http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130816-00010000-shincho-soci
Book Cafe 矢来町ぐるり 8月16日(金)18時10分配信
終電間際まで残業して、ヘロヘロになって家路につく――そんな長年の“労働慣行”に風穴が開くかもしれない。というのも、総合商社の伊藤忠商事が8月2日、22時以降の深夜残業の禁止を発表したからだ。
「深夜の残業は社員の疲労が重なっていたり、終了時間の区切りがないために非効率となりがち。そこで22時から朝5時までの深夜勤務を禁止にして、22時には完全消灯。さらに20時以降の残業も原則禁止にするというものです」(経済部記者)
時間は短くなれど、仕事の量は変わらないはず。就業時間で積み残した仕事はどうする?
「5時から、始業の9時までの間にやりましょう、ということ」(同)
つまり“朝シャン”ならぬ“朝ザン”の奨励なのだ。そのために5〜9時の時間外手当を深夜並みの50%増しにする、という。
「社員の平均残業時間は月約40時間。これを2〜3時間減らせればと考えています」(伊藤忠商事)
これが伊藤忠のみならず、多くの企業で採用されれば、特に子育て中の働く女性に朗報だろう。子供と接する時間が増え、政府の成長戦略のひとつ、女性の社会参加促進にも役立つ。しかも、
「実際、早朝の仕事は効率がいいんですよ」
と言うのは、自らも始発電車での出社を実践している、第一生命経済研究所首席エコノミスト・嶌峰義清氏。
「個人仕事の生産性が上がる。これが広がれば日本全体の生産性が向上し、成長力アップにつながります」
会社のメリットも大きい。
「非効率な深夜残業に対する余分な残業手当を支払う必要がなくなります。また“サービス残業”を減らすこともできる。いいことだらけです」(同)
伊藤忠商事はこの“朝ザン”を、10月から半年間暫定実施するというが、これについて嶌峰氏から一言。
「でも、冬はキツイですよ。寒くて起きられないし、暗いうちに出て暗くなって帰るんですから」
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