中国テレビブランド 高級路線で日韓に真っ向勝負
テレビ業界には絶えず新たな技術が導入され、多くの企業が業界を跨ぐテレビの開発に取り組んでいる。テレビはもはや単純なディスプレイではなく、より多くの「中身」を持つ、欠かすことのできない家電となっている。これに伴い、テレビ業界の競争も激化している。これまで業界内で大手とされ、高価格を維持していた合弁ブランド(ソニー、シャープ、パナソニックなど)は、競争やPRなどのさまざまな影響を受け、手の届きやすい価格になってきた。その一方で中国ブランドの海信(ハイセンス)や創維(スカイワース)は近年、高級製品の発売を開始しており、合弁ブランドに対抗している。西安日報が伝えた。
◆日本製品、値下げで中国ブランドに対抗
古都・西安は気温が上がり続けており、家電市場ではエアコンや冷蔵庫が飛ぶように売れているが、テレビなどの製品は販売の閑散期に入っている。一部のテレビメーカーは値下げを行い、消費者の目を引きつけようとしている。このほど市内の家電売場を取材したところ、日本ブランドで売れ行きが好調なサイズのテレビの一部は、価格がすでに中国ブランドを大幅に下回っていた。同サイズの中国ブランド(創維、海信などの42・46インチの一部高級製品)の価格は、ソニーなどの製品を数百元から1000元ほど上回っていた。この変化は今年になってから特に際立っている。
売り場の合弁ブランドの販売員は、「現在はテレビ販売の閑散期に入っており、合弁ブランドは主に値下げの販促により消費者を引きつけている。一部の高級製品を除き、中級製品は値下げ幅が大きく、国産ブランドに匹敵するほどだ。消費者は多くの選択肢を手にしている」と語る。低価格により市場シェアを伸ばすという方法は、国産ブランドが数年前まで得意としていた。今や国産ブランドは高級・高価格路線を歩み始めており、価格差が広がっている。
◆日韓ブランド デザイン性が高いが、機能は単一的
スマートテレビはすでにテレビ市場で半数のシェアを占めている。伝統的なシンプルなテレビが発売されることは少なく、アンドロイドなどのスマートOSが搭載されたテレビが市場を占めており、フラットテレビの標準装備になっているほどだ。これと比べた場合、日本ブランドのテレビのシンプルな機能はすでに時代遅れであり、若者の多様化したニーズを満たせない。ただしサムスンやLGなどの韓国ブランドは、その美しいデザインと豊富な機能により、合弁ブランドの中で一定のシェアを占めている。ソニー、シャープ、パナソニックなどの日本ブランドは昨年より、高級スマートテレビの売上が減少し始めている。その競合相手は、デザインと機能で消費者のニーズを満たす韓国ブランドだ。中国ブランドにとって、これは高級市場を開拓する絶好のチャンスだ。
◆中国ブランド、豊富な特長で高価格に
中国ブランドの市場競争は、主に海信、創維、TCL、康佳(Konka)など伝統的な企業によって展開されている。これらの企業はパネルの品質にこだわっており、その他の機能(内蔵デジタルセットトップボックス、セットトップボックス内のスマートカード、CAMカードの使用など)も豊富化している。これらの特長により、中国ブランドが自然と高価格になっている。
また政策の刺激を受け、中国の一部の伝統的なIT企業もテレビ産業に進出し始めており、中国ブランドの陣営を拡大している。例えば動画配信サイトを運営する楽視網のスーパーテレビ、レノボ・グループのスマートテレビなど、業界を跨ぐテレビが次々と誕生している。これらの製品はテレビ業界に新たな血液を注ぎ込み、中国ブランドの「高価格化」の堅固な基盤を築くことだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月8日