一体、だれが売り、だれが買って使用したのか」を問題にしている。売ったのが、イスラエルの武器商人だとすれば、シリア政府軍、反政府派のどちらにも売って儲けたことが考えられる。死の商人であれば、敵味方のどちらにも売って儲けるのが習性だからだ。となると「シリア政府軍、反政府派のいずれもが買った」とも言える。そうなると、問題は、「どちらが使用したのか」ということになるけれど、おそらくは、証拠を残してはいないに違いない。
◆そこで、中東の軍事情勢に詳しい専門家が、イラン軍上級幹部から聞いた情報のなかで、次の発言が、意味深である。
「オバマ大統領が、直ぐにでもシリア攻撃に踏み切るかのような強硬なアピールをしたのは、もし攻撃した場合、イランやレバノンなどイスラム諸国がどういう軍事行動に出てくるかの反応を見るのが目的だったのではないか。イラン軍は、イスラムを核攻撃する。
そればかりか、アサド大統領に反対しているシリア国民だけでなく、イスラム諸国が、一致してアサド支持に回る。このことが伝わっていたとすれば、オバマ大統領は、シリア攻撃はできなくなるはずだ」
いまや、オバマ大統領とアサド大統領の対決が、イスラエルとイランの対決構図になっており、まかり間違えば、中東大戦争になるか、シリア内戦継続となるか、大きな岐路、あるいは分水嶺になるという瀬戸際状況を示している。