九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐる「やらせ」メール事件で、昨年3月に社長を引責辞任した真部利応(まなべ・としお)顧問(68)が、21日付で、子会社の九州通信ネットワーク(QTNet、福岡市、資本金220億2000万円)の新設された取締役会長に就任していたことが分かりました。
QTNetは、九電が発行済み株式の97%を保有する子会社で、九電の送電線網を使って、収益をあげています。
秋吉廣行社長(元九電執行役員・情報通信事業部長)はじめ、8人のうち、6人の取締役が九電出身者でしたが、21日の株主総会で新たに「会長職」を設け、真部氏が就任しました。会長とともに、「専務執行役員」も新たに設置、毛利定夫取締役(元九電電子通信部副部長)が昇任しました。
九電は、今春、一般家庭向け電気料金の平均8・51%値上げを申請していましたが、真部氏ら3人の顧問、相談役の報酬として年8900万円を料金原価に算入していたことが、経済産業省の電気料金審査専門委員会から「家庭に電力を供給するために必要でない」と批判され、電気料金から支払うことは「認められない」とされました。
QTNetは、九電本体と違って国の審査がなく、非上場で役員報酬の開示義務もありません。今回、QTNetが株主総会で定款を変更してまでして会長職を設けたのは、真部氏への役員報酬を「肩代わり」するためではないか、とみられています。
真部氏とともに「やらせ」メール事件で引責辞任した松尾新吾前会長は5月、九州国際重粒子線がん治療センター(鳥栖市)への寄付をめぐって、「原発を止めて1日10億円の赤字を出しており、原発を4日間早く運転すれば何てことない」と発言、佐賀県議会で抗議決議が可決されるなどしています。
報酬への執着体質変わらぬ
日本共産党の武藤明美佐賀県議の話 「やらせ」メール事件で第三者委員会から、「事態の責任は、実際に『メール』を指示した個人ではなく、九電の経営トップにある」と断罪された真部氏と松尾氏が、いまだに報酬にしがみつき、玄海原発などの再稼働に執着することに、「あの第三者委員会の報告はなんだったの」と思わざるをえません。体質は一向に変わってない証明です。
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