中国人民銀行の金融引き締めが大混乱を巻き起こしている(AP)
中国経済、大混乱! 飛び交う“銀行デフォルト連鎖”の噂
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130622/frn1306221454004-n1.htm
2013.06.22 夕刊フジ
中国の金融市場が大パニックに陥っている。銀行の連鎖破綻の噂が飛び交い、短期金利が一時、13%にも跳ね上がった後、急落するなど荒れ模様だ。背後には中国経済の火種である「影の銀行(シャドーバンキング)」の問題があり、金融崩壊がいつ起こってもおかしくない。
中国の金融市場で、上海銀行間取引金利の翌日物が17日の約4・8%から急上昇、20日に約13・4%と過去最高に跳ね上がった。
背景にあるのが、中国人民銀行(中央銀行)の金融引き締めだ。銀行以外のルートで資金調達する「影の銀行」から資金が不動産市場などに流れ込んでいるが、元本や利息が回収できない恐れが高まっている。
米著名投資家のジョージ・ソロス氏が、2008年のリーマン・ショックの引き金となった「サブプライム・ローン問題と似ている」と警鐘を鳴らすなど、海外投資家の懸念も広がっており、人民銀行は「影の銀行」への資金流入を抑制するために蛇口を絞ったというわけだ。
しかし、中国経済の減速が続く中で資金供給を絞るショック療法は副作用も大きい。金利上昇によって中小の金融機関や企業の資金調達が難しくなり「実体経済に悪影響を及ぼす恐れがある」(米銀大手)という。影の銀行をつぶそうとすることで、中国経済全体がクラッシュしてしまいかねないというわけだ。
今月上旬には中堅銀行2行が巨額のデフォルト(債務不履行)の恐れがあるとの情報が流れ始め、20日には国有大手銀行も債務不履行に陥ったとの情報が流れ、同行が否定する事態となった。
金利上昇を容認してきた当局もあわてたのか、「国有銀行を通じて金利を引き下げるよう誘導した」(北京の金融筋)とされ、21日に金利は約8・5%に下落した。ただ、市場関係者の間では「引き締め方向の金融政策は当面続く」との予想が多い。
2年前に中国の政府系シンクタンクの研究員は「今年7月または8月に企業や銀行、地方政府が相次ぎ経営破綻に追い込まれる」との見通しを示している。「7月危機」が現実になってしまうのか。