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「終身雇用の時代は終わった」と言われて久しいが、この不況下では転職もままならない。そこで発想を逆転させ、「今こそ会社にしがみつく“社畜”になるべき」と説くのが、サラリーマンの働き方指南書『ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)の著者、後田良輔氏だ。
大学卒業後、大手広告代理店に務めたものの、うつ病により半年間の休職を余儀なくされたという後田氏。そのとき、途端に手のひらを返したように態度を変える人を見て、いかに“会社員”というステータスが大事が実感したという。また同時に、会社員の素晴らしさを肌で感じたという。
「『人と話す』などの人生修行をしながら給料をくれる会社というシステムは、物理的にも非常にありがたい。会社はお金をくれる大リーグ養成ギブスであり、亀仙人の甲羅であり、沖縄アクターズスクールなんです」
確かに、「成果を出さなければ」と自分を追い詰めると仕事はキツイ。だが、仕事を「人生修行の場」と考えれば、お金ももらえてこんなにいいことはない。一日でも長くそんな会社に“しがみつく”ためには、とにかく「失敗しないこと」が重要だと後田氏は語る。
「ずっと他人を観察してわかったんですが、人って粗(あら)探しするものなんですよ。『むちゃくちゃ美人だけど息が臭い』とか、『オシャレに見えてバッグだけありえない』となると急に冷めるでしょ? 仕事でもホームランを打つと2、3年はチヤホヤされますが、10年、20年と長いスパンで生き残るのは失敗しない人です。『電話する』と約束したら必ずするとか、その程度のことが大事なんです」
そしてもうひとつ、“社畜”として生き延びるためには、リストラの対象にならないよう「評価」のキーマンである上司に気に入られなければならない。そこで意外に見落としがちなのが、職場の「環境」のキーマンである“お局(つぼね)”への対処法だ。
「なぜか場を仕切っている人。これは女性が多いと思います。役職は部長や課長より下でも、派遣のベテラン女性のほうが発言力があるというケースです」
こうした“お局”に気に入られるためには、出張時にお土産を買ってきたり、バレンタインデーに逆にチョコを挙げるなど細かな気配りが必要だと後田氏は言う。さらに、「お礼を言うときにはたまに『いつもありがとう』と言いましょう。3回に1回が適量です」とのこと。
「サラリーマンは気楽な稼業」と植木等が歌ったのは、今から約50年前のこと。2011年の現在、“気楽な社畜”であり続けるのが、実は一番大変なのかもしれない。
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