福島現地視察報告1
「原発なくそう!九州玄海訴訟」弁護団は7月15日〜17日、福島現地調査を行っています。現地からさっそく報告が届きました。
◆弁護団の後藤富和弁護士より 写真付きの報告は大橋法律事務所のブログで見ることができます
http://blog.ohashilo.jp/
福島に来ています。
福島駅前はかなり線量が高いです(0.27μSv/h)。でも線量計を見なければ普通の地方都市の様子です。ちなみに福岡は0.05μSv/h。
福島市から川俣町、飯舘村を通って南相馬市へ。
道の駅川俣で線量を測りました。空間線量は0.52μSv/h、雨樋の下は4.21μSv/hでした。
飯舘村はの豊かな水田は雑草で荒れ放題に。
車内で放射線量を測ると1.04μSv/h。
南相馬市原町区。震災前は国道から海が見えなかったのですが、津波で建物や防風林がなぎ倒され、海まで視界を遮るものがありません。
南相馬市の海岸沿いは福島市などの中通りと比べて線量は低めです。これは、原発が爆発したあと、海側から内陸部にかけて風が吹いたため放射性物質が飯舘村や福島市などに流れ込み、そこに雪が降り定着してしまったからだそうです。単純に原発からの距離に比例するわけじゃないということが分かります。
南相馬市小高区の牛舎を訪問しました。この辺りは20km圏内なので、自由に立ち入りはできますが宿泊は許されていません。
牛舎の前のシロツメクサが咲いているところに死んだ牛を埋めたそうです。
牛舎の中では放射線の影響を調べるために解剖される牛達がいます。牛達はガリガリに痩せ、死んだ子牛が放置されています。
牛舎の前には大量の牛の骨。
ここの放射線量は1.41μSv/h。
小高中学校近くの民家を訪問。
所有者は東京に避難しているため、震災後そのままの状態です。線量が高くて片付けもできません。
浪江町に入りました。浪江町役場から検問を超え市街地へ。今年4月まで立ち入りが許されなかった地域です。
漁業者は、今も原発から放射性物質が流されている以上、もう漁業はできないんじゃないか。ちゃんと廃炉するまで漁はできないとおっしゃっていました。
浪江駅前の駐輪場は自転車が置きっ放し。引き取りに来れなかったんです。
駅前の新聞販売店には配達されなかった3/12の朝刊が山積み。「東北で巨大地震」の見出し。
ここの空間線量は1.29μSv/h。
ここの地面に線量計を置いた瞬間、9.99μSv/hを示し測定完了。線量計が一瞬で振り切れてしまいました。
同行していた方の高性能線量計は32.29μSv/hを示しブザーが鳴りっ放しでした。
高校の先生からもお話を伺いました。
30キロ圏内に高校が10校。そのすべてがサテライト校での授業となっている。生徒たちは4月末まで自宅待機。その間に多くの生徒が他地域に避難して行った。子ども達が未来が見えなくなっている。
農産物の直売所では放射線測定器を購入し持ち込まれる野菜を計測しています。
それは広く真実を知ってもらうこと、そして少しでも放射能の影響を受けない農業を確立するためということです。
夜は地域の方々からお話しを伺いました。
・家があるのに帰れない。町があるのに人がいない。その悔しさ。
事故前は相馬の魚や野菜が最高と思って食べていたのに、今は県外の農産物を選ばなければならない。南相馬市の魚からは9800ベクレルが検出。飲料水に不安を持つ市民は多い。せめて飲料水だけでも配給して欲しい。安全というのならばどうぞ福島に来て暮らしてください。
子育てサロンのすぐ横で作業員が除染作業を行っている。それでも行政は安全ですと言う。
・家族がバラバラ。仮設に入っている人達の中でも絶望的になっている人と新しく家を建てて頑張ろうと思う人などバラバラ。年寄りは散歩に行く気力もなく閉じこもっている。とても後1年で出ていけるような状態にない。
・30年前の福島原発訴訟を404名の原告で闘った。現地の人は原発から金をもらっていたとか批判されるが、現地でも戦っている人たちはいた。30年前は負けたけど、今度は勝つ。
・私達も原発ゼロ金曜行動をはじめた。南相馬は分断されてみんなが一つになることは難しいが、裁判を戦う中で南相馬が団結していくことを願っている。
・浪江町役場から4kmのところにすんでいる。平成20年に有り金すべてかけて家を新築した。それがこんなことになった。騙す自民党が悪いのか、騙される国民が悪いのか。
・津波だけだったら復興できた。それが放射能で復興もできない。原発は地域を根こそぎ奪うということ。
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【原告を広げてください!】
現在、第7陣提訴予定の方は330名です。赤字ラインは654名(あと324人)。
まだまだ新たな原告が必要です。あなたのまわりの方を原告に誘ってください。
次回提訴は8月9日(金)です(申込み締切は8月2日)。
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「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団・弁護団
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