http://www.sankeibiz.jp/econome/news/130830/ecd1308301140002-n1.htm
2013.8.30 11:39 SankeiBiz
一家の所得が年300万円を下回る低所得世帯では非正規労働者の世帯主が平成22年時点で約150万人に上ることが、厚生労働省が30日公表した25年版労働経済白書で分かった。一家の“大黒柱”が不安定で低所得な雇用となっている現状が明らかになり、白書はキャリアアップ支援などを通じて、雇用の安定や処遇改善を図っていくことが重要と提言している。
白書では、22年実施の国勢調査などを基に、学生を除く15〜59歳の非正規労働者は約1253万人と推計。2人以上の世帯では300万円以下、単身世帯では200万円以下を「低所得世帯」として、低所得世帯の稼ぎ頭の数を初めて試算したところ、雇用者全体の約3%に当たる149万2千人だった。このうち男性は約57万人、女性は約92万人。2人以上世帯の男性非正規労働者(約456万人)でみると、過半数に当たる約262万人が家計の担い手となっていた。
非正規労働者の多くが雇用期間に定めのある有期契約であることから、白書は無期契約への転換が雇用の安定につながると指摘。企業にとっても、人材の確保、定着につながる効果が期待できるとした。
また、白書は現在の正規、非正規の二極化を解消し、雇用形態にかかわず、労働者の希望に応じた「多様な働き方」ができる社会の実現を提言。多様な働き方は、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現にもつながるとした。