汚染水、海に流出か=隣接側溝で高線量−福島第1タンク漏れ・東電
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2013082100825
東京電力福島第1原発の貯蔵タンクから大量の高濃度汚染水が漏れ出た問題で、東電は21日、推計300トンが漏出したタンクの近くにある側溝の壁面で、毎時6ミリシーベルトと高い表面線量を計測したと発表した。この側溝は海につながっており、東電は「汚染水が海に流出した可能性を否定できない」としている。
東電によると、側溝は漏出したタンクから30〜40メートルの位置で、海までの側溝の長さは700メートル程度。側溝の壁面には水の流れた跡が残っていた。この場所では、地上から1メートルの空間線量も同90〜96ミリシーベルトを計測している。側溝にたまった水からは放射性物質がほとんど検出されていないため、東電は雨水などで薄められて流れた可能性が高いとみている。
東電はこれまで、「海には流れていない可能性が高い」と説明していた。
東電は、漏れ出た汚染水の拡散を防ぐため、タンクから約10メートルの水たまりができていた場所と側溝との間に、土のう設置や盛り土をする措置を取った。
一方、漏出したタンクに残る汚染水の移送は21日中に完了。今後、タンクの漏出箇所や原因を調査する。汚染水が染み込んだ土壌の回収の他、同原発で高濃度汚染水を保管している同型タンク約300基の点検も進める。
同日、記者会見した東電の相沢善吾副社長は、汚染水漏れについて「心からおわび申し上げます」と謝罪。「経営の最大の危機、喫緊の優先課題と受け止める」と述べた。
また、自らが福島第1原発に常駐すると宣言。「リソース(経営資源)はこれまで以上に投入する」として、現場の作業員も増やす考えを明らかにした。(2013/08/21-22:14)