参院選後に待ち受ける株価暴落シナリオ 危ないのは8月12日と9月8日
http://gendai.net/articles/view/syakai/143514
2013年7月19日 日刊ゲンダイ
<1万2000円台まで調整も>
18日の日経平均は5日続伸し、約2カ月ぶりの水準となる1万4808円まで上昇した。安倍政権の思惑通り、参院選直前の株高実現だが、市場からは、「過熱感が出ていて、急落が心配」という声も上がり始めた。選挙結果によっては暴落も起こり得るという。
「自公で過半数を見越し、株価は上昇を続けました。週明け22日は、与党勝利を材料に、寄り付きこそ株高になるでしょうが、その後は下げに転じるとみています。2番天井は月曜日の寄り付きという可能性が高いと思う」(株式アナリストの黒岩泰氏)
1番天井は、5月23日のザラ場に付けた1万5942円。2番天井をつけ、そこから長期の株安に転じるかもしれない。
「そもそも安倍政権は参院選まで株高が続けばいいと思っていた。選挙が終われば、株価を維持する理由はない。6月安値の1万2400円台まであっさり下がるとみています」(黒岩氏)
自民が単独過半数となる72議席獲得も材料になってきた。「70議席を下回るようだと拍子抜けし、失望売りが起きる」(市場関係者)という。かといって自民圧勝も市場は歓迎しない。
「安倍首相の悲願である自主外交、自主軍備、自主憲法という3大テーマが持ち出される。市場は経済政策が二の次になると判断し、株は売られます」(株式評論家の杉村富生氏)
選挙後、数週間の株高継続を予測するアナリストも、「8月と9月は危ない」という。
まず8月12日。この日、4―6月期のGDP(速報値)が発表される。予想コンセンサスは前期比3.03%プラス(年率)だ。
「その数値を上回ると、14年4月の消費税増税が確定的となる。消費低迷は避けられず、景気は後退。株価暴落の危険日です」(証券アナリスト)
ここを乗り切っても、20年の五輪開催地が決まる9月8日(日本時間)が待っている。ゼネコンや建設株は東京五輪を見越して高騰中だ。現状は、スペインのマドリードが優勢といわれる。「五輪逃す」は市場に冷や水を浴びせることになる。
「9月は投資ファンドの決算期なので、調整入りしやすい。マイナス材料が重なったら、日経平均は1万2000円前後まで下落する恐れがある」(投資顧問会社エフピーネットの松島修代表)
選挙後は株安トレンドを覚悟して相場を見るべし。