威嚇か 中国原潜接続水域に「海上自衛隊の力を試している」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130514/plt1305141216005-n1.htm
2013.05.14 夕刊フジ
中国の潜水艦が、日本への挑発を強めている。今月2日には、鹿児島県・奄美大島西方の接続水域内を、12〜13日には、沖縄県・久米島南方の接続水域内を国籍不明の潜水艦が潜航したまま通過したが、防衛省では「中国の原子力潜水艦」と断定した。沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙って、中国が水面下での攻防を仕掛けているのか。
「わが国として注視すべき状況と判断し、公表した」
菅義偉官房長官は13日の記者会見で説明した。
10日間で2度にわたる日本領海ギリギリの潜航は、今年1月に続発した中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への射撃管制用レーダー照射と同じで、「見過ごせない威嚇。黙認すれば常態化させかねない」(政府高官)というわけだ。
中国海軍は原子力潜水艦を9隻保有。2004年に領海内で潜没航行した「漢級」攻撃型原潜を3隻運用し、06年以降には静粛性を高めた後継の「商級」も2隻配備。防衛省はいずれかとみて分析を進める。
国連海洋法条約は、潜水艦が他国の領海内を航行する際は浮上し国旗を掲げることを義務づけているが、接続水域内の潜航は条約に抵触しない。小野寺五典防衛相は13日、記者団に「領海に入れば海上警備行動を発令する予定だった」と述べた。一体、中国の意図は何なのか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「尖閣絡みの偵察や、海上自衛隊の力を試しているのだろう。今回、P3C哨戒機で発見したようだが、他にも周辺海域に中国原潜はいるはず。氷山の一角ではないか。関係者によると、1月のレーダー照射と同様、中国原潜は魚雷発射口を開けて挑発するケースもあるという。政府は『中国がこんな危険なことをやっている』と、世界に向けて公表すべきだ」と語っている。