08. 2013年7月30日 00:00:11 : 09zTorJDlw
>>01
> でもメルトダウンして燃料がバラバラになったら再臨界なんてしないのは、原子力を学んだ人間なら当たり前のこと。
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/622.html#c69
(〈 おいおい本当に大変な事になってきたぞこりゃ!? 〉 3号機で高い放射線量、毎時562mSv 福島第一原発)
小嶋稔「天然原子炉と福島原発事故 −−地球化学者黒田和夫の遺したもの」(「図書」2013年7月号)
福島原発事故は放射性物質の流出で環境へ甚大な災害をもたらした。さらに私を含む同位体地球化学を専攻する者の多くは、福島第一原子力発電所一号炉のメルトダウンした核燃料が再臨界を起こし、大規模な核分裂連鎖反応を起こすのでは、との危惧を払拭し切れない。もしそのような事態ともなれば、東日本が壊滅するとの菅元首相の警告が現実のものになってしまう。加えて、こうした危惧を裏付けるように、去年七月に経済産業省で行われた 「福島第一原子力発電所事故に関する技術ワークショップ」 での報告は、たいへんショッキングなものであった。
このワークショップでは、2011年3月11日の原発事故の直後にウランの核分裂連鎖反応の再臨界が起きる可能性があったことが議論されている。綿密な計算結果から連鎖反応の可能性が高かったにもかかわらず、なぜか大規模なウランの核分裂連鎖反応が起きなかった。しかしこの幸運は、海水の注入により、予想もしなかった塩素(正確には塩素系同位体のひとつ塩素35)の中性子吸収効果という、まったくの偶然に助けられた結果だったと結論している。さらに、この驚くべき事実に関する一般への報道が十分にはなされていない、というのもまた驚きである。
略
福島第一原発一号炉のメルトダウン・デブリウランが置かれている環境は、豊富な水の存在、そしてウラン235の濃縮という、核分裂連鎖反応を起こす二つの重要な因子が高くなり 「オクロ天然原子炉」 の環境に、より近づくことになる。
黒田の提起した 「天然原子炉」 は、福島原発事故の今後の処理に科学的側面から大きな教訓を与えてくれる。福島第一原発一号炉のメルトダウンした燃料デブリが不幸にしてもう一つの 「オクロ天然原子炉」 にならないことを願い、黒田の遺訓を活かして、この深刻な問題に一刻も早い対応を訴えたい。