11. 2013年4月24日 00:02:06 : Un6heX4IUI
>>07
在日アメリカ兵の「特権」については大手マスコミでも散々取り上げられているのに何でわざわざ一市民団体が動く必要があるわけ?
そもそも
在日コリアンの「特権」には な ん で 指一本すら動かさないのかね自称反米派や>>07みたいなのは。ん?
★阿修羅♪ > アーカイブ > 2013年4月 > 24日時分 〜 ★阿修羅♪ |
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在日アメリカ兵の「特権」については大手マスコミでも散々取り上げられているのに何でわざわざ一市民団体が動く必要があるわけ?
そもそも
在日コリアンの「特権」には な ん で 指一本すら動かさないのかね自称反米派や>>07みたいなのは。ん?
これも密航の関係だろう
怖い怖い怖い怖い
外国に掃き溜められたらいい
アンチ安倍が多いはずのこの掲示板で
安倍叩きしている奴らは何に怒っているわけ?
シナ畜の中国に配慮したこと?参拝しなかったこと?
どっちなの?
おい♪
中川隆が阿修羅への出入りを制限されるようになったのは、悪質な荒らし行為を繰り返したからである。
本来なら完全にシャットアウトされてもいいところを、寛大な管理人さんは、下記のように、限定的な出入りを認めているようである。
中川隆は、「lunchbreak」=昼休み板及び「revival」=リバイバル板以外の投稿は制限されている。
また、ペンネ中川隆でのコメント欄の書き込みを一日に付き2回までに制限されている。
それゆえ、ペンネ抜きのID:W18zBTaIM6でコメントを何度も書き込んでいる場合は、チェックに掛からないように、誤魔化しているものとみられる。
さらに、下記のように、中川隆以外のペンネを使って投稿することがあることも知られている。
中川隆 2013年1月20日 14:54:49 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6
会員番号666 2013年1月18日 19:18:25 : MktLRfp3lqG7c : W18zBTaIM6
富山誠 2013年1月19日 10:36:55 : .ZiyFiDl12hyQ : W18zBTaIM6
03>
>01. 2013年4月23日 22:07:39 : IQeEK8EFaE
> このような人を不能者と言う。
↑
ということは、「インポテンツ」か!
04. 2013年4月23日 22:38:53 : 7JpuHRc5p2
05. 2013年4月23日 22:42:10 : 7JpuHRc5p2
↑
こいつらバカウヨに共通するのは、人権意識の欠如、本当の意味での国際感覚の欠如、そして新自由主義による徹底した洗脳、品格のなさ! その前に、情弱・脳弱の単細胞!
阿修羅ってなはガキのたまり場じゃねえか、それも知性のかけらもないアホばっか。
大体赤かぶのネタ元は産経とか現代とかろくでもねえもんばっかりだ。
北朝鮮の心配なんかしてねえで、おまいら4・28はどうするんだ?
お手数をおかけして申し訳ありません。
本番投稿をお願いします。
勘違いしていません?
小沢さん側が、工藤氏へ面談を申し出て、生活の党公認の比例に回って、選挙区立候補を辞退するように迫っているように読めますが?
お手数をおかけします。
マスコミを味方に付けられない以上勝つ為には短いフレーズしかありません
すなわち反消費税・反TPP・脱原発です。
アベノミクスの矛盾点をつくなんて生活党内でも細かい整合性は取れないですし
憲法改正を訴えないなら同じ土俵に上らず「時期尚早」でスルーするのが得策でしょう。
「反消費税って0%にするつもり?」「脱原発って経済成長どうするの?」などまず言わせることが重要です。
日本未来の党の衆議院選での大敗は戦後最大の特殊事情によるものなので
「脱原発」が神通力を失ったなんてのは利権者集団のミスリードであって今でも最強カードです。
短時間で最大の効果を持つ記者会見用バックボードでこれらのキーワードを常に見せるべきだとおもいます。
テロが悪だと言う、アメリカの似非民主義に覚醒すべきである。
「決して生きて出てこない。」
古式ゆかしく、試し斬りで医院じゃね?
おもろい音出す、両肩の上のコブを取ってやる。
弁護士も特措法で無試験成りやろ。公務員ふつう。
「院怒」潜水艦オーバーホール行き帰りついでにミサイル、あぁ、夢の様だ!
>日本最大の教職員組合である日本教職員組合(日教組)は、組合員の多くが小学校や中学校の教職員であることから、小・中学校重視の活動を続けてきた。これに不満を持っていた高等学校組合員も多く、文部省の打ち出した高校教員優遇政策に乗り、多くの単位労働組合が日教組を離脱しようとした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%81%B7%E5%93%A1%E7%B5%84%E5%90%88
結局、元が日教組主体であることに変わりねーじゃねえか!
しかも自分たちの職場環境が他の職員と比べて不遇にあるから分裂したとかくだらねえ理由で革命ごっことか♪
何が子供の権利な・の・か♪
一般国民からしたらどっちにしても税金の無駄遣いであることに変わりねえっての♪
ところでさ、日高教ってカルト教みたいな感じなのに
----------------------------------
■4月23日の参院予算委員会において又市議員が、憲法問題に関し安倍首相を問いただしました。
■「参議院インターネット審議中継」で予算委員会の模様をご覧になれます。
>2013年4月23日>予算委員会>又市征治
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
http://sphotos-h.ak.fbcdn.net/hphotos-ak-ash4/376147_452316278185997_1972572416_n.jpg
https://fbcdn-sphotos-h-a.akamaihd.net/hphotos-ak-ash4/376147_452316278185997_1972572416_n.jpg
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=452316278185997&set=a.431393130278312.1073741828.431323206951971&type=1
https://www.facebook.com/SDP.Japan
2/3の国会議員が賛成できるぐらいの案でないと、というより2/3の国会議員が賛成に回るぐらいに国会議員や国民が成熟してこないと憲法改正など中途半端に改正すべきではないと思う。
大体、96条先行論者は、発議すれば国民投票で承認されると勘違いしているのでは?
96条の改正については、憲法改正論者でも私のように反対する人も多いのではないだろうか?
国民投票でそれこそ否決されたら、しばらく憲法改正などできなくなる。
ま、それより命の源泉である”水”まで民営にしてアメリカに売るのか?TPPとつながっている。
こいつらが外遊するときは要注意だ。
これが予定の猿芝居だよw見え見えですなw
ユダ金の指名する首相は去年野田ブタ解散選挙の前からずっと一貫して石原じゃなく橋下徹である。
まー色々と手違いと準備不足で創価選管ムサシと創価学会員組織票の不正選挙で安倍が首相になったが、安倍には対馬トンネル200兆円汚職を黙認してやって退陣させ、橋下徹を衆議院に送り込んで首相指名選挙でかつての小泉の如く国民の審判である選挙を経ないで勝手に国会内で首相に仕立て上げ、橋下ヒットラーファシズム軍事独裁政権を誕生させ日本に徴兵制を布いて対中国侵略戦争の鉄砲玉にしようというのが、ペリー以来の戦争侵略略奪中毒偏執狂アメリカフリーメーソンイルミナティの虚仮の一念である。
その証拠に池田大作の死後叙勲を急ぐ前原の策謀でポア目的で入院したが安倍が欲かいてねばったため予定変更になり脳梗塞の軽症という詐病で命拾いした石原慎太郎が、びびってユダ金の命令通り自分から引退して橋下に衆議院議員の議席を譲ろうと申し出ているでしょw
”青森県平山幸司参議院議員、反TPPで農業団体と協力体制へ 小沢一郎代表青森記者会見 要旨”
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/700.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 4 月 24 日 00:15:01: igsppGRN/E9PQ
中国、韓国は、これまでと変わっていないし、インド、ロシア、ASEANについての記述もないし。
TPPの中にASEANの国も入っているし、それ以外のASEAN諸国やロシアとこれまでより関係が悪化したとは思えないし、それに関する記述も全くない。
完全に矛盾したシナリオだな
>円は1ドル=250円よりも安くなり、金利は2桁
こちらは、世界経済過熱、インフレ高進、財政再建失敗・日銀引き締め転換によるトリプル安シナリオだから、早くても2年後
そして、この時、当然、インフレにより、株価は、3万円レベルまで暴騰した後での2万円程度までの暴落となるだろうが
今後の増税ラッシュや、マスコミのインフレ不安記事に煽られた高齢者やB層による政府・日銀への政治圧力などを考えれば、
例によって早めの政策転換もありうる
>昨秋からの上昇率は55%を超え、もはやテクニカル分析など意味を持たない。もし下落方向に突っ走ったら、とんでもない事態が起きる危険性があります」(黒岩氏)
目先の大幅な株価暴落は、金融不安再燃や予想以上の世界経済減退による急激な円高への戻しで発生するが、
そのシナリオは日銀の政策転換や米経済の復活などのおかげで、確率としては低くなっている
また上のような円安継続と金利急上昇シナリオであれば、株価暴落どころか、その前に、さらにかなり株価は、上昇する方が自然だろう
消費税増税の逆進性がわかっていたら、河村減税の逆進性だってわかりそうなもんだが、ここのアホどもはそんじょそこらのアホと違うから分かりっこねえかあ。
>>7
世界に類を見ない大馬鹿野郎。小沢が庶民に何をした?ああ?
小沢の言ってる国民てのは、オメッチのような低脳の中産階級のこせがれを指して言ってるだけで、日本国民の4分の一を占める貧困階級には目もくれねえ。
それくらいはいくらバカなお前でも分かっているだろう。
それにくらべりゃあ、共産党は貧困者のために一生懸命働いてるぞ。まさに骨身も惜しまずってのはこのことだよ。
20日、インド紙は、中国と領有権を争うカシミール地方で中国軍兵士約50人が15日、実効支配線を越えてインド側に侵入、野営地を設営したと報じた。インド側は極めて落ち着いた対応を見せている。資料写真。 (Record China)
2013年4月20日、インド紙は、中国と領有権を争うカシミール地方で中国軍兵士約50人が15日、実効支配線を越えてインド側に侵入、野営地を設営したと報じた。22日、環球時報が伝えた。
インドメディアによると、中国軍が侵入したのは15日夜。実効支配線から10km入った地点に野営地を設営した。インドが建設した臨時空港に極めて近い位置だという。近年、インドはカシミール地方でのインフラ建設を強化し、中国に対抗しようとしている。
中国軍の侵入に対してインド政府は極めて落ち着いた対応だとインドメディアは伝えている。あるインド軍高官は事件が起きた地点では実効支配線について中印の意見が食い違う地域であり、これまでにも同様の事件はあったとコメント。大きな問題には発展しないと見ている。(翻訳・編集/KT)
関連記事
<中印>中国との軍事衝突避ける唯一の方法は「軍事力の増強」―インド誌
拡大する中国の野心、インドとの緊張続く―海外メディア
インドの青年訪中団、ビザ不発給の女子学生を置き去りに=領土問題で中国がビザ発給せず―インド
中国、青海チベット高原の水利制御=アジアを牛耳る目的―タイ英字紙
なぜブータンは中国と国交を結ばないのか=解決遠い領土紛争―香港紙
服を着ているのを見ると、日本の民衆はなんて貧しいんだろうと思う。
群馬で放射性物質検出=2月の北朝鮮核実験で放出か−国際監視機関
【ベルリン時事】包括的核実験禁止条約(CTBT)機構準備委員会(本部ウィーン)は23日、北朝鮮が2月に実施した3回目の核実験で放出されたとみられる放射性物質が群馬県高崎市の観測所で検出されたことを明らかにした。ただ、今回の核実験がプルトニウム型かウラン型かは特定できないと説明している。
同委によると、実験場所から1000キロ離れた高崎市で4月8〜9日、放射性希ガスのキセノンが通常より高い濃度で検出された。ロシア極東のウスリースクでも観測されたという。(2013/04/23-22:20)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042301007
北朝鮮核実験で放出か?高崎市などでキセノン検出
2月に北朝鮮が行った核実験の際に放出されたとみられる放射性物質が検出されました。
世界的に核実験を監視するCTBTO=包括的核実験禁止条約機関が23日、発表したもので、検出されたのは微量の「キセノン131」と、「キセノン133」と呼ばれる放射性同位体です。群馬県高崎市とロシア東部の施設で確認されたということです。 (23日21:11
甲状腺検査の市町村別データは長いこと隠されていましたが、2013年4月22日に毎日新聞紙上に初めて公開されました。公開された「福島県民健康管理調査 23年度実績(市町村別甲状腺検査の結果を含む)」によると、5.1ミリ以上のしこりなどが見つかり、2次検査が必要な「B判定」は186人とのことです。B判定が多い市町村順では伊達市が一番で49人、その次に南相馬市48人、田村市28人と続いています。
☆福島県民健康管理調査 23年度実績(市町村別甲状腺検査の結果を含む)
URL http://clearinghouse.main.jp/wp/?p=720
引用:
2013年4月22日付け毎日新聞で報じられた、福島県民健康管理調査の市町村別の甲状腺検査結果を含む文書。
県民健康管理調査が福島県から福島県立医大に委託する形で実施されていることから、委託契約にかかる文書を包括的に請求した中で、2011年度分の委託事業完了報告書類の中に紛れていたのが、市町村別の甲状腺検査の結果。以下の情報公開文書のうち、9枚目からが甲状腺検査等の実施状況を福島県立医大が取りまとめたもの。16枚目が市町村別の甲状腺検査結果だ。平成23年度に実施された分のみなので、田村市、南相馬市、伊達市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯館村、その他の結果わかる。
※福島県民健康管理調査事業委託 検査調書
http://clearinghouse.main.jp/web/fukushima_041.pdf
http://ameblo.jp/kennkou1/image-11516946827-12511219344.html
http://ameblo.jp/kennkou1/image-11516946827-12511219342.html
http://ameblo.jp/kennkou1/image-11516946827-12511219341.html
:引用終了
☆県の「甲状腺データ」公表 13市町村別、初の内訳
URL http://www.minyu-net.com/news/news/0423/news9.html
引用:
県と福島医大はこれまで「市町村別の内訳を公表すれば、プライバシー保護に支障が出かねない」として明らかにしていなかった。検査では、避難区域、特定避難勧奨地点があった13市町村の子ども3万8114人が対象となった。
このうち検査で5.1ミリ以上のしこりなどが見つかり、2次検査が必要な「B判定」は186人。多い順で伊達市49人、南相馬市48人、田村市28人と続いた。ただ、各市で検査を受けた人数全体に占めるB判定の割合はそれぞれ0.5%にとどまった。
(2013年4月23日 福島民友ニュース)
:引用終了
伊達市、南相馬市、田村市が突出していますが、他の放射線量が高い場所では数に差があるため、これだけでは詳細な放射能の影響はわかりにくいですね。前代未聞の大事故が発生したのだから、政府にはもっと多くの方を対象に入れた放射能検査をしてほしいと私は思います。
もう福島原発事故から2年もの歳月が経過しているので、いい加減に放射能汚染と被害の全容を把握しておかなければいけません。
簡単な話で、そうした方が国益に叶うと判断したから。当たり前。
それなら、泉田知事はこう言えばいい
「(仮に)原子力規制庁が柏崎刈羽原発の再稼働を認めたからといって、(立地自治体の長である)私がいちいちそれに従う義務があるとは思えません」
46 : 渡る世間は名無しばかり[] : 投稿日:2010/11/10 13:14:45ID:gLSd8zIW [1/2回]
関東の部落に挟まれた地区に育ったがひでえもんだぞ
部落は余所から嫁もらえないから養子にだした兄弟と結婚するくらい朝飯前だったらしい
三百数十年にわたって近親交配した結果ほぼ全員ダウン症顔
実際土建屋かヤクザしかいない 残りは障害者
それでも10年に一人くらい官僚や弁護士、県会議院を輩出する
で、そいつらが住民を増長させる 公共事業費福祉予算を食い潰す
中学までは部落のガキも通学する もちろん全員DQN
解同が怖いから大人達は放置 結果荒れ放題
紛糾するから近現代史が教えられない
かわりに同和教育には熱心 日教組の洗脳教育の一貫だ
47 : 渡る世間は名無しばかり[] : 投稿日:2010/11/10 13:23:49ID:gLSd8zIW [2/2回]
子供は近隣の実態を薄々知りながらも(家で○○の向こうには行くなと躾される)
「ああ差別されてるからなんだ差別イクナイ」
と思いながら育つ
駅前の角地に同和系企業のビルが建ってるのを知るのは大人になってからだ
http://www.logsoku.com/r/livetbs/1289318836/
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2012/02/28 01:14:29ID:EZxfRpim0 [1/1回(PC)]
前もプロポーズまでして別れたカップルがいたな
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2012/02/28 01:15:24ID:iGUru5AQ0 [1/1回(PC)]
そういうの気にする人ってまだいるの?
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2012/02/28 01:16:05ID:7Sb+6CTK0 [1/1回(PC)]
別れろ別れろ
結婚決まって相手の親せき回りした時に後悔することになる
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1330358937/
4000万人は日本人でないんだろう
日本人なら親戚が居るし何処かに既に避難してるだろう戸籍もあるし仕事もある
原発周辺で農業して居た密航者の一派だろう
除染も出来なかった
普通ならまず人間を移動させ福島を集中的に遣る
廃炉に除染に様々な行為
5000万円払うので出て行けって日本政府が言った
でも出て行かなかったのは「登記の偽造」でばれたんだろう悪意占有が
東電潰し支度金包んで帰せばよかっただけ
その資格もない上にまんまと政治利用されるなんて、
青森選挙区 候補予定
平山 幸司 43歳 生活の党 現 1期、党代表室総務担当幹事
滝沢 求 54歳 自民党 新 県議会議員(5期)
工藤 信 民主党 新
波多野里奈 40歳 みんな 新
吉俣 洋 39歳 共産党 新 党県書記長
石田 昭弘 54歳 幸福実現党 新 元・神社神道神職
前回2007年 開票結果(改選数1)
当 平山 幸司 旅行会社顧問 民主 新 305,642
山崎 力 〈元〉総務副大臣 自民 前 248,782
渡辺 英彦 党県代表 社民 新 37,370
高柳 博明 党県常任委員 共産 新 32,014
2010年 開票結果(改選数1)
当 山崎 力 (元)総務副大臣 自民 現 287,385(46.8%)
波多野 里奈 アナウンサー 民主→みんな 新 222,875(36.3%)
升田 世喜男 (元)県議 たち日本 新 49,102(8.0%)
吉俣 洋 党准中央委員 共産 新 31,040(5.1%)
山田 清彦 (元)三沢市議 社民 新 23,803(3.9%)
自民が豹変してTPP推進になってしまっている。
共産とみんなが生活を邪魔し自民有利にする。
生活と民主が選挙協力すれば 生活 平山で決まる。
> 誹謗中傷を繰り返す今の日本人には本当に落胆致します。
御存じかと思いますが、明治政府そのものが、名前の通り、イルミナティが創った。
フリーメイスンの有識者による中核組織を、イルミナティと呼んでますが
実際には、プレアデス&シリウスの出先機関です。
歴史の探訪より、今、そして未来を考えて下さい。
人類は、存亡の危機にあります。
危機感が湧かないのは、全て 逆に解釈し、
全て 私利私欲に生きる様に教育・洗脳されているからです。
私利私欲に生きると、自分の利益に繋がらない事には、無関心になります。
これが、罠です。
誰一人、日本の将来を考えている権力者は居ません。
永田町は、派閥争いと、利権争いしかしてません。
この争いが、日本を滅亡へと導いてます。
因みに。
久しぶりに、ペンネーム登録のコーナーへ投稿してみたら
案の定、無条件で、管理人さんに削除されました。
考えて観て下さい。
日本人なら、そんな事はしません。
自分の信用問題に関わるので、日本人なら、放置します。
根本的な、思想が 日本人と朝鮮民族は違うのです。
疑わしきは罰せず!=隠蔽できればOK!の現代社会。
信用を失わせるのが、目的です。
社会のモラルの乱れを誘発させる目的なのです。
謝罪しない・償いをしない文化の創価やシナ朝鮮人で
神の国・日本のモラルをズタズタにするのが主旨です。
大和民族は
罠にハマらない様に、清く正しく生きましょう!
肝心な事は、未来を見つめる事です。
人類抹殺計画は、着々と進んでいます。
今年は、テロのラッシュです。
GWは、要注意期間ですよ。
彼女が部落出身者だった………婚約破棄したい…死にたい
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 10:46:58ID:gf7tUwT4O [1/1回(携帯)]
付き合うだけならなんの問題もないけど、結婚となると正直難しい
親戚とかにチンピラや前科もんみたいな輩がいれば、今後一生関わらざるおえない
自分だけじゃなく、自分の家族にとってもだ
132 : ! 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 [] : 投稿日:2011/06/26 11:04:27ID:2LFkJOno0 [1/1回(PC)]
奈良県に住んでるけど部落はまじ勘弁です
関東の奴できれい事言ってる奴いるけど.一度部落の奴との事故を体験してみろ、
一族総出で金取りに来るぞあいつらww
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 11:06:21ID:pwlZuqgI0 [2/4回(PC)]
>>132
タカリ根性が染み付いてるからな
集団になると非常に怖い
甘やかした国も悪いが基本かかわらない方がいい
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] : 投稿日:2011/06/26 11:06:31ID:cDhHbRlI0 [1/1回(PC)]
キチなオッサンがある日から義父になる
想像しただけで萎える
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] : 投稿日:2011/06/26 11:13:59ID:Cadv4uFh0 [1/15回(PC)]
>>135
それ誰でもそうじゃね
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 11:16:44ID:pwlZuqgI0 [3/4回(PC)]
>>151
近くに部落民がいたら考え方変わるよ
集団で来るときはマジで怖いよ
218 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 11:37:37ID:1r6sUsDL0 [30/71回(PC)]
DNAが近親相姦しすぎで壊れとる
273 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 11:48:53ID:/+XWOcBA0 [1/1回(PC)]
一般人となんら変わらないのに不当に差別されてるのならともかく本当にクズが多いからな、差別されて当然。
386 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 [] : 投稿日:2011/06/26 12:20:48ID:bh5xfPAE0 [11/20回(PC)]
ヤクザの8割が部落出身者
これだけで十分だろ
360 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 12:10:41ID:sIqutJvB0 [2/3回(PC)]
彼女がBでも別れないけど、彼女の親戚にヤクザがいたら別れるわな
509 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 14:00:21ID:4rQ7MgrAI [1/1回(iPhone-Wifi)]
昔部落の人と付き合ったことある。
別れたら殺すって、長い事ナイフで脅されて別れられなかった…
親からして頭イってるし、常識が全くない。
後で知ったが、旦那自殺に追い込んで、やっと金入るって喜んで国から金貰って暮らしてた。
鳩とかスズメ捕まえて食べてたし、家に行った時は、人間って、すごいな…
人によると思うが、なんか自分と生活レベル明らかに違うと思ったら全力でやめとけ
387 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 12:21:25ID:ihFAh2N6O [1/1回(携帯)]
部落に住むのは辞めといた方が身のためだけども、部落出身と付き合うのはそこまで問題ない、ちょっと話が通じないときがあるなぁぐらいのこと
ただ結婚するなら親族との縁は絶対きらせとけと
241 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 11:42:03ID:53XTvBIv0 [1/3回(PC)]
やめておくのが無難
婚約破棄をうまくやる方法を考えるんだ
250 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2011/06/26 11:44:17ID:Q2GR5WyTO [1/1回(携帯)]
まぁ地域によっては部落と結婚したら村八分にあったりするからな
俺の住んでる所とかそうだし
とりあえず祖父母に相談してみろよ
多分すぐ婚約破棄になるから
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1309051828/
グロソブもまだ戻ってないよね。
団塊のみなさん、退職金が半分消えちゃったあの頃のことまだ憶えていますか?
そう簡単には忘れませんよね。
次のターゲットは若年層と女性かな。稼いだ金をISA投資させて、さらに税金もとる。
金融マフィアと政府が国民からお金をとって荒稼ぎするために、
税金投入してるって滑稽。
世界経済の転換期をアベノミクスとかいうやつら。
ここちゃんと説明しない経済本なんて、嘘だらけ。政府のプロパカンダ。
税金もらって記事書いてる。税金だから、後々、国民への奉仕作業が待ってるよ。
刑務所の中かもしれないし、フクイチかもしれないし。
しかし〜遠い場所にゴミがありました〜
ゴミはゴミ、それ以上でも、それ以下でもない
誰からも必要とされず、価値がないからゴミと言うので〜す
誰かが片づけて〜回収日にまとめて捨てられるだけ〜
捨てられたゴミの記憶など憶えている人なんていませんよ〜
/////////////////////////
iyao 削除お願いします
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/124.html#c56
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/124.html#c57
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/594.html#c14
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/594.html#c17
http://www.asyura2.com/10/kanri19/msg/695.html#c153
本スレとは無関係
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/124.html#c56
だったら他の原発も危ないよ〜。
フクイチは使用済み核燃料を保管している共用プールにも、地下から水が流入してたよね。
4号機のスカイ社員シャインでは玉川の線で関東を封鎖して4000万の放射化して人間を見殺しだという想定らしいぞ。まあネットでの伝聞だがね。くんれんしてるそうだ。5000万西へ逃げたら暴動だと思ってる偉いさんのバカがいるらしい。粛々と移動して西の人間は被災者を助けるよ。東京人のように自分のカネだけで、福島人に対してのように見て見ぬふりはせんよ。放射能危旗機が無かったことにしようとするのは偉いさんと呼ばれてるバカだ。泉田さんは数少ない正気の人だ。
それと「放射脳」とは言いますが、正直どこからが「極度に恐れすぎる(杞憂)」状態なのかは、放射能に関しては分からない、というのが事実ではないでしょうか。毒性の高い放射性物質にほんの一瞬触れただけで重篤な結果になったという話も聞きます。
「プルトニウムは角砂糖一つ分の量で1億人を殺せる」という話があります。これが事実かどうかは知りませんが、仮にここまで有毒でないとしても、それ程事実とかけ離れている訳ではないでしょう。実際は10人しか殺せないという事はないはずです。
しばき隊が新大久保デモ参加者を拉致!公安も駆けつける緊急事態発生!しばき隊脱原発メンバーはテロ行為示唆ツイート2ch速報
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/439.html
シバキ隊リーダーがじゃあの氏に公開処刑される(2chから)野間易通とかいうのが大久保デモ反対に必死になってた理由
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/433.html
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/7211/Japanese/kinonoj.html
在特会はただのレイシスト。
しかしそのレイシストを影から操る人間の狙いは“デモや表現の規制”にある。
カウンターデモ側がレイシストデモを規制すべきだと主張するのは
まさしくその「影から操る勢力」の思う壺。
まして金まで集め出したとなると、じつは「旧来の悪しき左翼」が
勢力拡大目的でやっている可能性も疑うべきだろう。
TPP、消費税増税に邁進
何故か
安倍と同じだよ
それが確実な政権延命策だから
いまだに菅に期待している奴の頭の構造が知りたいよ
もともとが、経団連とアメリカ、官僚に担がれた傀儡だった
もし海外勢が本当にこれから株を売却するつもりなら、
ちょうど関連がありそうなネタが上がってきた
======================
どう考えたって放射能汚染は深刻で
あまり数字に興味はないんだが
白血病7倍増くらいなら大げさとはい言えないと思うが
問題は、その情報の出所や出方だろうね
そんなところまで気にしなけりゃいけないなんて
われわれは厄介な時代に生きているものだ
”名古屋市長選 現職の河村氏が当選” 4月21日 23時59分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130421/t10014077781000.html
任期満了に伴う名古屋市長選挙は、21日に投票が行われ、無所属の現職で、地域政党、減税日本代表の河村たかし氏が自民党と民主党が支援する新人らを抑え、3回目の当選を果たしました。
名古屋市長選挙の開票結果です。
▽河村たかし、無所属、現、当選、42万7542票
▽藤沢忠将、無所属、新、19万2472票
▽柴田民雄、無所属、新、6万7353票
減税日本が推薦する現職の河村氏が、自民党県連が推薦し、民主党県連が支持する新人の藤沢氏と、共産党が推薦する新人の柴田氏を抑えて、3回目の当選を果たしました。
河村氏は64歳。
衆議院議員を5期務めたあと、民主党を離党して立候補した4年前の名古屋市長選挙で初当選しました。
就任後は、市民税の減税や議員報酬の半減などを巡って市議会と激しく対立し、おととし行われた市議会の解散の賛否を問う住民投票に合わせて市長を辞職して出直し選挙に再び立候補し、2回目の当選を果たしました。
今回の選挙戦で河村氏は、減税日本から推薦を受け、市民税の5%減税の実施や市長給与と議員報酬の削減など、これまでの実績を強調するとともに、減税の継続と拡大を目指すなどと訴えました。
そして、いわゆる無党派層や民主党の支持層などから幅広く支持を集め、自民党県連が推薦し、民主党県連が支持する藤沢氏や、共産党が推薦する柴田氏を抑えて、3回目の当選を果たしました。
当選した河村氏は「減税を進めて商売が盛んになる政治を名古屋から進めるという明確な民意が出た結果だ。市を挙げて、議会も挙げて、減税をさらに進めなければならない。政治家は質素にせよという政治的選択がなされた。議会にも協力してもらいたい。今後も名古屋の景気を持ち上げ、税金が安い名古屋をさらに進めていきたい」と述べました。
それに付き合わされる管理人は、無駄なエネルギーを浪費する羽目になっている
しかし一時期、阿修羅に湧いていた
「不正選挙の事実を証明するために独自にアンケート調査を行う」と言ってた連中は
今何をしてるんだ?
「進次郎氏・河村名古屋市長に“参院のススメ”」
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130417-OHT1T00190.htm
自民党の小泉進次郎青年局長(32)は17日、名古屋市長選(21日投開票)で、自民・民主両党県連が支援する藤沢忠将前名古屋市議(43)の応援のため選挙区入り。名古屋駅などで街頭演説を行った。
党から現職の河村たかし名古屋市長(64)の再選阻止を託された進次郎氏は「最近(河村氏は)国政に興味があるようだから、市長選はあきらめて今夏の参院選に立候補してください」とまさかの“参院選出馬のススメ”。「私たちが国会で待ち受けます」と余裕の表情。さらに「(選挙中に河村氏がかぶり続けている)中日の帽子なら、藤沢さんが当選後にかぶります」と勝手に?公約宣言。聴衆の拍手を浴びていた。
河村氏陣営にとっては、進次郎氏の言う「国政」のためにも負けられない選挙だ。昨年の衆院選、河村氏が率いる減税日本系の国会議員は候補者16人全員が落選。国政に対しての影響力を失った。同市長選では09年、11年と2回連続で過去最高得票を更新した河村氏だが、危機感は最高潮。陣営関係者は「勝つのはもちろん、勝ち方も問われる。強さを見せれば、参院選で盛り返せる」と話す。
選挙戦は河村氏有利が伝えられ、藤沢氏と共産党推薦の柴田民雄氏(48)が追う展開となっている。演説では「奇跡を起こしてください」と訴えた進次郎氏。昨年の衆院選で応援演説した候補56人のうち、54人が当選した“集票の神”が情勢をひっくり返すことができるか注目だ。
いずれにしても在日特権の存在や慰安婦は売春婦の捏造だったという真実が分かったわけですから♪
>レイシストを影から操る人間の狙いは“デモや表現の規制”
なら創価学会とそこへ火炎瓶を投げなかったブ左翼連中も繋がっているわけですね
だから公明党と民主党社民党共産党小沢派の一部も互いにズブズブだったわけで♪
それもこれも不法滞在の在日コリアンやシナ畜が元凶なわけで
そいつらが日本から出て行き祖国へ帰れば懸念される法政策も消えたはずなのに
何故か空気読まず日本に居座り続ける不思議♪
いずれにしても一般日本人に迷惑かけているという感覚ももってない
1 名前: リビアヤマネコ(青森県) 2013/04/23(火) 17:30:55.57 ID:wz0V6ArA0 PLT(12004) ポイント特典
イカ漁 円安・燃油高で全国一斉休漁へ
小型のイカ釣り漁船で作る業界団体は、円安の影響で燃料価格が高騰し、操業しても赤字になるとして、
今月26日と27日の2日間、漁を全国一斉に休むことを決めました。
水産庁によりますと、漁船の燃料となるA重油の価格は、円安の影響で今月には1キロリットル当たり
9万6600円に上昇し、円安が進む前の去年11月と比べて1万円以上値上がりしています。
このため、小型のイカ釣り漁船で作る「全国いか釣漁業協議会」は、燃油価格の高騰によって、操業しても
赤字になるとして、今の時期に漁を行っている全国およそ1000隻の漁船の漁を、今月26日と27日の
2日間、一斉に休むことを決めました。
イカ釣り漁船は、漁に使う照明にも燃料を使うため、コストに占める燃料価格の割合が3割を超え、ほかの
漁船に比べて燃料高騰の影響を受けやすいとされています。燃料価格の上昇による漁船への影響では
5年前、全国およそ20万隻が2日間の一斉休漁を行っていますが、全漁連=全国漁業協同組合連合会は、
「このまま円安傾向が続けば、今後はイカに限らず、全国一斉の休漁も視野に対応を協議していかなくては
ならない。政府に早急な対策を求めたい」と話しています。
イカ漁の一斉休業について、全国いか釣漁業協議会の常任幹事を務める全漁連=全国漁業協同組合
連合会の長屋信博常務理事は23日、会見し、「消費が減退し、価格も下落するなかで、昨年末から急激に
上昇した燃油価格の高騰は、漁業者の経営を相当追い詰めている。
円安の要因となっている安倍政権の経済政策を否定するつもりはないが、日本の景気が全体的によくなり、
魚の価格が上がるまでの間は、急激な円安によって高騰したぶんの燃油価格の補填(ほてん)をお願い
していきたい」と述べ、今後、政府に必要な対策を求める考えを示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130423/t10014117211000.html?utm_source=feedly
牧野田 彩(AYA)が AV に出演させられた理由とは
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/755.html
欧米のポルノは何故日本のAVに敵わないのか _ 黒木瞳が成功した理由
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/325.html
被差別部落出身の有名人は?_ あべ静江が結婚できなかった理由
http://www.asyura2.com/11/lunchbreak45/msg/860.html
ところが、グローバル企業というのは
無理に簡単に、それを求める
強引なだけじゃなく、労せずに儲けたい
ということは誰かから、何かをぶん取るしかない
ティー用ハーブの収穫&保存法
http://doit.co.jp/howto/howto04/021/
Chinese Mallow Senna Leaf Thyroid
http://www.seacoast.com/topic.php?health=chinese+mallow+senna+leaf+thyroid
A Natural/Herbal Perspective -- Interview with Shasta Tierra -- Part 2
http://thyroid.about.com/od/alternativeholisticinfo/l/blshasta.htm
モーリスメセゲ ストレートハーブティ ミニパック マロウ(ウスベニアオイ)
http://www.vedavie.jp/shop/g/g4537864013953/
モーリスメセゲ ハーブティー
http://www.elan-co.jp/cosmetics/herbtea.html
本場フランスから直輸入した人気のハーブティー。初めての方でもおいしく手軽に楽しめるようブレンドした、マイルドな風味が特徴です。2〜3人分用の小袋入りで使いやすく、体調に合わせて無理なく楽しめます。「無農薬残留限界証明」「放射能検査証明」で品質と安全性も◎。
時事通信 4月23日(火)23時22分配信
茂木敏充経済産業相は23日夜、BSジャパンの番組に出演し、原発再稼働の時期に関して「(早ければ)今年の秋になる」との見通しを示した。経産相は根拠として「原子力規制委員会の新規制基準が7月18日に出来上がる。事業者が申請して安全が確認できれば再稼働となる」と説明した。
原発を抱える地元の理解が重要だが、茂木経産相は「そのための努力はしていく」と述べ、安全確認後に立地自治体との調整を進める考えを示した。現在、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が全国で唯一稼働している。
ユークリッド原論
家畜のように生きるしかないのか・・・
その詐欺師なら、先日20日に私文書偽造の前科者・塚原勝美(自称「愚民党」)と
つるんで、「小沢革命で日本を建て直す鎌倉集会」を企ててまた新ネタで
カンパ寸借活動に励んでますよw
最高罪恥部総局
頭狂痴犬 吐糞〜ブッ(臭い!)
嫌殺
恐らく、自民党の政治活動用ポスターに貼り紙をしたことが「器物損壊」(?)とかの嫌疑とされるのだろうが、自前で「安倍晋三は嘘つき」というポスターを作って貼ったらどうなるのだろうか?
プロスポーツ自体が政治の一部じゃんw なかでも野球が特に。日本では。
もう高校野球からすでに“政治”だよw 1qmOy4Hy0U
最高罪恥部総局
(※最高罪=無実のものを冤罪に陥れる、国を売る鬼畜の所業)
頭狂痴犬 吐糞〜ブッ(おなら・・クサ!)
嫌殺
NHK=日本偏向協会=日本変態協会=売国放送
マズ(〜イ)ゴミ=売国奴
安倍壺とか自民党の勢力は「名誉毀損だ!」とか騒ぎ立てるだろうけど、
しかし安倍壺自民党は実際に国民有権者に嘘をついてTPP参加を決めたのだから
この「嘘つき」の理由をハッキリ明示すれば全然問題ないと思いますよ。
ひょっとすると安倍壺は「肖像権」を言い立ててくるかもしれないから
朝鮮壺の似顔絵など、戯画化した顔のポスターを作るとか、あるいは
指名手配書のスタイルのポスターを作って、あちこちに張り出せばいいのでは。
指名手配書の罪状は
・窃盗罪(違憲選挙による議員ポスト・総理大臣ポストの強奪)
・詐欺罪(公約違反のTPP参加)
・外患誘致罪(アメリカの言いなりで日本産業を安楽死)
などを列挙すればいいのでは。
もうここまできたら、田代はじめ名前の挙がっている3人に詰め腹切らすとともに、人事異動で体制を刷新するくらいはやった方が、却って傷口を広げなくて済むと思うのだがね。
ただ飯食って、出すためだけに
歩く筒状態で
久々にクレパスでお絵かきでもやってみようかな。
ご近所の方々が吹き出すようなものだったらいいかもね。
大量の放射性物質を飛散させた事は 紛れも無い事実であり、政府や東電が正直に全ての事実を
公表しているかどうか怪しい事だけはうなずける
だからと言って、有る事無い事 好き勝手に言いふらして面白がってて 良いはずは無い
このブログの言う通りの状況がもし本当なら、もうとっくに福島では何万人と死者が出て
医療関係者や役場 報道マスコミ 教育関係者など、関わった人達は何百万人にも及ぶはずである
それら全ての人達の口を塞ぐ事など、絶対に不可能である 物理的に無理である
そんな事出来るぐらいなら、始めから原発事故そのものを隠蔽できる筈である その方が簡単である
「不正選挙」と書かれたビラを自民党のポスターに貼りつけた...
>中央構造線は熊本から何処に行っているのか???????
既に一般的に推測がされていると思いますが。
つまり、数本に枝分かれしていて、一本は鹿児島の川内原発のあたりへ向かっている。
▼▼▼聖徳太子▲▲▲
《改竄の目的》蘇我氏が「臣下」ではなく、「大王」であり、藤原傀儡権力である「百済王朝(天智系)」が簒奪者である事実の隠蔽。
《推定される史実》6世紀以前の日本列島の支配者は、蘇我氏と秦氏であり、蘇我氏の騎馬技術と秦氏の土木技術によって、列島全体に道幅12m以上の古代高速道路が建設されていた。さらに、巨大前方後円墳の築造・河内湖の干拓・大運河の掘削などが行われ、東ローマや中国との絹交易により大いに繁栄していた。
▼▼▼大化の改新▲▲▲
《改竄の目的》蘇我氏殺戮が「臣下成敗」ではなく、「王位簒奪」である事実を隠蔽すること。
《推定される史実》7世紀、東ユーラシア一帯で「唐」は「突厥」と覇権を競っていた。630年、「突厥」は滅ぼされ、その残党は、「吐蕃・高句麗・日本列島」に逃れた。残党殲滅を狙う「唐」は、641年に「吐蕃」、644年に「高句麗」に侵攻した。さらに「突厥」の同族である蘇我氏が支配する明日香に侵入し、藤原氏の手引きにより蘇我氏を殺害した。
何を根拠にそんなことを言っているのか?
全くのデマ!
だいたい、なんの得があるというのか?
共産党が政党の中で最も強力に反原発・即時廃炉を唱えている。
そこのところは認めるべきである。
甥が逮捕された時、進次郎もホストで店におり客とトイレで・・と言う記事を読んだ気がしたが・・・
進次郎がいた、客とトイレで・・の記述は全部削除された?コメント42 48にしか見られない・・
しかし>>33にしても、かもしれません という但し書きがあるのによくそこまで
悪態をつけますね。断定してたら短気な人ならそれぐらいいうかもしれませんが。
安倍首相は経済団体に、平成16年度大学卒業者の採用から、現在おおむね大学3年生の12月から始まっている採用活動の開始時期を、4年生の3月に後送りするように要請し、日本経団連をはじめとする大手経済団体のトップはこれを受け入れるコメントを発表した。
いわゆる「就活」の時期が遅くなる方が、学生が学業に専念できる期間が長くなるとして、大学側が就活時期の後送りを要望しており、政府がこれに呼応して今回の要望に至った。
しかし筆者には、この就活後送りが何かを改善するようには思えない。むしろ、ルールが変わることで、これに対応する学生と企業両方にとって不確実性とストレスが増すだけではないか。
学生の立場で考えると、就職の内定が遅くなるよりも、早い時期に内定を取ってしまった方が、勉強に集中できる面がある。大半の企業が大学の卒業を採用の際の条件にしているので、大学が学生にもっと勉強することを求めたいなら、カリキュラムの密度を上げて、卒業条件を厳しくすればいい。卒業できなければ就職もできない。さすがの学生君も勉強するだろう。
しかし、就職が決まった学生はさっさと卒業させて、学生にとって楽な物わかりのいい大学として学生におもねりつつ、次の受験者・入学者を募っているのが、多くの大学の実質的な経営方針であるように見える。
学生が勉強しないことの根本原因は、教師の質も含めて、大学の側の方針にある(質の低い大学を認可し続けている文科省の問題もあるが)。学業の、ひいては卒業生の「質」を上げることは、大学自身の努力でできることだ。「就活」を言い訳に使うな。
他方、企業の側では、他社も採用活動が後送りされるなら、採用期間が短縮され、また、内定学生の内定辞退への不確実性が減ずるという意味で、採用活動後送りの談合に参加してもいいと思うインセンティブは若干ある。
しかし同時に、営利企業として当然のことだが、他社よりも先に「いい学生」を確保したいと思うので、様々な形を使って「抜け駆け」をしようと努力している。
加えて、採用活動の開始時期に関するルールは、破っても具体的なペナルティのないザル法以下の「ザル・ルール」なので、学生から人気のある就活強者企業は世評を気にしてルールを守るが、そうでない企業は実質的にフライング内定を行使するというような形で、微妙な均衡が形成されて、就活に関するルールが曖昧に破られる状況が何十年も続いてきた。
今回のルール変更は、新たな均衡模索の過程で増す不確実性によって、学生と企業の双方の負担になる可能性がある。
何が現実的な価値かを理解していない
ブランドを毀損する大学の勘違い
厳しいカリキュラムと卒業生の国際性などについて評価が高い秋田県の国際教養大学のような少数の例外はあるが、多くの大学の卒業生の採用にあって、ほとんどの企業が、学生の「素材」を採用したいのであって、大学で身につけた知識を買いたいのではない。
採用の際に企業が見るのは、学生本人の人格(気持ちよく一緒に働ける若者か?)と能力(「地頭」の良さと目的達成意欲の強さ)の2点であって、後者の評価にとって有力な情報は、面接や筆記試験で多少は調べるとしても、大学時代の学業成績よりは、大学入試時点での達成度であるのが現実だ。
この点は、系列高校からのエスカレーター入学、推薦入学、AO入試(一芸入試)などによる入学生を受け入れすぎた私大が、近年そのブランド価値を毀損している様子を見るとよくわかる。
ビジネスとして大学を評価すると、自社の商品(卒業生)の何が現実的な価値になっているのかを正しく理解できていない場合が多いように思う。企業から見ると、大学が提供する付加価値で最大のものは、入試の客観性と入学者のクオリティだ。
もちろん、厳しいカリキュラムと卒業条件で、卒業生の質を上げることで大学固有の付加価値をつくる戦略はあり得るが、現実にそれに対応できるコストを負担し、かつ教員の質を確保できる大学は少ないのが現実だろう。
そして企業側は、こうした事情を十分にわかっている。
就活ルールに意味はあるのか?
採用活動や就活は自己責任では
そもそも、私企業の社員の採用活動について「談合」のごとくルール化することに何の意味があるのだろうか。
不自由になるだけで、企業にとって積極的なメリットはない。
学生の側でも、早く就職先を確保したい学生はそうすればいし、就職先をゆっくり考えたいと思う学生はそうすればいい。後者は、就活市場で立場の強い学生でなければ難しいかも知れないが、就職先を早く決めることの可能性の制限と、就職先を後で決めることのリスクとのトレード・オフは学生本人の責任で決めたらいい。
彼らはすでに選挙権まで持っている大人なのだから、それで何の問題もあるまい。まして、学生の側には事後的な「内定辞退」というオプションもあり、十分な選択肢を持つことができる。
企業が採用活動をいつ始めようが、学生がどの時点で就職先を決めようが、それぞれの事情と判断で決めたらいいことなのではないだろうか。
解雇が容易ではないことが
社員採用全般を保守化させる
日本で現在広く行われている「新卒一括採用」に、企業側ではそれなりの経済合理性がある。
個々人の採用にかける手間とコストは、まとめて採用を行う方が採用者1人当たりで低廉だし、年次が同じ社員同士を共通に扱いながら競争させることは、マネジメントを単純化する上で役に立っている。
「新卒」以外の人材も柔軟に雇うオプションがあることは企業にとって望ましいが、これはすでに行われている。企業は必要があれば、中途採用も行うし、専門家を雇うこともある。
ただし、こうした採用には手間とコストがかかるのが現実だ。卒業を遅らせた学生や、卒業後に定職に就かなかった若者、あるいは大学院修了者や修士、博士を、同年齢の新卒入社社員並みの扱いで採用し、処遇すべきだと企業に強要することは、筋違いだ。
企業にとっては、20代後半で専門的な論文を読み書きする能力がある人物が欲しい場合もあれば、そのような作業に不慣れでも、日常的な状況の処理能力が高く社会人としてのトレーニングを積んだ20代後半の人物を欲しいと思う場合もあるだろう。それは企業の判断でいいし、どちらの人物像を目指すかは、若者の側の判断でいい。
問題があるのは、よかれと思って採用した社員のパフォーマンスが不十分な場合に、解雇が容易でないことだろう。これは、企業の社員採用全般を抑圧し、内容的にも保守化させる要因になっているように思う。
就活プレッシャー減圧のための
真の解決策は人材流動化の促進
後の解雇が可能であれば、「面白そうな人物だから、雇ってみるか」といった大胆な採用がより容易になる。
中途採用・中途入社が現在よりももっと容易であれば、新卒時点の就職で長い職業人生の大半が決まる、というような切迫感は減少するだろう。
ただし、解雇に関する金銭的な補償の明確なルール化が必要だ。明確な補償額の設定は、雇用保険と別に、企業側に対して解雇の濫用を抑止するためのコストとしても必要だし、もちろん、被用者側の経済的なダメージへの補償でもある。
一方で、企業側は、人員整理のコストを事前に見積もりやすくなるので、より柔軟で計画的な経営ができるようになる。
会社都合の解雇に金銭的な補償の義務をつけた場合、いわゆる「ブラック企業」的な職場にあっては、社員を自己都合退社に追い込むような方略が採られる可能性がある。
職場で、労働基準の違反や、各種のハラスメントなどがあった場合には、社員の側から職場を去る際に、会社都合退社並みの補償金を取ることができるようにすることが望ましかろう。
加えて、労使の間の意見の違いを調停する仕組みも必要だ。組合を介さず、個人が会社と直接紛争を解決できるようなルールが整備され、かつあくまでも個人に向けた公的なサポートがあるとよい。
経済構造の変化への対応、成長分野への資源(人材を含む)投入、ひいては「就活」に過剰に集中するプレッシャーの減圧のためにも、最終的には全ての年代層にわたる人材の流動化促進が必要だ。
http://diamond.jp/articles/print/35133
アベノミクスの成長戦略を試す円安
2013年04月24日(Wed) Financial Times
(2013年4月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
円相場は1ドル=100円をにらんだ動きが続いている〔AFPBB News〕
「アベノミクス」にとって、今のところ首尾は上々だ。日本の株式市場は急騰しており、不動産市場も沸いている。消費者心理は6年ぶりの高水準をつけた。
そして、数カ月にわたり積極的な金融緩和への期待が高まった後、円相場は1ドル=100円の重要な節目に迫っている。円が最後に100円の大台をつけたのは、ちょうど4年前のことだ。
世界第3位の経済大国である日本の浮揚を掲げた安倍晋三氏の選挙運動が総選挙で同氏を勝利に導くことがはっきりした11月半ば以降、円は主要10カ国(G10)のすべての通貨に対して少なくとも2割下落し、韓国やロシアなどの貿易相手国は不当な優位性について不満をこぼすようになった。
だが、大幅に下落した通貨は本当に日本株式会社をより手ごわい競争相手にするのだろうか?
「円安=GDP拡大」が通用しなくなった?
エコノミストは確信を持てずにいる。これまでは、相関関係は確かなものに見えた。円安は輸出企業の利益を押し上げ、その輸出企業が次に採用や賃上げ、設備投資により多くの資金をつぎ込むという流れだ。
シティグループ証券のチーフエコノミスト、村嶋帰一氏は、一般的な経験則では、円が対ドルで10%下落すると、日本の国内総生産(GDP)が翌年に0.3%拡大すると言う。
しかし、現在は背景が異なる。2011年3月の震災以降、電力会社が失われた原発発電量を補うために燃料輸入を急いだことから、何十年間も安定した黒字が続いていた日本の貿易収支が赤字に転落した。
例えば、日本の液化天然ガス(LNG)輸入代金は3月に約6210億円に上り、震災前の3カ月間の平均金額のちょうど2倍になった。その結果、日本の家計が支払う電気料金は既に2年前より平均して約11%高くなっている。
HSBCのアジア経済調査部門の共同責任者、フレデリック・ニューマン氏は、円安が招く電気料金の追加値上げは消費を圧迫し、日本の輸出企業への「追い風を鈍らせる」恐れがあると指摘する。
円安が国内投資を大きく促すかどうかも不透明だ。日本企業は近年、諸外国のコストの安さと力強い需要を生かそうとして対外投資のペースを加速させてきた。日銀のデータによると、日本の対外直接投資(純額ベース)は2012年に1220億ドルに達し、2008年につけた過去最高記録と大きく変わらない水準にある。
円安でも国内投資が大きく増えない理由
恐らくそれ以上に重要なのは、投資を牽引してきたのが、企業収益が為替相場のレベルにあまり敏感ではない鉱業、小売り、通信などの非製造業だったことだろう。こうした業種はリーマン危機以降、日本企業による対外投資の約6割を担っている(10年前は半分を大きく下回っていた)。
このトレンドは、反転させるのが難しいかもしれない。日本貿易振興機構(ジェトロ)が最近行った調査では、69%の企業が今後3年間で海外事業を拡大させたいと答えていた。1年前に国外での事業拡大を目指していた企業は73%で、数字は大きく変化していない。
一方、海外で稼いだ利益はそのまま海外にとどまるかもしれない。例えば静岡に本社を構え、自動旋盤と腕時計部品の大半を国外で生産・販売するスター精密では、総額100億円の現金のうち、日本国内で保有しているのはたった20億円だ。
円安の結果として決算の数字がかなり良く見えるようになり、同社取締役の佐藤衛氏は「我々はアベノミクスの大ファンだ」と話しているものの、投資の重点は今後も国外に置かれるという。
野村総合研究所で金融市場の調査を率いる井上哲也氏は「輸出収入の拡大が以前のように国内の設備投資を促すとは思えない」と言う。
多くのアナリストや企業幹部は、結局、日本の古い問題の多くはまだ残っていると指摘する。円高は、高い税率、貿易、労働、環境の厳しい規制、エネルギー消費の抑制と並び、日本企業が近年不満をこぼしてきた「6重苦」の1つに過ぎない。
安倍首相は閣僚と財界人の諮問会議に、こうした問題に対処する最善策について6月までに報告を上げるよう求めた。
だが、金融、財政の刺激策が見事に当たった後、安倍首相の成長戦略を指すアベノミクスの「第3の矢」は今のところ、「かなり焦点が甘く、はっきりしていない」とJPモルガン証券のシニアエコノミスト、足立正道氏は言う。
1ドル=100円近辺が妥当な水準
その意味で、日本が15年以上に及ぶデフレからの脱却を果たそうとする中、1ドル=100円前後という現在の為替水準が妥当だと考える人は多い。
差し当たりこの水準なら、日本を停滞から抜け出させるには十分弱いが、安倍首相が改革を準備しているうちに輸入コストが大打撃をもたらすのを防ぐ程度には強いというのが彼らの見方だ。
「歓迎すべき円安がどの段階で望ましくない円安になるのか正確に特定するのは困難だ」。みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏はこう話す。「だが、最適水準は恐らく今の水準前後だろう」
By Ben McLannahan
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37654
米国債の安定性を買う「債券王」
2013年04月24日(Wed) Financial Times
(2013年4月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
債券王の異名を取るビル・グロス氏が米国債に対して強気に転じた(写真はワシントンの米財務省前に建つ初代米財務長官アレクサンダー・ハミルトン像)〔AFPBB News〕
どの市場を見てもバブルになっているケースがほとんどだが、自分がキャリアを積み重ねてきたこの大きな、30年の長きにわたる債券の上昇相場が終わる気配は全く見られない――。ビル・グロス氏はそう言い切る。
米ピムコの共同創業者で、同社が誇る世界最大(運用資産2890億ドル)の債券ファンド「トータル・リターン・ファンド」の運用担当者でもあるグロス氏は、各国の政府と中央銀行が正真正銘の景気回復に弾みをつけられるまで下落相場はやって来ないと述べている。
長引く低金利と米連邦準備理事会(FRB)の国債買い入れプログラムを批判する人は多く、この施策のためにインフレ率が上昇し、金利も上昇して債券投資家が損失を被りかねないと彼らは警告しているが、グロス氏はこれとは正反対の立場を取り、米国債の安全性を評価している。
ほぼすべての資産市場がバブル
「小切手の発行と政策金利の安定という魔法のクスリが効いて何らかのタイプの経済成長が名目ベースで生み出されるまでは、債券の下落相場はやって来ないだろう」。グロス氏は本紙(フィナンシャル・タイムズ)にこう語った。
グロス氏はそういう状況を喜んでいるわけではないが、そう考えて運用せざるを得ないという。FRBと、日本や英国、そして欧州の中央銀行による金融実験の結果、「資産市場はほぼすべてバブル化しており、価格が歪んでいる」とグロス氏。
「リターンに対するリスクを管理する観点で見るなら、今最もバブル化していない市場はどこかが問題となる。悪いながらも気に入っているという投資先が特にあるわけじゃない」
グロス氏によれば、社債のクレジットスプレッドは縮小しすぎており、実質金利は低すぎ、株式のバリュエーションは高すぎる。「まあ、ああいうものにはみんなリスクがある」
資金を完全に引き揚げて様子を見るという手もあるが、マネー・マーケット・ファンド(MMF)に資金を寝かせたら20ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)の利息しか得られない。従って、必然的に比較的安全な米国債を選択することになる。
「ピムコは米国債に引き寄せられている。過大評価されている資産の中で少なくとも最も安定しているのが米国債だと考えているからだ。米国債が安定しているのは、FRBの政策と比較的低いインフレ率のおかげだ」とグロス氏は語る。
同氏は3月末時点でトータル・リターン・ファンドの資産の3分の1を米国債に配分していた。同ファンドでは昨年7月以来の高い比率だ。
2011年に米国債売却に動き大失敗
このような見解は、米国債への投資を完全に避けるという2011年の同氏の判断とはまさに対照的だ。実際、この判断は誤りで、同氏のファンドの運用成績はほとんどの債券ファンドのそれを下回ってしまった。
調査会社モーニングスターによる債券ファンドマネジャーのランキングで最上位3%に15年間名を連ね続けていた人物にとって、例外的な不振の年となった。
グロス氏はかつて、「量的緩和」とFRBの債券買い入れプログラムが引き起こすインフレ率の上昇は危険であると考えていたが、現在ではむしろ、こうした取り組みの効果が小さすぎるのではないかと危惧している。
「米国の中央銀行は、インフレだけでなく実質的な経済成長も引き起こせていない。これは一体なぜなのか?」
同氏はそう自問した後、様々な要因が組み合わさっているのかもしれないと話している。あまりに性急な財政緊縮、人口の高齢化、新興国の低コストな労働力との競争、そして中央銀行の政策は逆効果かもしれないという「異端」の説などがそれに当たるという。
MMFや保険会社のビジネスモデルが崩壊
同氏によれば、ゼロ%に近い金利水準は、ゼロ%近くに張り付いた金利への上乗せで稼ぐことに依存しているMMFや保険会社、銀行などの業界を弱体化させている。「過去30年の間にプラスの実質金利という土台の上に築かれたビジネスモデルが、今では崩れてしまっている」という。
また、事業会社も積み上がった現金を投資に回せていないと指摘する。「この現象は、今のような金融政策の負の側面が限界に達しており、実体経済を拡大ではなく縮小させていることを示しているのかもしれない」
インフレで破綻かデフレで破綻か
危険な状況を説明するために、グロス氏は極端なシナリオを2つ描いている。「もしアルマゲドンに至る道をたどっているとしたら、昔のジンバブエやワイマール共和国であったようにインフレで破綻するか、恐慌時のようにデフレで破綻するかのどちらかになり得る」
前者なら投資家は金(ゴールド)とインフレ連動債を欲しがり、後者なら残存期間の長い米国債が買いを集める、とグロス氏は考えている。だが、どちらのシナリオもすぐには実現しないと付け加える。
どちらかを選ばねばならないなら、インフレになって破綻する方がいいと同氏は言うが、今のところは、企業のバランスシートが悪化するリスクよりも金利が上昇するリスクの方を取りたいという。「もし実質成長率が伸びずに失望を買うことになれば、明らかにクレジットスプレッドの方が大きなリスクにさらされる」からだ。
FRBが利上げに踏み切るレベルに経済成長率と失業率が到達するにはまだかなりの時間がかかり、2015年か「恐らくもっと先」の話になる、とグロス氏は予想している。
その一方で、人口動態のために債券には根強い需要が生まれていると見ている。
増え続ける高齢者が支えに
「債券は今後も、高齢者の投資先になり続けるだろう。値段が下がらなければいいなと思う。もっとも、高齢者はいつの時代になっても債券を欲しがるだろうし、今後は高齢者自体の数が増えていく」
従って、もし中央銀行がインフレを引き起こせなければ、「大転換が起こりつつあると喜々として語る人たちの言う下落相場にはならない。あと1年か2年、あるいは3年待ってもらわねばならないね。恐らく2013年には、そういう状況にはならないだろう」
By Dan McCrum
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37656
アベノミクスでホクホクの個人投資家 第3話
「日本株配当+不動産賃貸≒年金×2」の65歳
2013年4月24日(水) 日経マネー編集部 、 真弓 重孝
伝説の投資家、ジョン・テンプルトンが述べたあまりにも有名な言葉がある。
「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成長し、陶酔の中で消えてゆく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である」。
65歳の個人投資家、赤城敬さん(仮名)はこのテンプルトンの言葉を体現するように日本株投資では、誰もが買わないような時に買うことを心掛ける。2010〜12年の3年間の運用成績は「+5%」→「+10%」→「+35%」と3年とも日経平均株価を上回っている。
65歳の赤城敬さん(仮名)は、年金の倍近い収入を、株の配当金と不動産賃貸から得ている。60歳で定年退職、63歳で嘱託勤務を退いた赤城さんの年金収入は年270万円。時価で3200万円の日本株の配当が年100万円、アパートの賃貸収入は410万円になる。金融資産は9000万円だ。
赤城敬さんの金融資産と過去3年の運用成績
賃貸収入が多いのは、1棟4戸(1戸の間取りは3LDK)のアパートを2棟所有しているため。1戸の家賃は6万1000円。経費を引くと月45万円の収入になる。もともとは赤城さんの父親が相続対策でローンを組み建設したもの。
数年前に父親が死去して、2000万円のローン残債とともに相続した。金利が4.3%と高かったため、赤城さんは2500万円の退職一時金から残債の2000万円を繰り上げ返済した。
残った500万円は日本株の購入に回した。赤城さんが日本株投資を始めたのは40代後半の1996年、JR西日本の上場がきっかけ。退職後に年金以外の小遣い稼ぎができたらというのが、投資を始めた動機だ。
現在は高配当銘柄や成長可能性のある割安銘柄を投資対象にする。保有銘柄数は約20。基本は相場の急落時など誰もが買わないときに買いを仕掛ける。
ここ最近の含み益の多い銘柄がIHI、みずほフィナンシャルグループ(FG)、穴吹興産、NEC、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)だ(表を参照)。購入する際には、10年来高値・安値を見ながら判断する。
IHIとNECは宇宙・航空関連の将来性に期待した。穴吹興産は、赤城さんが持つ賃貸アパートの建設を穴吹工務店に依頼していた経緯から購入した。当時は低位株だったが業界での地位や実力を評価しての購入だった。
震災後はインフラの復興を見込んで日立造船と三菱重工業を、地熱発電の普及に期待して富士電機をそれぞれ購入。一部は売却し、50万〜60万円の売却益を上げた。
もちろん不振の銘柄もある。三菱自動車、日本板硝子、パナソニック、キリンホールディングス、タカラトミーは、3月末時点でそれぞれ約20万円から約90万円の含み損を抱えている。だが他の銘柄がこれらのマイナスを超えるパフォーマンスを上げ、赤城さんの金融資産を膨らます。投資の成績だけではない。
退職後も収入の2割を貯蓄
退職後も収入の2割近くを貯蓄などに回している。また、株の配当金や売却益は再投資に回して利子が利子を生む複利効果を獲得しつつ、旅行などにも使ってきた。
成績を上げてきた日本株の運用だが、今後は縮小する方針だ。東南海地震や、今年で証券優遇税制が廃止されることなどを考慮し、保有株を現金化して孫への支援に回したいという。
赤城さんが保有するNTT株の「配当金計算書」
ただし、月10万円程度の小遣いを稼ぐため、配当の良いNTTやNTTドコモ、みずほFGと三菱UFJFGの4銘柄は残したいとする。
日本株相場は昨年11月からの急激な上昇で、買い時を逃したと感じる人も多い。今から投資して果たして大丈夫なのか。そんな疑問を解消していくうえで、必要なのは相場全体は上がっていても、割安に放置されているバリュー株はないのかまず探してみること。また日本株以外に、今が底値と思えるような投資対象はないのか分析してみることも、分散投資の観点から必要だ。
おカネはこうして増えていく
少子高齢化とかアジアの追い上げなど先行きの暗い話ばかりが目に付く日本。しかし日本は1億円以上の金融資産を持つ富裕層が170万人を超える世界最大級のお金持ち大国。お金持ちはどのようにして資産を増やしたのか。個人の投資や節約術を数多く取材してきた日経マネーが、これぞスゴ技という事例を紹介していく。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20130419/246977/?ST=print
働いている割には実質所得が伸びないのはなぜか
GNIから考える成長戦略〜アベノミクスの中間評価(その2)
2013年4月24日(水) 小峰 隆夫
アベノミクスの3本の矢のうちの第3の矢「民間投資を呼び起こす成長戦略」の全体像は検討中であり、まだ評価を下すような段階ではない。そこで本稿では、検討過程で浮かび上がりつつある問題の中で、私が重要だと思う点を紹介してみたい。今回はGNI(国民総所得)という指標から成長戦略を考えてみることにする。
最近注目されているGNI
現在検討されている成長戦略の中で、GNI(国民総所得:Gross National Income)という指標が脚光を浴びつつある。3月8日に開催された経済財政諮問会議では、民間議員が連名で「経済財政政策から見た目指すべき国家像と成長戦略への期待」という文書を出した(PDFの資料はこちら)。その中に「成長戦略が前提とすべきマクロ経済的視点から見た定量的目標」という項目があり、そこには「実質GNI(実質GDP、海外からの純所得、交易利得)の持続的拡大、10年以内GNI拡大目標値設定」と記されている。安倍晋三内閣で策定されつつある成長戦略においては、GNIを重視していこうと姿勢が示されかけているのだ。
このGNIという数字自体は、内閣府の経済社会総合研究所が毎四半期発表している国民経済計算速報にもちゃんと入っているのだが、これまではあまり注目されてこなかった。四半期速報を報じる新聞でも、GDPについては報じられるが、GNIに言及されることはほとんどない。多分大多数の国民は「そんな言葉は聞いたことがない」と言うだろう。
そのGNIが注目されるのにはそれなりの理由があり、それを考えていくと、日本の成長戦略の根幹にかかわる問題が見えてくる。そこでまず、「GNIとは何か」というところから考えてみよう。
名目で見た場合、GDPとGNIはどこが違うのか
我々が普段目にしている経済成長率は、GDP(国内総生産:Gross Domestic Products)の伸び率である。現在はGDPが中心だが、かつてはGNP(国民総生産:Gross National Products)が中心概念であった。1971年に、朝日新聞社が『くたばれGNP』という本を出して、公害などの観点から成長至上主義を批判したことがある。当時はGNPが成長の指標だったことが分かる。
では、GDPとGNIはどこが違うのか。我々は「日本全体でどの程度の大きさの経済活動が行われているのか」を知りたい。この点で、現在最も使われているGDP(国内総生産)は、その名の通り、「日本という国土(国内)の上でどの程度の生産活動が行われたか」を示している。生産活動が増えていけば、雇用機会は増え、国民全体の生活水準は高まるはずだ。それが経済成長である。
同じようなものとして、「国内総支出」「国内総所得」というのもある。この2つは名目値で見る限りは、国内総生産と同額になるはずだ。例えば、我々が200万円の自動車を購入したとしよう。この時、200万円の消費か行われ(国内総支出の一部)、200万円の生産が実現しており(国内総生産の一部)、誰かが200万円の所得(国内総所得の一部)を手にしたことになる。こうして一つの経済取引に対して「生産」「支出」「所得」がワンセットで同額動くのだから、日本全体の生産・支出・所得の合計は等しくなるはずだ。これを「三面等価の原則」という。
次にGNP(国民総生産)を考える。これは「日本国民がどの程度の生産活動を行ったか」を示すものである。今度は「国民」でとらえているので、日本人や日本企業が海外で稼いだ分も入り、逆に外国人・外国企業が日本で稼いだ分は入らない。この国民概念でも「国民総支出」「国民総所得(これがGNI)」があり、ここでも三面等価が成立するから、「国民総生産」「国民総支出」「国民総所得」は等しい。
本稿では「GDPではなく、GNIを見よ」と主張するわけだが、これは名目値で見る限りは「GDPではなくGNPを見よ」と言っているのと同じである。いわば「昔に戻れ」と言っているわけだ。ではなぜ昔に戻った方がいいのか。それは、グローバル化が進む中で、日本人・日本人企業の海外での活動、外国人・外国企業の日本での活動が無視し得ないほど大きくなってきたからだ。
名目GDPと名目GNIの差はネットで見た海外からの稼ぎを示している。両者を比較してみると、1994年当時は名目GNIが名目GDPより約4兆円(GDPの0.8%)大きかったのだが、2012年にはその差が約15兆円(1.5%)にまで拡大している。これは、海外進出した日本企業が稼いだ利益や日本企業(人)が海外投資によって得た配当や利子所得が増えたためである。
成長戦略とは、日本人・日本企業がいかに効率的に働いて、いかに高い所得を稼ぎ出し、それによっていかに高い生活水準を実現するかについての政策を明らかにするものであるはずだ。すると、「日本人・日本企業が国内で働いて、国内で実現した所得(GDP)」だけを最大化するための作戦を考えるのではなく、「海外で働き、実現した分も含めた所得(GNI)」を最大化するための作戦を考えるべきだということになる。これが、GDPよりもGNIを見よという第1の理由である。
実質で見た場合、GDPとGNIはどこが違うのか
次に、実質で見た場合を考える。ここから話がやや込み入ってくる。
前述のように、名目値で見る限りは、生産、支出、所得が等しいという三面等価が成立する。ところが実質ではこの原則が成立しないのだ。
「実質国民総生産」と「実質国民総支出」は一致する。支出と生産は、「買う側から見るか」「売る側から見るか」の違いだけであり、要するに同じものを見ているからだ。しかし、実質所得はそうではない。実質的な生産活動は同じでも、所得の実質価値が変動することがあるのだ。
この実質生産・支出と実質所得の違いをもたらすのが交易条件の変化である。交易条件というのは、輸出価格と輸入価格の比(輸入価格/輸出価格)である。例えば、輸入価格に比べて輸出価格が相対的に上昇すると(これを「交易条件の改善」という)、日本から見ると、同じ輸出でより多くの輸入品を受け取ることができるようになる。これが交易利得である。逆に、交易条件が悪化すると、交易損失が生まれる。この交易利得(損失)は、実質GNPには無関係だが(当然だが、実質GDPにも無関係)、実質GNIを変動させることになる。
成長戦略の中で実質GNIが注目されるようになった第2の理由がここにある。というのは近年、日本では交易損失が生じ続けているのだ。表は、実質GDP成長率と実質GNIの成長率を比較したものである。これを見ると、常に(2009年は例外)、GDPの伸びよりGNIの伸びが低く、その主因はマイナスの交易利得(つまり交易損失)が発生しているためであることが分かる。すなわち、我々は働いている割には実質所得が伸びない状態を続けているのであり、それは交易条件が悪化しているからなのである。
表 実質GDP成長率と実質GNI(国民総所得)の成長率の推移(%)
実質GDP 実質GNI GNI変化に対する交易利得の寄与度
2005年 1.3 0.8 -1
2006年 1.7 1.1 -1
2007年 2.2 2.1 -0.7
2008年 -1 -2.6 -1.5
2009年 -5.5 -4 2.2
2010年 4.7 3.5 -1.1
2011年 -0.6 -1.4 -1.2
2012年 1.9 1.7 -0.3
(資料)内閣府「国民経済計算」
多くの先進国では交易条件は不変で推移
ではなぜ、日本ではこうして交易損失が発生し続けてきたのか。この交易損失の発生を避けることができれば、我々は、実質的な働きに見合った実質所得を得ることができる。さらに進んで、交易利得が得られれば、働き以上に実質所得を伸ばすことができる。
この点は難問で、私もしきりに考えている最中なのだが、今のところは、円高やエネルギー価格の上昇に対して、付加価値削減型の対応をしてきたからではないかと考えている。
円高の場合を考えよう、日本では継続的に円高が進行してきた。円レートが上昇すると、円建てでみた輸入価格はほぼ円高分だけ低下する。円建ての輸出価格については、「外貨建ての輸出価格を維持して円建ての輸出価格を引き下げるか」「円の手取りを維持するために外貨建ての輸出価格を引き上げるか」の綱引きとなる。いずれにせよ程度の差はあれ、円建ての輸出価格は低下する。以上を総合すると、円建てでみた場合、輸出価格も輸入価格も低下するのだが、輸入価格の低下の方が大きいので、交易条件は改善することになる。
この時、外貨建ての輸出価格の引き上げ幅が大きいほど、交易条件の改善幅は大きくなる。ところが、日本は、円高に対して必死にコストをカットし、賃金を抑制し、外貨建ての輸出価格の引き上げを抑制しようとした。このため、せっかくの交易条件改善効果を十分享受できなかったのではないか。
エネルギー価格にどう反応するかについても同じである。輸入エネルギー価格が上昇した時、当然交易条件は悪化する。しかし、コストアップを最終価格に転嫁していき、輸出価格も同じように引き上げることができれば、交易条件の悪化を避けることができる。しかしここでも、日本は必死になって輸入エネルギー価格のコストアップを吸収しようとして、エネルギー以外のコストを削減し、賃金を抑制してこれに臨んだ。これによって輸入エネルギー価格上昇の交易条件悪化効果をフルに受けることになったのではないか。
我々の目から見ると、日本がそうした対応を取ったのはやむを得ないことであり、その以外の道はなかったように見える。しかし実は、先進諸国の中では、それ以外の道を歩んでいる国の方が多いようなのだ。前述の経済財政諮問会議における民間議員ペーパーには参考図表が付いており、この中に「交易条件の国際比較」という興味深い図がある(「経済財政政策から見た目指すべき国家像と成長戦略への期待」の「資料1−2」のうち5ページ)。これを見ると、日本は、輸出価格が低下して輸入価格が上昇しており、交易条件の悪化が続いているのだが、OECD諸国の平均では、輸出価格と輸入価格はほぼパラレルに動いており、交易条件はほぼ不変で推移している(ただし韓国は日本と同じ)。多くの先進国では、働きに見合った実質所得が実現しているのである。
ではなぜ日本は先進諸国の中で、交易条件悪化型経済を続けてきたのか。これまた難問で、私も答えを模索しているのだが、今のところは、次のような要因が複雑に絡み合った結果ではないかと考えている。
交易条件悪化型の経済構造となる理由
第1は、貿易構造だ。日本はエネルギーをほとんどすべて輸入に依存している。従って、エネルギー価格の変化は、ほぼ強制的に輸入価格を引き上げるだろう。一方、日本の主力輸出品は、新興国の追い上げに遭い、常に価格面で厳しい競争にさらされているため、価格を引き上げるという対応が難しい。この点、例えば、ドイツの輸出は、EUの中で強固なマーケット地盤を固めているので、価格を引き上げることができる。
第2は、産業組織だ。日本では大企業が関連会社とのネットワークを形成して(いわゆる「下請け」)、長期的な取引関係の下で生産を行い、輸出している。円高やエネルギー価格の上昇に際しては、これら関連会社とのネットワークの中でコストアップを吸収し、最終価格の引き上げを少しでも抑えようとしてきたのではないか。
この点では、例えば、ドイツでは、「ミッテルシュタント」という中規模企業群が、高い技術に裏打ちされた非価格競争力を持っており、これが輸出を支えていると言われている(法政大学の樋口一清教授のご教示による。同氏の「産業空洞化と地域企業の競争優位―日本版ミッテルシュタントの再発見」は、私が主査を務めた、日本経済研究センター「地域から考える成長戦略」研究分科会報告に収められている。同報告は、5月には同センターのウェブサイトで公開される予定)。日本の「大企業に従事する中小企業」というイメージとは相当大きな差があるようだ。
第3は、雇用構造だ。日本では、企業が雇用の維持に強い責任を持っているので、価格を抑え、付加価値を削ってでも、何とかして生産量を確保しようとする傾向がある。このため賃金を抑制してでも輸出量を保とうとする行動が取られやすくなるのではないか。
第4は、企業行動だ。日本の企業は、同業他社が進出する分野に横並びで重複進出し、同じような製品を巡って、日本企業同士で激しい競争を繰り広げる傾向がある。いわゆる「過当競争」と言われる現象だ。これに対して欧米企業は、個々の企業が独自の分野への進出を図り、その基盤を守る傾向がある。こうした企業行動の違いも、日本の輸出価格の引き上げを難しくしているのではないか。
こうした私の考えが正しいとすると、交易条件悪化型の経済構造は、日本の貿易構造、産業組織、雇用構造、企業行動に根差したものであり、それは簡単に変わらないものだと言えそうだ。今度策定されることになる新たな成長戦略では、技術革新、人材の育成、積極的な金融投資、成長分野への資源投入などにより、国際競争力を高め、実質GNIの成長を目指すという戦略が登場するであろう。
もちろんそれは重要なことなのだが、それは簡単なことではない。達観して言えば、そもそも多少の政府の成長戦略で日本の成長率を高めること自体が容易なことではなく、時間をかけて日本の仕組み全体をオーバーホールしていかなければ、長期的に国民を豊かにし続けることは難しいという時代に我々は位置していると言えるのかもしれない。
(次回は、女性の力を生かした成長戦略について考えます。掲載は5月8日の予定です)
小峰隆夫の日本経済に明日はあるのか
進まない財政再建と社会保障改革、急速に進む少子高齢化、見えない成長戦略…。日本経済が抱える問題点は明かになっているにもかかわらず、政治には危機感は感じられない。日本経済を40年以上観察し続けてきたエコノミストである著者が、日本経済に本気で警鐘を鳴らす。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130422/246988/?ST=print
ミドリムシのバイオ燃料は本当に有望か?
「仕入れリスク」と「LCA」がカギとなるユーグレナ
2013年4月24日(水) 尾崎 弘之
昨年12月末、東証マザーズに新規株式公開(IPO)したユーグレナ(東京都文京区)の株価が絶好調である。同社はミドリムシを使った健康食品やバイオ燃料などを開発しているバイオベンチャーだ。4月につけた上場来高値は初値の5倍以上となり、時価総額は600億円に迫っている。最近の新興企業はPER(株価収益率)が重視されているので、PERが70倍に迫る株価パフォーマンスを見せるのは久しぶりである。
ユーグレナが扱い、社名にもなっているミドリムシの一種「ユーグレナ」は、バイオ燃料や栄養価の高い健康食品の原料となることが知られていた。ミドリムシは昆虫と間違えられることが多いが、ここでは、ミジンコのように動きながら光合成も行う、動物と植物のあいのこの「微細藻類」のことである。
ユーグレナ事業化のカギは量産化できるかどうかだが、同社社長の出雲充氏は東京大学農学部在学中から事業化の可能性を感じ、都市銀行に数年勤務した後に起業した。大手企業志向が強い東大生としては「変わり種」と言える。
ユーグレナをはじめとするバイオ燃料は、再生可能エネルギー(再エネ)全量買取制度の対象である。原油への依存を減らしたい日本としては、是非とも推進したいエネルギーだが、実は一筋縄ではいかない。
バイオ燃料といってもいろいろな種類があり、どれでも温暖化防止に役立ち、環境負荷が低いわけではない。数あるバイオ燃料の中で、なぜユーグレナが注目されているのであろうか。これを理解するキーワードは「仕入れリスク」と「ライフサイクル評価(LCA)」である。
仕入れリスクは、マイケル・ポーター米ハーバード大学教授の「ファイブフォース」に含まれる経営の重要な要素である。メーカーが原材料を仕入れ先から購入する場合、通常は買い手であるメーカーの立場が強い。しかし、原材料の調達が難しく希少価値があると、逆に仕入れ先のパワーが強くなり、場合によっては仕入れ先が価格を決定することになる。パソコン全盛時代の米マイクロソフトや米インテルがそうであった。買い手はこのような仕入れリスクをマネージしなければならない。LCAについては後で詳しく述べる。
バイオ燃料が再エネとみなされる理由
バイオ燃料は実用化がかなり進んでおり、ドイツでは、再生可能エネルギー消費の67%を占めている(2011年の実績)。米国では、2005年の「エネルギー政策法」によってバイオ燃料導入の数値目標が定められた。
カナダのIISD(インターナショナル・インスティチュート・フォー・サステイナブル・ディベロップメント=持続可能な開発に関する国際研究所)の調査によると、年間70億ドル(約7000億円)の補助金が、バイオ燃料の原料を作るトウモロコシ農家に支給されている。
バイオ燃料は植物を原料とするが、ガソリンや天然ガスと違って原料はほぼ無尽蔵である。これが太陽光や風力と同様、再エネとみなされる理由だが、燃やせば化石燃料と同じく二酸化炭素(CO2)を排出するのに、なぜバイオ燃料は温暖化防止に役立つとみなされているのか。
それは、原料に植物が使われているからである。植物は光合成により大気中からCO2を吸収するので、燃やして排出するCO2は元に戻っただけで、理論上大気中のCO2総量は増えないことになる。この考え方を「カーボンニュートラル」と呼ぶ。
エネルギーと食糧の競合で高まった原料の仕入れリスク
バイオ燃料を生産する企業にとって、競合商品はガソリンとディーゼルであり、値段、品質、サービスによってライバル企業との競争に備えればいい。しかも、バイオ燃料特有の補助金を利用できるから、その分有利である。
ところが、2008年を境に状況が変わってしまった。当時の米国では、トウモロコシ原料のバイオエタノールが伸びていたが、原油価格高騰をキッカケに食糧価格も値上がりし、原料である食糧の仕入れ確保が困難になってしまったのである。
シカゴ商品取引所の相場を見ると、2007年から2008年にかけて、トウモロコシと大豆の価格は最大3倍、小麦価格は最大2.7倍まで値上がりした。また、2008年には、ハイチやホンジュラスなどで食糧を求めて暴動が発生した。
この時期、原油価格高騰以外に穀物価格急騰の要因として指摘されたことは、豪州などの大規模な干ばつ、新興国の食糧需要増加、ファンド資金の穀物市場への流入、一部の生産国による輸出制限、そして、穀物がバイオ燃料に転用されたことである。
2007年のトウモロコシの世界生産量は7億8479万トンで、そのうち、42.3%が米国で生産された(出所:世界統計白書による)。同じ時期、米国で8382万トンのトウモロコシが燃料用に使われた(出所:米農務省)。この数字は、同年の世界のトウモロコシ生産の増加量にほぼ匹敵する。
米エネルギー省は、「2008年の穀物価格暴騰の主犯はバイオ燃料ではない」という内容のリポートを出したが、バイオ燃料への転用の影響が大きかったことは否定できない。
トウモロコシは家畜の飼料に使われるから人間の食糧と関係なさそうだが、飼料のコストが上がれば、食肉価格も上がってしまう。また、バイオ燃料補助金を狙って、小麦・大豆畑をトウモロコシ畑に変えることが増え、生産品種が偏ってしまった。この結果、食糧とエネルギーが競合して原料が不足し、仕入れ先であるトウモロコシ農家のバイオ燃料企業に対するパワーが強くなってしまった。
仕入れリスクが低い原料への転換
原料を仕入れることが難しくなれば、新たな原料を探さなければならない。そこで、穀物などの食糧を原料にした「第一世代バイオ燃料」に依存するのではなく、食糧にならない雑草、木くず、廃食油などを原料とした「第二世代バイオ燃料」の開発が脚光を浴びるようになった。(表1)
表1 主な第一世代と第二世代のバイオ燃料
(筆者作成)
ところが、第二世代バイオ燃料も仕入れリスクの解決に至らなかった。確かに木くずや雑草は食糧との競合がないのだが、ジャングルの中から雑草を調達すると、輸送のためのエネルギーが必要で、思ったより調達コストが高いからである。その分、CO2排出量も増えてしまう。
そこで、第二世代バイオ燃料の問題を解決すると期待されているのが、ミドリムシなどの微細藻類を原料とした「第三世代バイオ燃料」である。ユーグレナはこの一種である。
微細藻類を原料にするメリット
ミドリムシ、クロレラ、アオコなどの微細藻類は極めて効率的に光を吸収し、バクテリア並みに成長が早い。また、細胞内には脂質が多く含まれており、一部の藻類は石油や天然ガスの主成分である炭化水素を生産する。
実用化には、数万種の藻類の中から原料として最適な種を選別し、大量に培養することが必要となる。藻類は葉や茎がないため、陸上植物より廃棄物が少なく、タンクの中で培養できるという利点がある。
1990年前後、微細藻類を使ったバイオ燃料の研究が、米エネルギー省傘下の研究所で盛んに行われた。現在,米国で数十社の藻類ベンチャーが立ち上がっているのは、それらの研究成果が基となっている。シェブロン、ボーイングといった大企業も藻類市場に注目し、ベンチャーとの提携を進めている。
これら油の収量が大きい藻類は外敵の攻撃に弱いので、一般的に大量培養することが難しい。言い換えると、大量培養が難しいから、これまでビジネスにならなかった。藻類ベンチャーが注目を浴びているのは、大量培養技術に革新が見られるためである。動植物などの天然物は特許の対象にならないので、培養方法の特許化、またはノウハウとすることでビジネスを成立させる。
LCAによるバイオ燃料の選別
カーボンニュートラルによってバイオ燃料は再エネとみなされているのだが、最近、バイオ燃料ならば何でもカーボンニュートラルとみなされなくなっている。
バイオ燃料は植物の自然な成長、分解、死滅から作られるのではなく、人為的に植物を加工して作られる。加工プロセスには当然エネルギーが必要で、化石燃料を使えば、そこからCO2が排出される。加工での排出量が多ければ、トータルで逆にCO2を増やしていることになり、カーボンニュートラルでなくなる。例えば、セルロースで出来た固い外皮で覆われた雑草を原料にすると、加工のためのエネルギーが大きくなる。
こういった弊害を避けるために、光合成や燃やす時に吸収・発生するCO2だけでなく、製品のライフサイクル(生産、運搬、使用、廃棄すべてのプロセス)で吸収・排出されるCO2をトータルで評価する必要がある。これを「ライフサイクル評価」(LCA)と呼ぶ。
LCAを行うと、バイオ燃料は、化石燃料と比較してトータルでCO2排出を増加させているか、減少させているかの実態が把握できる。LCAでは、次の5段階において、エネルギー投入量とCO2排出量を評価しなければならない。
原料(バイオマス)の調達(農業機械や肥料の使用)
バイオマスの輸送(トラックや船舶などの燃料)
バイオマスの製造(前処理、化学的・物理的処理)
出来上がった燃料の市場への輸送(海上輸送と陸路輸送がある)
燃料の使用(燃焼によるCO2排出)
バイオ燃料であれば何でもいいわけではない
現在、バイオ燃料であれば何でもいいのではなく、LCA的にCO2削減効果が50%以上ある燃料しか使用を認めないという基準が欧米では作られている。この基準によると、CO2を50%以上削減するバイオ燃料は、ブラジル産サトウキビ原料のバイオエタノールと甜菜・建設廃材を使った燃料ぐらいしかない。藻類バイオ燃料のLCAは今後進んでいくだろう。
しかも、ブラジル産サトウキビといっても、既存農地で栽培されたものだけが基準に合致し、アマゾンの森林を開墾して栽培された作物はカーボンニュートラルとみなされない。森林開発によるCO2の増加がカウントされるからである。
また、原料から油やアルコールを抽出した後の残渣(残りかす)処理の問題も大きい。廃棄物処理にエネルギーがかかるし、環境汚染の原因にもなるからだ。この点、藻類から油を採った残渣はタンパク質やミネラルを含むので、栄養食品や天然ポリマーの原料として使える。
ユーグレナは株式市場でバイオ燃料企業と位置づけられているが、この分野からの収益は少なく、実態は「ユーグレナ健康食品企業」である。ただ、残渣を捨てて環境に悪影響を与えているバイオ燃料企業が多い中で、残渣も有効活用するエコシステムを開発するという戦略は注目に値する。
欧州ではディーゼル車の比率が高く、バイオディーゼルの有望な市場になるかもしれないが、ハイブリッド車と電気自動車が増えれば、バイオ燃料は頭打ちとなる。ただ、大型車、船舶、飛行機などクルマと違った有望な市場があることも事実である。バイオ燃料の市場は補助金、仕入れリスク、LCAが複雑に絡んで成長していくだろう。
戦略論で読み解くグリーンラッシュの焦点
再生可能エネルギーの推進やシェールガスの実用化などによって、エネルギービジネスはどう変貌するのか。産業発展論と経営戦略論の視点からエネルギービジネスをとらえ直す。戦略論のフレームワークをを駆使して、最新の動向を読み解く。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130419/246979/?ST=print
【第1回】 2013年4月24日 大竹文雄
なぜ、「経済学者」は嫌われるのか?
――実は「利他的」な経済学者が伝えたい、
経済学の「2つの醍醐味」
第1回 大阪大学教授 大竹文雄【前編】
「行動経済学」に「神経経済学」と、ここ数年、続々と「新しい経済学」の研究が芽生えています。これらの動きを生み出している、経済学や心理学、神経科学、さらには物理学といった研究領域が交わる「知の最前線」についてレポートします。
今回、話を伺ったのは、大阪大学 社会経済研究所教授・付属行動経済学研究センター長である大竹文雄氏。労働経済学、行動経済学といった分野で実績を残し、また最近ではNHK「オイコノミア」への出演や日本科学未来館の企画展「波瀾万丈!おかね道」の総合監修などと、幅広く活躍している経済学者でもあります。
第1回は、日本科学未来館と経済学という異質の組み合わせの企画展の監修をなぜ引き受けたのか、というお話を皮切りに、「経済学はなぜ嫌われるのか」「経済学者は利己的なのか」、伺いました。経済学者の印象が変わるインタビュー第1回、どうぞお楽しみください!(聞き手:萱原正嗣)
「経済学」は、なぜ嫌われるのか?
――「おかね道」とは、何ともインパクトのあるタイトルです。先生は、このタイトルを最初にご覧になったとき、「経済学者」としてどんな印象を持たれましたか?
大竹 「経済学者」の発想からかけ離れていて、衝撃でした。タイトルだけではありません。ポスターやウェブサイトのデザインも含めて、とにかくインパクトが強烈でした。ポスターについては、初めて見た瞬間「コテコテの大阪商人」を思い浮かべたほどです。
大竹文雄(おおたけ・ふみお)
大阪大学社会経済研究所教授・付属行動経済学研究センター長
1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学大学院修了。経済学博士。専門は行動経済学、労働経済学。2008年日本学士院賞受賞。主な著書に、サントリー学芸賞受賞『日本の不平等 格差社会の幻想と未来』(日本経済新聞社)、『競争と公平感』(中公新書)など。最新刊に『脳の中の経済学』(共著・ディスカバー携書)。
でも、ある意味では、世間の人が「経済学」に対して抱いているイメージをうまく表現しているな、とも思いました。
私自身もよく経験しているのですが、初対面の人に「経済学者です」と自己紹介したときの、相手の反応はたいてい決まっていて、2つに集約されます。
ひとつは、「これから景気はどうなりますか?」とか、「これから儲かる株は何でしょうか?」といったことを尋ねてくる人。「経済学」というのは、景気の予測をしたり、お金の儲け方を考えたりすることだと、多くの人が思っているんですね。
もうひとつは、面と向かってはあまり言われないまでも、「経済学」という言葉にネガティブな印象を抱く人。こういった人はかなり多い。「数字だけしか信じない冷酷な世界だ」とか、「利己的で計算高い連中ばかりが集まっている」とか、そういうイメージですね。
経済学者自身が、そういう状況を揶揄して、「陰鬱な科学(dismal science)」だと表現することもあるくらいです。
「私自身も、「経済学」を誤解していた」
――そのような「経済学」に対する負のイメージを払拭するのに、かなり苦労されたと伺いました。
大竹 今回の企画展の準備を進めている段階でも、似たような反応に何度も遭遇しました。なかでも典型的な反応を示されたのが、本展を開催している「日本科学未来館」の館長の毛利衛さんです。
大竹 毛利さんのことは、みなさんもよくご存知だと思います。日本人で初めてスペースシャトルに乗った宇宙飛行士であり、科学者でもあります。その毛利館長が、未来館のスタッフたちがこの企画を提案した当初、「経済学」というのは「お金儲けのための学問だ」と、思っていらしたそうですし、私が初めてお会いした時も、まだ経済学にそういう印象をお持ちのようでした。
でも、毛利館長の反応も無理のないことかもしれません。何を隠そう、私自身が高校生の頃、経済学部に入って「経済学」を勉強したいと思ったのも、「将来の景気や株価が予測できて、お金儲けがうまくなるかもしれない」という期待にあったからです。今となっては笑い話ですが、とにかく、世間の人が思い浮かべる「経済学」のイメージには、「お金儲け」がまとわりついています。
とはいえ、「経済学」が、「お金儲け」とまったく無縁だということではありません。景気変動の予測や株価形成の要因を研究することも、「経済学」の重要なテーマのひとつです。けれども、必ずしもそれだけが「経済学者」の主要な仕事ではないのです。
むしろ、世間の人が「経済学」や「経済学者」に抱くイメージと、「経済学者」が実際にしている研究とは大きなギャップがあります。
世間の人から「経済学」は誤解されていますし、私自身も大学に入るまでは、「経済学」を誤解していたのです。
「経済学」の2つの面白さ
――先生も誤解されていたとは、驚きです。では、先生が感じられている「本当の経済学」の醍醐味とは、何でしょうか?
大竹 「経済学」には大きく2つの面白さがあります。
ひとつが、複雑な社会現象をシンプルな原理で説明するということです。「経済学」の技術で社会を分析すると、それまで見えていなかった現実の姿が見えてくることがあります。
たとえば、所得格差の拡大という現象があった場合でも、高技能者や低技能者に対する需要と供給ということを考えると簡単に説明ができます。コンピューターを中心とした技術革新のために、人の仕事はコンピューターの苦手な仕事に移ってきました。つまり、労働者に対する需要は、対人サービスや企業経営や製品のアイデアを考える仕事を中心に増加して、コンピューターが得意な定型的な事務仕事は減少しました。そうやって、需要や供給の変化を考えるだけで、需要が増えたタイプの仕事の賃金が上昇し、伝統的なホワイトカラーの仕事の賃金が低下したことが説明できてしまいます。需要と供給、インセンティブという概念をしっかり理解するだけで、様々な社会の出来事を説明できるのです。
一流スポーツ選手や一流芸能人は高額の所得を手にできるのはなぜか、保険に入っても一定額までカバーされない部分があるのはなぜか、をはじめとして、世の中には、すぐには理由がわからないことが多いと思いますが、経済学を学べば、こういうことに簡単に答えられるようになります。
大竹 もうひとつの面白さは、「伝統的な経済学」の「常識」からはみ出る動きが、「経済学」のなかで起きていることです。
「伝統的な経済学」では、経済活動を営む人間を、すべて合理的な存在と考えます。それが、よく知られる「合理的な経済人(ホモ・エコノミカス)」です。
けれども、ひとりひとりの人間の日々の経済活動が、合理的な判断にもとづいているかというと、必ずしもそんなことはありません。貯蓄をしたくてもできないとか、ダイエットをしたいのにできないとか、ギャンブルにはまってしまうとか、人間には、感情や直感に流されて苦しむ不合理な側面もあります。
しかも、その不合理な側面には、多くの人に共通する一定の「パターン」があることが知られています。そのパターンを考慮に入れると、合理的な人間像だけでは説明しきれなかった経済現象を説明できるようになるのが、また面白いところです。
それが、「行動経済学」と呼ばれる、「経済学」のなかでも比較的新しい分野です。人間の不合理さに焦点を当てて、経済現象を合理的に説明しようとするのが、「行動経済学」の醍醐味です。
今回の「おかね道」で取り上げられている10の実験のなかには、「行動経済学」の研究でよく知られる実験もあって、実際に体験することができます。人間の経済行動が、いかに不合理な直感や感情に支配されているか。そのことに驚かれる人も多いのではないかと思います。
夏休みの宿題をいつやるか?
――経済学の先生から感情について力説されるとは、思ってもいませんでした。人間の不合理さを示す具体的な例を、ひとつ詳しく紹介してください。
大竹 典型的なのは、夏休みの宿題をいつやるか、ということです。
大竹 夏休みが始まる前の時点では、毎日コツコツやる、あるいは、7月中に宿題を終えてあとは思いっきり遊ぶという計画を立てる。けれども実際には、8月31日になって慌てて宿題に取り掛かる。それが、ほとんどの人が思い当たる経験ではないかと思います。
これは、将来の利益と目先の利益を天秤にかけると、目先の利益を選んでしまいがちである、という「現在バイアス」として知られています。夏休みの最終日までに宿題が終わっているという長期的な利益より、毎日ひたすら遊ぶことで得られる短期的な利益が大きく見えてしまうのです。
将来の利益は小さく見えて、現在の利益が大きく見える。現在に偏っているから、「現在バイアス」ということです。貯蓄やダイエットの前に立ちはだかるのも、この「現在バイアス」の壁です。
実は利他的な生き物?――「経済学者」のホンネ
――「経済学」は、日常の行動パターンを説明できる身近な学問だということなんですね。
大竹 そのことを、ひとりでも多くの人に実感してもらいたいと思っています。それが、私がこの企画の総合監修を引き受けた一番の理由です。この企画展に協力してくださった多くの先生方も、そう感じているのではないでしょうか。
「行動経済学」は、極めて学際的な学問分野です。心理学や物理学、脳神経科学など、社会科学と自然科学を跨いでさまざまな分野の学問が融合した、非常にダイナミックな学問領域です。その各分野の最前線を走っている先生方が、みなさん忙しいにもかかわらず、積極的に協力してくださいました。
その背景にあるのは、「経済学」への誤解に対する不満です。
自分たちが感じている「経済学」の面白さが正しく理解されないばかりか、「経済学者」は、計算高くてこずるい、利己的でいけすかない奴らだと、白い目で見られてさえいます。 しかも、その嫌われ方に、合理的な根拠はまったくありません。世間の人の「思い込み」という不合理な直感で、悪評に晒されているわけです。
そんな中、今回監修した「おかね道」という展示について、日本科学未来館からご連絡いただきました。
この企画展によって、大勢の人に「経済学」の面白さを体感してもらえれば、こうした「経済学」への偏見を取り除いていくことができるのではないか――。そう思ってさまざまなジャンルの先生方とともに、多くの「経済学者」にも声をかけました。そしておそらく私と同じように思ってくれたからこそ、大勢の「経済学者」が、「経済学」全体の利益のために、貴重な時間を使って積極的に協力してくれたのだと思います。
自分のことしか考えず、冷酷だと見られがちな「経済学者」は、実は利他的で、情熱溢れる人たちだったということです。
※次回は、合理と不合理とは一体何なのか、どうすればよりよく生きていけるのか、に迫ります。第2回、大竹先生【中編】は、5月1日に掲載予定です。
ようこそ、科学×経済学の実験場へ!
波瀾万丈!おかね道
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【第3回】 2013年4月24日 佐々木融
インフレは円安圧力を強める効果があるのか?
アベノミクスで大幅な円安・株高が進んでいる。「どんどん円安方向に誘導してインフレ率も押し上げればいい」という意見があるが、それは本質を見誤っている。日本に今必要なのは、強い需要である。しかも、インフレが円安圧力を強める効果もそもそも疑問である。
日本銀行が2%のインフレターゲットを導入し、黒田東彦・新日銀総裁が異次元の金融緩和を行う中で、大幅な円安・株高が進んでいる。経済全般のセンチメントは明るく、金融資本市場も活況を呈している。
こうして未曾有の金融緩和を進める日本に、興味を持つ海外投資家は急増している。筆者は2013年1月最終週から7週間のうち、5週間を海外出張に費やし、海外のヘッジファンド等の顧客に日本の現状を説明してまわった。ミーティングは1日6〜7件にのぼり、それほど海外の投資家の日本に対する興味は強かった。
なぜなら、金融危機に揺れた世界経済の大きな流れの中で、日本が先頭を走っているからだ。欧米の投資家やエコノミスト、当局者は、自国経済が将来直面しそうな状況にどのように対処すべきか、シミュレーションする意味で、日本の動きに(反面教師としても)注目しているのである。
彼らからは「日銀は外債を購入して、米ドル/円相場をどんどん円安方向に誘導し、インフレ率も押し上げればいい」などとも、よく言われる。しかし、こうした意見は問題の本質を見誤っている。
日本に必要なのは、インフレでなく強い需要
前回も述べたが、日本経済にとって本当に必要なのはインフレではなく、強い需要である。需要が強くなれば、生産が増え、企業は雇用を増やし、雇用者所得が上がる。その結果、インフレ圧力が強まることになる。つまり、インフレは結果であって目的ではあり得ない。インフレが先に来ると、人びとは消費を減らし、景気はもっと悪くなる。
そもそも、円安がインフレ圧力を強める効果にも疑問が残る。実質実効レートベースでみると、1970年以降で最も円安になったのは2007年6月だ(米ドル/円相場は124円台まで上昇)。しかし、このときの日本の消費者物価指数は前年比マイナス0.2%だった。
内閣府の経済モデルによると、米ドル/円相場が10%円安方向に振れて、その水準を1年間維持できるとインフレ率は0.12%上昇する。これに従って単純計算すれば、インフレ率を直近2月の前年比マイナス0.7%からゼロに戻すには、円相場が対ドルで60%も下落して、その水準を1年間維持する必要がある。
仮に、スタート地点を昨年11月半ばの79円近辺としても、そこから60%の円安・ドル高水準は126円程度だ。その水準を1年間維持するなど至難の業だ。それほど、為替相場からインフレ率への波及効果は小さいのである。
円安からインフレにつながる経路として最も分かりやすいのは、ガソリンなどのエネルギーや、輸入食品の価格上昇であり、庶民の生活を直撃する。こうした形のインフレを、本当にみな望んでいるのだろうか?
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インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?
デフレ脱却をめぐる6つの疑問
日本では「デフレは悪で、インフレが望ましい」という考え方が広がり、定着しつつあります。特に安倍晋三首相が選挙前から「量的緩和の拡大」「デフレからインフレへ」などと盛んに発言し、実際にマーケットが円安・株高に動いたため、この風潮はますます強まっています。経済が停滞しているのも、若者の就職難もデフレのせいで、インフレになれば経済が活性化し、苦しい生活が楽になるがごとく喧伝されますが、本当にそうでしょうか?インフレが起こった場合、物価の上昇に追いつくほど給料が上がらない場合、銀行預金程度の資産しか持たない一般の人たちの購買力は低下して、今より貧しくなるのです。それでも皆さんはインフレを是とするのでしょうか。本書は、インフレの基本的構造や金融政策の仕組み、それらの個人や企業への影響、為替との関係などを分かりやすく解説した入門書です。
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成長戦略第三の矢は「女性です」と言い切るガッカリ感
2013年4月24日(水) 関橋 英作
成長戦略の第三の矢は、女性だそうです。その内容は、以前から問題になっている待機児童ゼロを目指すということ。仕事に本格復帰する女性を支援するものです。今頃何を言っているのだろう、と思いました。
そもそもマスコミをにぎわす「女性」というキーワード。初の女性知事誕生、初の女性宇宙飛行士、女社長がんばる、などなど。そんなに女性が活躍することが物珍しいのでしょうか?
まるで、男の専売特許でも取ったかのような書きぶりです。何だか妙な言葉使いがメディアを横行しています。
茶化された蓮舫議員
民主党政権時代もありましたね、「2番じゃ駄目なんですか?」でマスコミに茶化された蓮舫議員。男性議員だったら、あそこまでの話題になったでしょうか。
社会トレンドを見てもそうです。「子育てと仕事の両立は贅沢か?」「子育ても出世もしたい!」「女性のハードワークかっこいいぜ!」「スジを通しすぎる筋女という性」などなど。女性は売れ筋の格好のキャッチコピーかのように。
NHKまで、「仕事と子育て・女のサバイバル」というスペシャル番組を組む次第ですから、変というか反省?しているというのか。
いまは、2013年ですよ。男女雇用機会均等法が施行された1972年からは40年以上も経っています。
その内容は、労働者の募集・採用、配置・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職の勧奨・定年・解雇・労働契約の更新について、性別を理由として差別的取扱いをしてはならない、という法律。
またその第2条には、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする、と記されています。何をいまさらでしょう!
酷い日本の大企業の現実
しかしご存じの通り、日本の女性管理職率は1割未満。大企業ではなんと約5%ほどしかない。先進国の中でも、韓国と並んで最も低い数字です。女性政治家も7%ほどの信じ難い少なさ。女性がリーダーを望んでいるかどうかは別にしても、異常な男社会は全く変わっていません。
そこで、働いている女性の本音を聞いてみたくなりました。知り合いの女性20人にアンケートを実施。職業は、メーカーや小売業、広告代理店、フリーランスなどで、職種も企画、営業、制作、マーケティングなど様々です。質問項目は、7つ。みなさん本音で答えていただけました。溜まっていたのでしょうか?
なぜ、女性の力が日本社会で発揮されにくいのでしょうか?
質問@:「なぜ、女性の力が日本社会で発揮されにくいのでしょうか?その原因や理由についてどう思われますか?」
最も多かったのが、上層部が男性で占められているので、女性は使うものという意識が依然強いこと。それに伴って、異質な意見を嫌うという傾向。
“口に出して言わなくても、女性はニコニコ笑っているのがかわいいという意識がある”“かわいい”ことはいいことだという価値がはびこっており、かわいくない=女性じゃない、モテないというような呪縛がある”“男性ばかりの集団に女性が一人いると、違う意見が出てきて、合意に至るのに時間がかかる。それを邪魔に感じる”と。
また、こんなことも。“日本の会社の“働き方”を強制的に変えてほしい。サービス残業、接待飲み、などおじさん的な慣習がありすぎる ”
“出産などで、会社にとどまることができず、キャリアを中断せざるを得なくなる。または、責任のある仕事が任せられなくなる。女性は出産や結婚を機に退職するものといった旧態依然とした社会の意識”。
この、女性は子育てのために長く働けないという既成概念はまだまだはびこっていることがよく分かりました。強烈です。
何だか時代が後戻りしているようで、暗い気分になってしまいました。
女性の最も優れたところは何だと思いますか?
質問A:女性の最も優れたところは何だと思いますか?経験されたことを踏まえて、具体的に教えてください。
これは圧倒的に、感性とアイデア力という答え。
“理屈ではなく、これがやりたい、こうしたらうまく行きそうと見えるんです。おそらく生活の中でいろいろ見たり感じたりすることが多くて、それが感覚的につながりアイデアとして生まれやすい”。
“女性は、こうでなくちゃいけないという男性が持っている呪縛から自由で大胆なことを言ってくる場合が多い。結果、いいものが生まれる”。
女性は出世や社会通念などにこだわっていないので、発想が自由なのでしょう。だから、上司の顔色をうかがう必要もなく、こうでなくっちゃという固定観念に縛られていないのですね。
また、複数のタスクを同時に可能なこともできるのは、先が見えるので優先順位をつけることがいとも簡単なんですと。うらやましい限りです。
こちらはセンスの問題。“センスがいい人が多い。女子の方が、小さい頃から自分はこれが好きというのを見極めていて、好きな世界感を持っている”
また、“前例がないなどの杓子定規の判断しかできないのは感性力や気遣い力の不足だと思います”“母性、違う価値観に耳を傾け、受け入れる姿勢。共感力が高いこと”。
男性には欠落しがちな気遣い力。それは共感力だったんですね。パニクったときでも、チームに女性がいるだけで、ちょっとやわらかい空気が流れるのは、間違いなく女性のおかげ。
女性の力。すごいですね、この能力が存分に発揮されたらどうなるか、ああ、もったいない。
パナソニック ヤマザキ サントリー
実際、マーケティングにおいては、たくさんの企業が女性のアイデアを活かしている。パナソニックのナノケア、デイリーヤマザキの新ブランド「美◆Happy」、サントリーの「のんある気分」。トヨタ自動車や日産自動車でも、日頃の買い物や子供のベビーカー、自転車を積む、またはチャイルドシートの世話をするなど、男性では気づかない女性の視点でのクルマを開発しています。
もともと、マーケティングは女性向きの仕事。トレンドに敏感で、こういうのがあればいいのにという潜在欲求がよく分かっている。また、男の気づかないディテールにも気を配ることが得意なのですから。
こういう男性上司なら
質問B:女性にとって、こういう男性上司なら、力を発揮できると思われる資質を挙げてください。
“自分にはない能力を重要ではないことと切り捨てずに、生かすことができる懐の広さがある上司”“有能な点は誰にでもあるけれど、それを男女の差ではなく、個人の差として受け止め、指示、教育してくれる上司”
“女性はわがままなので、男性と同じような扱いをして欲しいときと、そうでないときがある。アメとムチを上手に使い分ける”
これは、女性に限ったことではありません。有能な点を、年齢性別の差ではなく、個人の差として受け止め、指示、教育してくれる上司。
こういう意見が多いということは、ガチガチ男な上司がまだまだ多いと、想像されます。いかがでしょうか、御社は?
男性部下とは?
質問C:女性が上司の場合、男性部下との対応はどのようにするのがいいと思いますか。その成果は?
“男性はプライドが高く、自分のことを自慢したがったり、すぐに認めてほしがりますので、そいういった事は否定しない。むしろ、男性の“前に出る力”を活用し大事なことは自分で決断をして責任を取る姿勢を持つ”
また、“世の中的に、女性上司に対するイメージは感情的なので、そうならない、むきにならない”
女性はちゃんと自分のことをよく知っています。驚きました。それでも、いまだに女性上司を面白く思っていない男性社員が少なからずいることも事実。女性管理職が少ないのは、そういう社会心理が大きな要因の1つであることは間違いないでしょう。
女性首相の利点は?
質問D:女性が、企業の社長や首相になったとしたら、その利点は?また、いままでとどんな違いが出ると思いますか?
質問E:日本社会で、女性進出が本当の意味で達成したときは、どんな変化が生まれると思いますか?
これ、難問だったようです。私もあえて質問したのですが。
私の広告代理店経験から思い出してみると、なぜ、女性の力が日本社会で発揮されにくいのでしょうか? たまにお見かけすると、やはり肝っ玉タイプの強い女性。男の中で生きていくための方法論だったのかもしれません。
今回答えていただいたことをまとめると、現状では日本社会は「Not ready」。時期尚早が本音でしょうか。それでもすてきな意見が多かったです。
“アルバイトやパートさんといった庶民の現場にまで、家庭でもママが働いてパパが主婦する、のが今よりも普通な感じになるとか。男性も自由になって個性が生かせるようになるのでは?”
またこんな意見も。“実はあまり女性がトップに立つのは好きではないです。なぜなら、今この時点で社長や首相になりたがる女性は男性的だから。もう少し女性は女性らしい部分を持ってそれを認められた人が出てくるのであれば、トップに立ち、その価値観で統率できると感じています”
つまり、誰が子育てしてもいいし、仕事が時間で計られなくなり、本当の多様な仕事のあり方が生まれるかもしれないということ。イクメンも専業主婦という名詞も死語になっているでしょう。
一度、試してみたい社会ですね。
何か言いたいことありますか?
質問F:そのほか、このイシューに関することで、自由にご意見をいただけますか。
“20代女性は、30〜40代の働く女子を見て憧れていないので、専業主婦が夢になってきている。そこまで男性化して働くなんて嫌だ、女性らしさを捨てるなんて嫌だ、と内向き傾向。もっとボーダレスで、フェアで、心がグローバルな日本にならないと、変わらない”
“女性がわがまますぎる点もよく見かけます。主張はするものの、仕事が嫌になりうまく結婚退職するとか、どうせ結婚したら辞めるし!などの発言を正々堂々と裏では話している”
“男女ともに日本社会は「大人」になりきれていない点に根ざしているような気がします。素晴らしい女性社長もいらっしゃる反面、企業の志はすばらしいのに女性ならでは嫉妬の固まりのような女性経営者も少なからず見かけます”
ここでは、女性自身の問題もきちんと指摘されています。ちゃんと自分たちのネガな面も理解していてすばらしいと感じました。
変わらない男社会が故に、最後は結婚して専業主婦にでもなりたいという女性が結構いることも事実と。
また、わがままなことだけ言ってあとは知らんぷり。女性だけで集まって愚痴大会。がんばりすぎないで仕事をする、など女性のあきらめにも似た態度があることが変わらないことの理由になっていると。
しかしその一方で、女性にしかできない子育てと仕事の両立への意欲も大きい。また、がんばるために準備と努力を惜しまない意欲的な女性も増えていることも指摘。
女性はしがらみが少ないので、とにかく新しいことを恐れない。このトライ精神こそ、女性が持つ大きな魅力なんです!と。
さて、アンケートの結果はいかがでしたでしょうか。改めて驚くようなことはそれほどありません。再確認のようなものですが、これらは男性へのメッセージのような気がしてなりません。
今こそ変化のとき!イノベーションを起こそう!クリエイティブに!と叫ぶのはみんな男。実は、女性は叫ぶ前に上手にやりこなしているのです。
今回のアンケートで分かった一番のことは、女性は圧倒的に自由であるということ。裏返せば、男は不自由。その不自由さに縛られながら、もがいても縄はほどけるはずもありません。
男とか女とか区別するのをやめにして、個人と個人を見る。これこそが、女性活用ではなく「人の生かし方」。
今は何でもかんで手取り足取り。男の大好きなマニュアル世界です。これでは、個が育つはずもありません。
まずは、すべてをスクラッチに。幸いなことに、男は不自由な状態なのですから、どうすれば呪縛から放たれるか。自力で考えてみる。良いチャンスです。
他力から自力へ。それこそが、新しくはじめて訪れるすてきな社会。さて、その道へ乗りだしてみましょうか。
マーケティング・ゼロ
メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか? これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130422/247036/?ST=print
第95回】 2013年4月24日 高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
黒田ビッグバンで史上最低金利、活用は「今でしょ」
「おコメ」の味は薄すぎ、
投資家は「自炊」への発想転換も
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト
「黒田ビッグバン」で史上最低金利
今年2月に日銀新総裁に黒田氏の指名が決まったとき、筆者に「ドリームチームだ」と語った海外投資家は、4月4日の黒田総裁が率いる日銀の決定を「Kuroda big bang、最高のプレゼントだ」とした。
かねて筆者が世界の中央銀行の「金融緩和オリンピック」と言っていることを受け、「今回のオリンピックの勝者は日本だ」と評価し、海外投資家をも十分に満足させるものだった。
4月5日に日本の10年国債金利は一時0.315%と、2003年6月に記録した0.43%を下回る日本の10年長期金利の最低値を更新した。これは、人類史上始まって以来の最低水準でもある。
今月4月2日に、米国でレンジャーズのダルビッシュ投手は完全試合を逃したが、4月5日に日本の市場参加者は歴史的瞬間に立ち会ったことになる。もとより、今日、日銀が行うインフレターゲットは、これまで各国中央銀行で行われてきたが、デフレに対処した対応は金融史上初と言ってよく、「金融政策の革命」に近い。
今や「おコメ」の味は薄すぎる
国債を中心とした債券は、多くの金融機関にとって運用の「おコメ」、「主食」として筆者は過去10年以上にわたって重視してきた。「おコメ」の味はキャリーとしての長短金利差にあるが、昨今、長期金利の大幅低下の環境下、「おコメの味」は随分と薄くなってしまった。
先に示したように、4月5日に10年金利は一時、0.315%まで低下した。このような極端な水準では、O/N金利との長短金利差は0.2%程度となる。それ以前の最低金利であった2003年の0.43%のときはゼロ金利政策下だっただけに、長短金利差は0.43%あったことからも、大きな差である。
足下で10年金利は0.6%前後に戻ったが、長短金利差は0.5%程度と過去最低水準の「極めて薄い味」である。その結果、「おコメ」で「栄養」を確保しようとしたら、「量」を拡大するか、もしくは「質」の観点から一層長期のゾーンで対応するしかない。
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今や「外食」や「おかず」も必要に
金融機関の運用においては、日本の「おコメ」だけでは栄養が不足することから、「外食」として海外の主食である米国の「パン」と言える米国国債、かなりの選別は必要だが欧州の「パン」や「パスタ」と言える欧州国債への流れも生じ得る。
外債投資は、機関投資家にとって注目の的となるだろう。また、もっと味が濃い「おかず」として民間クレジット商品である株式や不動産関連商品などにも関心を広げることが必要になる。
いくら味が薄くても国債を主食として食べる必要があるが、金利リスクヘッジの観点からも、エクイティ性のものを「おかず」として取り入れる工夫が2013年度の課題になる。金融緩和環境下、資産価格上昇が見込めるだけに、株式や不動産へのいち早い取り組みは大きな課題だ。
常に国債が主食だったわけではない
貸出は「お袋の味」
そもそも、バブル崩壊前までの「主食」は貸出の形態をとったクレジット資産であり、当時はあくまでも代替運用手段が余資運用とされた国債であった。しかし、バブル崩壊後のマネーフローで企業セクターが資金余剰に転じ、資金需要のある不足セクターが政府と海外しか残らなかったなか、政府への資金需要に応える国債運用が実質的「主食」になったのが、この20年である。
ただし、本来「主食」は貸出であっただけに、貸出へ回帰できればそれに越したことはなく、過去20年忘れかけた「お袋の味」でもある。それも日銀発表の2月の貸出金利(新規約定金利)で、長期(1年以上)は史上最低金利水準である0.942%にまで低下した状況にある。
民間投資家が自ら運用手段を
つくり上げる「自炊」が必要に
今回の日銀の金融緩和に伴う債券市場の状況は、日銀による国債市場の「クラウドアウト」であり、同時に日銀はあえて史上最低の金利を付け、金利の「底値」を意識させ、生態反応を失っていた資本市場を「覚醒」させようとした。
それでも、資本市場では資金需要は生まれないというのが多くの市場関係者の認識であろう。ただし、今後の金融機関の運用は、世の中にある「余った」「おコメ」を食べる行動から、自ら「自炊」していかに自らが食べる主食を企業と一緒につくり上げるか、また、アセットファイナンスとして金融商品をつくっていくか、さらに新たな次元の運用手段を模索することへの転換点を迎えている。
債券市場は、市場にあるものを運用する運用者側の時代から、投資家も資金需要者と一体になって運用商品をつくり上げる時代へのレジーム転換、そのために多様なリスクに向けたインフラ整備が改めて必要になってきた。
黒田新日銀は「持っている」
筆者は、今回の黒田総裁率いる日銀の対応は、従来と異なり実際に効果を示すのではないかと前向きに評価している。それは、今回の対応がより期待に働きかけるレジーム転換にあることに止まらず、より重要なのはその恵まれた「タイミング」にある。
アンシャンレジームの白川体制は、2007年以降の欧米のバランスシート調整の真只中で、たとえその時期に自国通貨を切下げることが本音の「金融緩和オリンピック」に参加しても、事実上の目的である為替市場での得点は稼ぎにくかった。
しかも、そのルールは米国が決めているなか、日米関係の「失われた3年」も加わり、為替円高回避は困難だっただろう。一方、今回は異なるタイミング、すなわち、米国の2007年以降の調整が6年を経過し調整も終盤になり、日米関係好転も加わり為替円安への流れができている。ここでマインドさえ変えれば、回復を後押しすることが初めて可能になる。
バトンは日銀から
政府と民間に渡された
今後、政府による財政政策と成長戦略が加われば、少なくとも経済の底上げは可能になる。今回、「黒田ビッグバン」で日銀に期待されていたことが全て行なわれたことで、バトンは政府に渡されたと見るべきだ。
4月4日の日銀の声明文にあるように、政府は財政規律も含めた国債市場の安定に向けた条件整備、さらに成長戦略が不可欠になる。同時に、次のバトンは民間にも渡された。これだけの低金利をレバレッジとして活かすかどうかの裁量は、民間企業の決断に委ねられた。
まさに、企業は社債などの資金調達も含め、「今でしょ」をキーワードに史上最低金利を活用するかどうかの判断が迫られる。今年のような史上最低金利になれば、それ以上の条件で調達できる可能性は極めて低い。
企業と投資家が「今でしょ」と
意識することがデフレ脱却に
ここで、仮に不動産の価値が上昇するとしたら、また先行き期待が改善するとしたら、借入を行うのにこれ以上良い環境は歴史的にもない。なぜなら、ゼロ以下の金利水準で資金の調達はできないからだ。「資金を調達するのはいつか」の問いかけに、まさに「今でしょ」と皆が意識したとき、資産デフレの環境は大きく転換することになる。
日銀の黒田総裁は、「異次元」とされる金融緩和であえてこれ以上下がらないレベルの金利水準、金利の底値感を示そうとしたのではないか。こうしたショック療法で、企業と投資家に両面から刺激を与えようとしたと考えられる。
http://diamond.jp/articles/print/35131
【第211回】 2013年4月24日 成瀬順也(大和証券チーフストラテジスト)
個人の市場参加で活況の日本株
失速する新興国株と欧州株
株式市場の活況が続いている。東証1部の売買代金は4月15日まで8営業日連続で3兆円を超えた。2007年7〜8月以来の連続記録である。投資家別に見ると、主役は個人と海外。残念ながら国内機関投資家は元気がない。
個人投資家は、4月第1週(1〜5日)に差し引き6518億円を売り越した(東京・大阪・名古屋3市場の1・2部等合計)。06年4月第1週以来となる巨額の売り越しである。しかし、これをもって個人投資家が弱気と決め付けるのは軽率だろう。
個人投資家はもともと逆張り姿勢が強く、株価の上昇局面では売り越しとなりやすい。最近はIPO(新規株式公開)市場やPO(公募・売り出し)市場が好調なため、こうしたファイナンス銘柄を入手した(この分は買いに含まれない)個人投資家による利益確定売りが膨らんでいる面もある。
加えて、株価の急回復により、これまで長期保有を余儀なくされていた投資家から「やれやれの売り」が出ているとみられる点も見逃せない。塩漬け株の呪縛が解け、久々に株式市場に復帰しつつある個人投資家も少なくないのではなかろうか。
実際、筆者の経験でも、このところ申し込み段階で満席となる個人向けセミナーが続出するなど、個人投資家の熱気が感じられる。従来6〜7割程度だった申込数に対する実際の参加率が、9割を超えるケースも増えている。会場では、熱心に話を聞きメモを取る姿が目立つようになってきた。
昨年10月前半には15%台にとどまっていた個人投資家の売買シェアが、今年に入ってからは25〜30%に跳ね上がっている。ネットの売り越し・買い越しだけに目を奪われていると本質を見逃しかねないだろう。グロスの売買代金から読み取れる力強さと併せて判断したい。
もう一つの柱である海外投資家については、3月第1週に史上初めて買い越し額が1兆円を突破。さすがに毎週1兆円ずつ買い越すのは現実的でなく、連続買い越しは18週でいったん途切れたが、足元では再び2週連続の買い越しとなっている。
海外投資家の水源の一つである米国のファンドへの資金流出入を見ると、日本株ファンドは昨年11月に純資金流入に転じた後、流入額が拡大。2月中旬以降は高水準の流入が続いている。特にiシェアーズのMSCI日本株や、ウィズダムツリーの為替ヘッジ型日本株などのETF(上場投資信託)が人気を博している。
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一方、欧州株ファンドは2月中旬から、新興国株ファンドは3月から、それぞれ急失速。日本株の人気が際立つ格好となっている。
かつて日本株パッシングなどとやゆされたように、安定成長期待の米国株と、高成長期待の新興国株やハイリスク・ハイリターンの欧州株を組み合わせる手法が一般的な時期があった。今や、米国株と日本株の組み合わせが、特性が両極の関係にある商品を購入するダンベル型投資で最も有望なものだろう。
(大和証券チーフストラテジスト 成瀬順也)
http://diamond.jp/articles/print/34963
【第3回】 2013年4月24日
デフレ脱却は年金財政には福音
だが、それでも年金改革は必要だ
――日本総合研究所上席主任研究員 西沢和彦
真に社会保障制度改革に向き合えば、誰かしらから異論が出てくるはずである。それは、改革とは、限られた予算のもとで、既存の負担および給付構造を変えることとなるためだ。例えば、年金受給世代に追加的な負担を求め、それをもって、将来世代の負担を抑制するとなれば、年金受給世代から不満の声が出てくるであろう。あるいは、医療費の効率化を図るため、提供体制を改革すれば、病院、診療所、薬局などのなかから反発が出てくるであろう。誰にとっても丸く収まる改革などあり得ない。
そうした観点からすると、安倍政権が、真の意味での改革に向き合うのは、これからなのだと言える。では、安倍政権は、社会保障に関してどのような課題に取り組まなければならないのかを、3回にわたって考える。第1回目は年金改革を取り上げる。
にしざわ・かずひこ
日本総合研究所調査部上席主任研究員。1989年3月一橋大学社会学部卒業、同年年4月三井銀行入行、98年より現職。2002年年3月法政大学修士(経済学)。主な著書に『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、11年6月)、『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社08年4月、第51回日経・経済図書文化賞)など。
アベノミクスによって、わが国がデフレを脱却し、消費者物価上昇率2%が確保され続けるならば、それは年金財政にとって福音となる。2004年の年金改正で導入されつつ、当初の意図に反し、今日まで全く機能していないマクロ経済スライドがいよいよ機能し出すためだ。マクロ経済スライドとは、いわば、インフレを利用し、政府が国民に負う年金債務を実質的に削減していく仕組みである。
もっとも、デフレ脱却に向けた取り組みと成否にかかわらず、早晩、安倍政権は年金改革に向き合わなければならない。デフレを脱却しマクロ経済スライドが機能するということは、例えば、個々の年金受給者にとって給付水準の低下を意味する。その影響度合いを広く共有した上で、必要に応じ低年金者対策など手当を講ずる議論が必要である。あるいは、デフレが続く場合に備え、マクロ経済スライドが機能するよう万全を期しておくことも必要である。
現時点、政府内において年金改革はほとんど課題として上っていないものの、2014年には、年金財政の定期検診ともいえる5年に1度の財政検証が予定されている。そこでは、新しい将来推計人口、経済前提のもと年金財政の将来像が更新される。この第2回財政検証が、そうした改革の1つの契機となり得るはずである。
デフレ脱却は
年金財政にとって福音
デフレ脱却、しかも、消費者物価上昇率2%は、年金財政にとって待ちに待った経済状況の到来といえる。2004年の年金改正で導入されつつ、当初の意図に反し、今日まで全く機能していないマクロ経済スライドが、それによっていよいよ動き出す環境が整うためである。マクロ経済スライドが動き出せば、段階的に年金給付水準が抑制されていく。給付抑制は、著しい高齢化が進むもと、現役世代から年金受給世代への所得移転である賦課方式を基本とする年金財政にとって、持続可能性を確保するために不可欠である。
マクロ経済スライドの仕組みを簡単におさらいしておこう(詳しくは「税と社会保障抜本改革入門」第4回を参照)。スライドとは、年金の給付額を改定することである。もともと改定の本則は、賃金スライド、物価スライドである。すなわち、前年の賃金上昇率、物価上昇率に応じ、翌年の年金額が改定される。具体的には、新たにもらい始める年金(新規裁定年金という)は賃金上昇率に、既にもらい始めた年金(既裁定年金という)は物価上昇率に応じてそれぞれ改定される。
マクロ経済スライドとは、こうした本則を一定期間棚上げし、本則に修正を加えて改定を行っていくことである。新規裁定年金の場合、(賃金上昇率−α)、既裁定年金の場合、(物価上昇率−α)で一定期間改定していくことにより、段階的に給付水準を抑制していくのである。αは正式には「スライド調整率」といい、0.9ポイントとしてしばしば言及されるものの、実際にはそうした確定値ではない。スライド調整率は、次のように定義され、毎年変化する。
スライド調整率=|被保険者の減少率実績値|+0.3 (||は絶対値)
例えば、2020年、30年、40年のスライド調整率は、それぞれ0.9、1.2、2.0ポイントと推計されている。ちなみに、定義から分かるように、GDP(国内総生産)やNI(国民所得)などといったマクロ経済指標とは直接的関係はない。
このマクロ経済スライドには、重要な「縛り」が加えられている。それは、賃金上昇率、物価上昇率からスライド調整率を差し引いてマイナスになった場合においても、マイナス改定はしない、すなわち、前年の名目年金額はあくまで維持することとされたのである(賃金上昇率、物価上昇率そのものがマイナスの場合、その分はマイナス改定する)。その背景は、マクロ経済スライドが確実に機能することよりも、2004年改正そのものの年金受給者の受け入れやすさを、政府が優先したためであろう。
こうした「縛り」がかけられているため、マクロ経済スライドは、デフレ下では全く機能せず、小幅な物価上昇幅では充分に機能しない。2004年改正時、物価上昇率1.0%、賃金上昇率2.1%という経済前提のもと、マクロ経済スライドは順調に機能していくと想定されていた。しかし、実際には、マクロ経済スライドは、今日まで機能せず、過剰な年金給付が続いている。それは想定以上の積立金取り崩しという形で、将来世代へのツケ送りとなっている。
マクロ経済スライドが
動き出した場合のインパクト
デフレ脱却によって、マクロ経済スライドがいよいよ動き出すとなれば、年金財政の持続可能性を高めるという観点から好ましい。翻って、個々の年金受給者の側に立てば、良いニュースではない。賃金スライド、物価スライドが棚上げされてしまうからだ。
賃金スライドがあるからこそ、新規裁定年金の水準が現役世代の賃金の伸びに追いついていくのであり、物価スライドがあるからこそ、既裁定年金の購買力が維持されるのである。マクロ経済スライドが動き出せば、これらは保障されなくなってしまう。それがいつ終わるとも知れず続くこととなる。
では、それはどの程度のインパクトであろうか(図表)。新規裁定年金を例にみてみよう。政府による最新の年金財政の将来推計は、2009年の第1回財政検証のものである。これに基づいて、将来の新規裁定時の年金給付額を計算し、現在の年金額と比較すると次のようになる。平均的な賃金で40年間、厚生年金に加入する男性サラリーマンを想定する。現在は、全国民共通に給付される基礎年金が満額で月6.6万円、報酬比例部分が月9.2万円、計15.8万円である。
2038年度には、「現在価値」に引き直して、基礎年金4.8万円、報酬比例部分8.4 万円、計13.2万円となる。2038年度とは、マクロ経済スライドの適用最終年限(すなわち本則の棚上げ期間の最終年限)として、第1回財政検証で想定されていた年である。とりわけ基礎年金が6.6万円から4.8万円へ1.8万円落ち込むことが目を引く。実際には、基礎年金も報酬比例部分も、より低い水準になるとみるべきであろう。
なぜなら、このような落ち込みをみせる額であっても、好調な経済のもとではじめて成り立つ計算であり、加えて、この間、積立金も減っていためである。第1回財政検証は、消費者物価上昇率1.0%、賃金上昇率2.5%、積立金の運用利回り4.1%などの経済前提を置いて計算されており、それによって、マクロ経済スライドは2038年度を持って終えることができる。実際には、こうした経済が実現するかどうかは分からない。
加えて、積立金もこの間、120.8兆円(2009年度末)から111.5兆円(2011年度末)へと約9兆円減ってしまっている。以上は新規裁定年金であるが、既裁定年金についても、マクロ経済スライドが適用されている期間、年金の購買力が低下し続けることになる。
このように、マクロ経済スライドが動き出すことにより、確かに、年金財政にとって福音となるが、では、社会保障制度として国民のニーズに適切に応えているのかといえば、疑問符がつく。特に基礎年金である。満額で月4万円そこそこの基礎年金では、「基礎」年金の名に国民が寄せる期待との乖離が著しいだろう。高齢者の貧困率も一段と高まるであろうし、現役世代にとっても、保険料納付インセンティブの一段の後退をもたらすこととなろう。年金財政の収支を合わせていくことはもちろん重要だが、他方、制度のあり方の議論が併せて必要となってくる。
デフレが続く場合にも備えを
将来世代へのツケ送り拡大回避
デフレ脱却に至らなかった場合も視野に入れる必要がある。デフレが続く、すなわち、これまで通りマクロ経済スライドが機能せず、積立金が想定以上にさらに取り崩されていった場合、そのツケは将来世代にしわ寄せされることになる。積立金を前倒しで使ってしまうということは、将来世代の一段の負担層・給付減を意味する。将来世代へのツケ送りを拡大しないよう、現在に生きる世代は、万全を期しておかねばならない。
具体的には、まず、マクロ経済スライドの仕組みにおいて、前年の名目年金額割れを許容するよう年金法を改めておくことである。次いで、それでも足りなければ、支給開始年齢の引き上げなど他の方策の組み合わせも必要となってこよう。これらは、野田佳彦前政権が進めた社会保障・税一体改革において、改革メニューのなかに当初掲げられつつ、法案化以前に、具体的な議論にも至らなかったものである。今度こそ、着実に議論が進められなければならない。
こうした改革の契機となるのが、2014年に予定される第2回の財政検証である。財政検証とは、5年に1度行われる年金財政のいわば健康診断であり、将来推計人口、物価上昇率、賃金上昇率、積立金の運用利回りなどに一定の前提を置いて、今後約100年間の年金財政の姿を推計する作業である。前回は2009年2月に行われ、前述の経済前提のもと、「100年安心」という言葉こそ使われなかったものの、実質的には100年安心が宣言された。将来推計人口は、既に2012年1月に公表されており、残るは物価上昇率などの経済前提であり、こちらは、厚生労働省の審議会で検討が進められている。
もっとも、「改革をする」という政治の意思がなければ、何事も始まらない。現在の年金法は、マクロ経済スライドが効いて年金給付水準が下がり過ぎそうな場合には、それを食い止めるための措置を政府に求めてはいるものの、現在のようにマクロ経済スライドが機能しておらず過剰給付が発生していても、その早期是正を政府に求める内容とはなっていない。政治がやると決めなければ、改革に向けた議論は動き出さない。
改革などされずやり過ごされるシナリオも考えられない訳ではない。第2回財政検証においても、アベノミクスが目標とする経済シナリオに歩調を合わせ、例えば、消費者物価上昇率2%(第1回財政検証時+1%)、賃金上昇率3.5%(同)、運用利回り5.1%(同)といった経済前提を置き、100年間の年金財政の将来像を描いて、「やはり100年安心でした」ということを確認して終わってしまうことともなりかねない。
安倍政権が年金改革を躊躇するとすれば、理由は複数想像できる。2004年に「100年安心」と宣言してしまった手前、10年そこそこで法改正などできない、それでは100年安心がウソになってしまう。年金受給者にとって厳しい法改正をすることで3000万人の高齢者を敵に回すことはできない。あるいは、消えた5000万件の年金記録問題など、第1次安倍政権の足を引っ張った記憶も脳裏をよぎるだろう。もっとも、政権は躊躇することなく、将来世代の利益を視野に入れ、改革に踏み出すことが求められている。
http://diamond.jp/articles/print/35132
第19回】 2013年4月24日 山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]
お金が最強のコミュニケーション・ツールなのは
最も抽象的で匿名性が高いから。絶対に消滅しない
ゲスト:岩井克人・東京大学名誉教授【後編】
お金の登場によって社会はどのように変化してきたのか?そして、お金自体の存在意義や役割は時代とともにどう変化していくのか?東京大学経済学部名誉教授・岩井克人さんと、『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』の著者・山口揚平さんの対談は、いよいよ「お金とは?」というテーマの核心に迫る。
お金がなくても成り立った、かつての「贈与社会」
山口 お金を使うという行為が純粋な投機であるとは、かねてから先生が貨幣論において展開されてきた説ですね。
岩井克人(いわい・かつひと)1947年生まれ。東京大学経済学部卒業、マサチュセッツ工科大学Ph.D.イェール大学助教授、コウルズ経済研究所上級研究員、プリンストン大学客員准教授、ペンシルバニア大学客員教授、東京大学経済学部教授等を経て、現在、国際基督教大学客員教授、武蔵野大学客員教授、東京財団上席研究員、東京大学名誉教授。著書に、Disequilibrium Dynamics(日経図書文化賞特賞)、『ヴェニスの商人の資本論』、『貨幣論』(サントリー学芸賞)、『二十一世紀の資本主義論』、『資本主義を語る』、『会社はこれからどうなるのか』(小林秀雄賞)、『資本主義から市民主義へ』ほか多数。(写真・住友一俊)
岩井 そうです。純粋な投機だからこそ、インフレが進んで将来的にその価値が下がっていくと予想すると、誰も受け取らなくなります。すると、いっそう価値の低下に拍車がかかるという悪循環が生じ、ハイパーインフレへと至ってしまいます。お金は純粋な投機ゆえに、こうした危うさを秘めているわけです。
山口 一般的にはあまり目が向けられていませんが、日頃から私は世界の実体経済の何倍に相当するマネーが供給されているのかを注視しています。実は、リーマンショック前には、通常の8〜10倍もの規模になっていました。そこまで達するとバーストして金融収縮が発生するわけですが、お金は交換価値が高いだけにしばらくすると再び増えていって、やがては実体経済を大幅に上回る規模まで膨らみ、またもやバーストしてしまう。その繰り返しになっていると感じるんですよね。
岩井 お金そのものと金融とは違うものだと私は思います。先程、株式のみならず商品先物取引や金融派生商品にしても、最終的には実需に結びついているという話をしたとおり、金融の場合は、必ずどこかで実体経済とつながっています。そして、あまりにも投機マネーが膨らんで実体経済とかけ離れた状況になってくると、バブルが弾けて実体経済に収れんしていきます。ところが、お金の場合は、実体経済のどこともつながっていないんですね。ですから、お金に関しては、自由放任主義は不可能で、中央銀行によるコントロールが必要になるのです。
山口 資本主義社会とは、お金でコミュニケーションを図る世の中なのだと私は考えています。そして、お金は史上最強の言語であるとも思っています。なぜなら、それは世界共通の数字によって表現されているからです。
一方で、値段だけで単純比較されがちだという弊害も抱えています。私が考える資本主義の1番の問題点は、世界があらゆるものを数字で評価するようになってしまったことです。たとえば、私が大切にしているこの手帳と、先生が長年の研究をもとに書かれた本の定価が仮に同じだったとします。たとえ同じ値段であっても、それぞれの本当の価値に対する評価は、おのずと人それぞれで違ってくるものですよね。でも、それら文脈をすべて無視して、お金という数字はあらゆる価値を「匿名化」してしまう、そうした特性がお金に対する根本的な嫌悪感にも結びついているような気がします。私たちが、物の価値や文脈を生で伝えるために、贈与経済的なものを志向するには、貨幣が持つこの「数字」という鋭利なメディア特性の弊害があるのではないでしょうか。
岩井 山口さんは若いからイメージしづらいかもしれませんが(笑)、私の両親や祖父母はまだ昔ながらの共同体社会の意識を持って暮らしていました。わたしは、その息苦しさから何とか抜け出したかった。
フランスの文化人類学者のマルセル・モースが代表著作の「贈与論」において指摘していたように、完全な自給自足は不可能です。人間とは必然的に他人と交換しなければ生きていけない社会的な存在であり、交換こそ人間の本質であるとモースは説いたわけです。未開の社会でも近代社会でも人間は交換してきた。
違いは、交換の形です。近代以前は「贈与交換」という形をとり、近代に入ってお金を媒介とした交換となっただけです。近代以前の「贈与交換」については、確か山口さんもご自分の著書の中で触れていましたよね。
山口 はい、お金の限界について指摘する際に取り上げました。「贈与社会」が現代に蘇ってくるのではないかという話です。
岩井 最初は相手にモノをあげて好意を示し、その恩に応えてお返しがあれば、またモノをあげるというやりとりが繰り返されていくのが「贈与交換」で、贈与が交換を生み出しています。お互いの信頼関係によって支えられているわけで、きちんと返さない人は「敵」とみなされる。ところが、お金が生まれると匿名性の社会に変わる。人々は互いに相手のことを知る必要がなくなりました。お金さえ払ってくれれば、見ず知らずの人であろうが異民族であろうが敵であろうが、滞りなく交換が行われるわけです。
山口 相手ではなくて、お金を信用している、ということですね。
岩井 正確にいえば、お金を支えている社会の持続性さえ信用すればいい、ということです。社会主義者であるモースは、そのような貨幣社会から贈与交換を取り戻したいと考えていたが、それはともかく、人間関係が希薄になって水臭くなり、貧富の差も生じる。だから、人間は本能的にお金が嫌いです。
人間の究極的な目標である幸せはお金では買えない…
山口 お金を通じた貸し借りと贈与による貸し借りを単純に比較すれば、効率性においては前者のほうが明らかに勝っています。けれど、お金の場合は数字を捉えるという脳内処理だけの判断となって、文脈を読み取ったり心を含めた身体感覚全体で受け止めたりすることが難しい。数字による交換という効率性を追求した結果、むしろ人間としては非効率な交換になってしまっているのではないでしょうか?
岩井 そうですね。人間は絶えず交換している生物で、コミュニケーションにしても言葉を互いにやりとりすることで行っています。お金が登場したことで、確かに「交換」は非常に容易になりました。最初のうちは金や銀を使い、そのうち国家の権威を後ろ盾にするようになって、最近ではほとんど記号だけのやりとりと化してきています。その結果、人間はつねに他人との接触を求めているにもかかわらず、交換の喜びが失われてしまった。円滑な交換のためにお金は生まれてきたわけですが、クリック1つで取引できる世の中となって、交換が交換とは自覚できないほど抽象化してしまった。大昔の交換とは、酋長を筆頭に島の住民全員が参加して盛大な儀式や踊りを繰り広げながら行われるものでした。お金の登場でこうしたものが失われてしまったわけです。
山口 お金が人と人との関係を希薄化してしまったということですね。
岩井 以前、堀江貴文さんが「お金で買えないモノはない」と発言してヒンシュクを買っていましたが、実はそれは産業資本主義に関しての意外と的確な表現でした。かつて産業資本主義の時代では、工場を建設し、機械を備えて大量生産を行えば大きな利潤が得られました。これらはすべてモノですからお金で買える。つまり、お金を持っている人が勝者になる時代だったわけです。
堀江さんはまだその古いイメージを語っていたのですが、今はすでにポスト産業資本主義の時代で、もはや機械制工業は重要でなくなっています。肝心なのは人の創造性で、ここで重要なことは、人はモノではないということです。人はお金では買えません。ということは、お金の価値が弱まり、お金を持っている人が投資先を失って右往左往しているのが現状なんです。それで、先進国の人びとは新興国の安い賃金に目をつけて産業資本主義の復権を図ったり、リスクをとって金融派生商品に資金を投じたりしているわけです。
山口 お金ではけっして買えない創造性に秀でた人にとっては、活躍のチャンスが拡がる社会とも言えますね。
岩井 そう、グーグル、そしてフェイスブックのようなソーシャルメディアがその典型ですね。こうした新しいメディアは人びとに共感を与え、交換活動を与えています。その結果、人びとはお金で買えない何かにしか価値を見いだせなくなり、それらをいっそう欲しくなっていくわけです。
山口 若い世代で優秀な人ほど、センター試験の足切りのような感覚でお金のことを考えている気がします。お金はある時点までは必要だけれど、これ以上の人生の価値は買えない、と完全に切り離して考えているんです。そして、人とのつながりや信頼関係、共感といったお金で買えないもののほうを非常に大事にしています。
確かに産業資本主義の時代に数字は非常に使いやすかったし、お金は脳で考える最強のメディアかもしれませんが、衣食住を維持するための最低限の出費を除けば、もはやその必要性は薄れてきています。お金に代わってどんな新しいメディアが僕たちの交換を支えるのか?僕自身、その解はまだ見つかっていないというか、すでにあるのか、それともまだ存在しないのかもよくわからないんですが、いかがお考えですか。
岩井 解がないということが、まさしく本質なのですね。お金が最強なのは、最も単純で抽象的だからです。電子マネーが象徴するように、ただの数字ですから。しかもまさにその匿名性によってどのような人間とも繋がる「自由」を与えてくれますから、絶対に消滅しません。
その一方で、人間の究極的な目標はけっしてお金で買えません。事実、古今東西のあらゆる文学は、お金で幸せは買えない、と訴え続けてきました。ただ、その真理を知るためには、最低限のお金で衣食住を満たさなければならない。新興国の場合はその最低限のお金にも窮してきましたから、まずはお金を稼ぐことに目が向いている。そして、一定の成熟水準に到達してはじめて「お金で幸せは買えない」という真理を知る。逆説的ですが、お金では幸せを買えないことを知るためにはまさにある程度のお金が必要なのです。日本人もかつての高度成長期に、しがらみだらけの共同体社会だった田舎から逃れ、豊かさを求めて上京してきたものの、都会の孤独の中でお金で幸せは買えないという文学を書き始めたりする……。
山口 面白いことに今はその時代とは対照的で、僕たち世代を中心に東京から地方へとどんどん散っているんですよね。そして、地方でまた新しい共同体を作ろうとしている。面倒な物々交換をやりながら、あえてしがらみを作っているんです。逆の動きが加速しているというのは、非常に興味深いですね。
先生、今日は非常に有意義なお話を伺わせて頂いて、本当にありがとうございました。
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これからを幸せに生き抜くための新・資本論
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2013年04月24日
ピーター・ブレグマン CEOおよびリーダーにアドバイスを行う戦略コンサルタント。
やめる方法と、やめるべき理由
複数の作業を同時にこなすと、仕事の効率は上がるのか――賛否両論のこの問題を、ブレグマンが複数の研究と自身の経験をふまえて論じる。マルチタスクとは、実は作業を瞬時に切り替えているだけの「スイッチタスク」であるという。
私が加わっているNPOの実行委員会と、電話会議をしている最中のこと。私は別のクライアントにメールを送ろうとしていた。
わかっている。懲りない人だなあ、と読者の皆さんは思われるのだろう。先週、私は「運転中の携帯電話は危険」という記事を書いたばかりだ(未訳:英文記事はこちら)。でも今回は車の中ではなく、安全なオフィスにいるのだ。なにか問題があるだろうか。
というわけで、私はクライアントにメールを送った。しかしファイルの添付を忘れたことに気づいて、もう1通送った。さらに3度目のメールで、添付ファイルが相手の求めていた内容とは別のものである理由を説明した。そして電話会議へと意識を戻した私は、委員長から私に向けられた質問を聞いていなかったことに気づいた。
誓って言うが、大麻を吸って頭がどんよりしていたわけではない。しかしそれと同じような状態だったかもしれない。ヒューレット・パッカード発表の調査結果によれば、人は仕事中にメールや電話によって邪魔される時、IQが10も下がるという。このIQ(思考力)の低下は徹夜明けの時と同等であり、大麻吸引時の2倍に匹敵するというのだ。
複数のことを同時にやれば、より多くを達成できる――これは私たちの思い込みにすぎない。それによって生産性は最大40%も下がるという研究結果がある。人は本当のところ、マルチタスクを行っているわけではない。「スイッチタスク」、つまりひとつのタスクから別のタスクに素早く切り替えているだけだ。これによって自分の集中力を自分で非生産的に妨げ、時間を無駄にしているのだ。
自分はそうじゃない、と思う人もいるだろう。今までさんざんやってきたから大丈夫、訓練によって熟達している、という理由で。
でも、それは間違いかもしれない。ある研究によれば、重度のマルチタスク従事者は軽度のマルチタスク従事者に比べて、物事を同時に処理する能力が低いという実験結果が出ている。別の言い方をすると、マルチタスクをやればやるほど下手になるということだ。他のあらゆる物事と違って、訓練があだになるのだ。
そこで、私は実験をしてみることにした。1週間マルチタスクをしなかったら、どうなるだろうか。どんなテクニックが役に立つのか。1つのことに、これほど長く集中できるのか。
大部分において、それは成功した。電話をしている時は、ただ話し、聞くことだけに集中した。会議中は、他に何もせず会議に集中した。メールやドアのノックなど邪魔するものは、その時やっていることが終わるまで遮断した。
この1週間を通して、私は6つの発見をした。
1. マルチタスクのない日々は、素晴らしいものだった
このことをはっきり感じたのは、子どもたちと遊んでいる時だった。携帯の電源を切り、彼女たちと濃密な時間を過ごすことができた。メールをチェックするわずかな時間が、目の前の人や物事からいかに自分を遠ざけるものか、それまでは気づかなかった。笑わないでほしいのだが、実は本当に久しぶりに、風に揺れる木々の葉を見てその美しさに気づいたのだ。
2. 難しい仕事が、大いに進んだ
執筆や戦略立案のような仕事には、熟考と粘り強さが必要となる。普段なら私はすぐに気が散ってしまうのだが、今回は難しい局面を迎えても腰を据えていられたし、何度もブレークスルーを体験した。
3. ストレスが劇的に軽減した
ある研究によると、マルチタスクは非効率であるばかりか、ストレスも高めるという。そのとおりであることを、身をもって知った。一度に1つのことだけをやると、心が安らぐのだ。マルチタスクがもたらす緊張からの解放を味わった。1つの作業を確実に終えてから次の作業に移ると、安心感が得られた。
4. 時間の無駄となるものに、我慢ができなくなった
1時間の会議は果てしなく長いものに感じられた。とりとめがなく要点を欠く会話は苦痛だった。私は作業の完了に向けてピンポイントで集中するようになっていた。マルチタスクをしていないと、退屈をまぎらわす方法もない。無駄な時間を許容できなくなった。
5. 有意義なこと、楽しいことに対しては、大いに粘り強さを発揮できた
妻エリナーが話をしている時は、じっくり耳を傾けることができた。難しい問題について検討している時は、それに没頭できた。他に意識を妨げるものがないので、腰を据えて1つのことに取り組めたのだ。
6. 不都合はなにも生じなかった
マルチタスクをしないことで失ったものは、何もない。プロジェクトの進行が滞ることはなかった。電話に出なくても、メールを瞬時に返信しなくても、私に腹を立てる人はいなかった。
それなのに、人はマルチタスクをやめられないから驚きである。不都合がないのなら、やめてしまえばいいのに。
思うにそれは、私たちの脳が、外部の現実世界よりも格段に速く動いているからではないだろうか。1分間に口頭で話せる語数より、聞いて処理できる語数のほうがずっと多い。やるべきことが山積みなら、1秒でも無駄にしたくない。だから電話で相手の話を聞いているあいだに、「脳の余っている部分」を使ってフィレンツェ旅行の予約をしよう、という具合だ。
しかし私たちは気づいていない。脳のそうした部分は、雰囲気を察知したり、聞いている内容を頭の中で掘り下げたり、創造性を発揮したり、周囲の状況を把握することに使われている。つまり「余っている」わけではないのだ。こうしたことを犠牲にして意識を他へと振り向けると、マイナスの結果を生む。
ではどうすれば、私たちはマルチタスクの誘惑に抵抗できるのか。
第1に、最もわかりやすい方法がある。集中を妨げるものを遮断すればよい。私は朝6時に執筆を始めるが、懸案事項がない場合はコンピュータのワイヤレス接続を遮断し、携帯電話もオフにする。運転中は、携帯電話を後部トランクにしまう。極端すぎる? そうかもしれない。しかし自分を信用しすぎないほうが賢明だ。
第2に、これは少しわかりにくいかもしれないが、忍耐力の欠如を逆手に取ることだ。締切を非現実的なほど短く設定する。すべての会議を半分の時間にする。あらゆる作業について、必要と思われる所要時間の3分の1だけを費やすようにするのだ。
締切ほど、物事を進捗させてくれるものはない。そして物事が速く進んでいると、集中を余技なくされる。徒競争をしている最中にテキストメッセージを送れる人がいるだろうか。1時間を見込んでいたプレゼン会議を30分でやるとなったら、途中で電話になど出るだろうか。
また、マルチタスクは大きなストレスを生む。このため、厳しい締切を守ろうとしてシングルタスクに集中すると、むしろストレスが軽減される。つまり時間が限られると、生産性が上がり精神も安定するということだ。
そして最後に、人は完璧ではないことも覚えておくとよい。たまになら、少しぐらいのマルチタスクをやってもかまわないと思う。この文章を書いている今の私もそうだ。2歳の息子ダニエルが部屋に入ってきて私の膝に這い上がり、「モンスターズ・インク」の映画を観たいとせがんでいる。だから、しょうがない――この記事を左側のウィンドウで仕上げながら、ダニエルを膝にのせ、右側のウィンドウで映画を観せている。
ささいなマルチタスクなら、やらずにはいられない時もある。
原文:How (and Why) to Stop Multitasking May 20, 2010
http://www.dhbr.net/articles/-/1716?page=3
【第8回】 2013年4月24日 鶴井宣仁 [三菱総合研究所 研究員]
「ゆとり世代」の消費を読み解く(2)
訴求のキーワードは“実感できる価値”
ゲーミフィケーションで若者の実感に訴える
――三菱総合研究所研究員 鶴井宣仁
前回のコラムでは、“若者の車離れ”を切り口として、自転車を選択するゆとり世代に着目した。そして、彼らが持つ「協調の中にある個性」という価値観について触れ、今後有望な市場として「友人とのプチギフト」をターゲットにした商品・製品開発を取り上げた。
ゆとり世代の2回目となる今回は、若者たちの就業状況と生活満足度についてmifを通じて、彼らの実態を明らかにしていく。食品と衣服の消費から見る彼らの特徴は“実感できる価値”を大切にする合理的な購入行動だ。
ゆとり世代は低所得と
非正規社員が多数派
図表1に各世代の就業状況を示した。ゆとり世代には未就業の学生が存在するため、ここでは就業者のみを対象としている(母集団の数はカッコ内で示している)。
すると就業しているゆとり世代のうち、所得が「400万円未満」の層が96%を占める結果となった。特に「200万円未満」の層は66%となっており、他世代と比較して2倍強の比率を占めている。また、雇用形態に目を移すと、ゆとり世代のうち非正規雇用が約6割を占めていることがわかる。正規雇用は4割を切っており、昨今の若者の雇用状況の悪化を窺い知ることができる。
厳しい就業状況に置かれ、年間所得が抑制されている若者たち。彼らはこういった状況での生活をどう感じているのだろうか。次項では彼らの生活満足度に着目してみる。
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経済的ゆとりが生活満足度に
与える影響が小さいゆとり世代
図表2にバブル世代以降の各世代における生活満足度〔生活全般の満足度(満足+どちらかといえば満足)〕を示した。
上の世代と比較して所得が抑制されているゆとり世代であるが、意外なことに各世代の生活満足度に差は見られない。「バブル世代」、「氷河期世代」、「ゆとり世代」のいずれにおいても生活に満足していると答えた率は40%前後であり、就業状況の厳しさからくる所得の低さは、全体の生活満足度にさほど影響を与えていないように見受けられる。
では、経済的なゆとりは生活満足度に影響を与えていないのだろうか。その辺りをより深堀りするために、「経済的ゆとり」の有無別に集計したのが、図表2のうちの折れ線グラフである。こちらを見ると、やはり経済的なゆとりと生活満足度には相関があるようだ。いずれの世代においても、経済的ゆとりがあると生活満足度が高く、経済的ゆとりがないと生活満足度が低くなっている。
しかしその一方で、若い世代ほどその差分が小さくなっていることが分かる。つまり、「経済的ゆとりあり」の生活満足度が若い世代ほど低く、「経済的ゆとりなし」の生活満足度が若い世代ほど高い。若者の中で、経済的要因が生活の満足に与える影響が相対的に小さくなっているようだ。バブル世代のように、消費を行うことで生活に満足を感じるといった図式が、若い世代では成り立たなくなってきたのではないか。
では、若者たちは消費行動に何を求めているのか。次項以降では、「食品」と「衣服」について、ゆとり世代の消費スタイルと彼らが消費に求めているニーズを明らかにしていく。
「食品」消費から見るゆとり世代のニーズ
利便性が高い商品を選択する
図表3に各世代の「食品」消費スタイルを整理した。
彼らの食品消費スタイルからは、食の安全・安心について関心が薄い若者の姿が浮かび上がってくる。まだ若いこともあり、将来の健康には無頓着なのだろう。一般的に無農薬・有機農産物や遺伝子組み換えでない食品は、そうでない食品に対して割高の価格設定となっている。ゆとり世代の若者は、安全・安心と価格を天秤にかけ、安価な食材を選んでいることが伺える。
一方で、レトルト食品やカット済み食材などの利便性が高い商品を選択する若者の姿が見えてくる。これら商品は自身で料理をするよりも、価格は多少割高なはずである。しかし、ゆとり世代は他世代に比べて利用意向が高い。調理する手間を省けること、食べきりサイズなため使い切れず腐らせることがないなど、支払うコストに対して“実感できる価値”、ここでは利便性を評価して購入していることが伺える。
所得の問題から、価格は購入決定の要因となりうる。ただ、“実感できる価値”があれば、購入を検討する彼らの合理的な購入原理がこれらから読み取れる。彼らにとっての“実感できる価値”とは、例えば目先の利便性であり、将来的な安全・安心といった今実感できないものは考慮の対象外となるのだろう。
“実感できる価値”が消費のニーズとなっているのは食品消費だけではない。次項に述べる衣服消費からも実質志向な彼らの姿が見えてくる。
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「衣服」消費から見るゆとり世代のニーズ
「ブラ・リサイクル」が提供する価値
図表4は各世代の「衣服」消費スタイルを示す。
他世代と比べてゆとり世代の彼らは、贅沢品のレンタルや古着屋を活用したり、ブランドアイテムの付録がついた雑誌を購入したりする傾向にある。こういった姿からは、コストパフォーマンスを計算した賢い消費者となった実質志向な若者の姿が見えてくる。これら若者は、「利用頻度の低い贅沢品をレンタルすれば出費を抑えられる」、「付録がついた雑誌はトータルで見てお得」など、商品・サービスに“実感できる価値”を感じて利用しているのだろう。
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“実感できる価値”は、必ずしも低価格や割引といったものでなくとも構わない。
例として、ワコールが2008年から毎年春に実施している「ワコール ブラ・リサイクル」を挙げる。このキャンペーンは、同社が実施店舗で「リサイクルバッグ」を配布、後日不要になったブラを入れて封をし、再び店舗へと持参してもらう仕組みとなっている。
このキャンペーンでは原則、金券などは渡していない。にもかかわらず、実施初年度の2008年は予想以上の顧客が参加した。特に回収率が高かったのは、10〜20代がメイン顧客の「アンフィ」「ウンナナクール」といった直営店舗であり、回収率は12%にも及んだという。通常、DMなどで顧客に来店を呼びかけても、反応率は1%未満とされているため、いかに来店効果が高かったかがわかる。
この例における“実感できる価値”は、実際にキャンペーンに参加した顧客の声から伺うことができる。
「ブラは捨てるときバラバラに解体しないといけないからラクで良かった」
「古いブラでタンスのスペースが無駄になっていたからなくなってスッキリ。トクした気分」
リサイクルという銘を打っているが、ここで響いたのはエコの精神でなく、「ラク」「スペースが空いてスッキリ」といった顧客が“実感できる価値”だったのであろう。
ゆとり世代の価値観を生んだ
「デフレ社会」と「将来不安」
ここまで、ゆとり世代のニーズとして“実感できる価値”について述べてきた。
こうしたニーズが生まれた背景を、彼らが生きてきた時代背景から紐解いていきたい。
(1)学生時代は「デフレ社会」
長引くデフレ不況のもと成長してきたゆとり世代は、待てば安くなりサービス・質が向上していく現実を経験してきた。株や地価が右肩上がりで、今買わないと損をする経験をしてきたバブル世代とは正反対である。
ファストフード店の値下げ合戦やユニクロの出現により、彼らにとって「安かろう、品質もそこそこ良かろう」が普通となってしまった。そのため、“安さ”や“品質”はそれが当然と思っているゆとり世代への訴求にならなくなってしまった。
そんな彼らへ訴求するには、“安さ”や“品質”以外の“実感できる価値”が必要となったのは想像に難くない。
(2)将来への不安からくる実質志向
社会学者古市憲寿氏が『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)で語った現代の若者論の一つに、「現状に不満はないけど不安がある」といったものがある。
図表5からもそういった若者の姿が見えてくる。現在の生活について、約4割が満足と回答しているのに対し、不満は約3割。現状に満足している人の方が多い一方で、6割強が将来に不安を感じていると回答している。
先行き不透明な将来への不安と足元の雇用状況の不安定さが、若者の財布の紐を締めさせ、本当に必要と“実感できるもの”しか買わない実質志向が育まれたと考えられる。
「ゲーミフィケーション」で
若者に価値を実感させる
彼らの消費欲に訴求できるニーズは“実感できる価値”だと述べた。では、どうやって“実感できる価値”を感じてもらうのか。
ここでは、供給者が提供する“付加価値”と、消費者へアプローチする“伝達手段”。その両方を兼ね備えたゲーミフィケーションについて取り上げたい。ご存じの方も多いだろうが、ゲーミフィケーションとは一般的に、「ゲーム(主にテレビゲーム)のなかで培われてきたノウハウを、ゲーム以外の分野で活用すること」を意味する。
ゆとり世代は、ゲームへの親和性が高い世代と言える。図表6をみると、自分専用の「据置型」「携帯型」ゲーム機を保有し、「ゲームセンター」や「携帯電話ゲーム」を利用している彼らの姿が確認できる。また、スマートフォンの保有率も高く、ゲーミフィケーションを受け入れる下地があると言える。
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ゲーム性を取り込むことで、供給者は商品に“実感できる付加価値”を用意し、消費者であるゆとり世代の若者に、その価値を実感してもらうことが、彼らへの効果的な訴求となりうる。
実際にゲーミフィケーションを取り入れたアプローチの例としてNike+を挙げる。Nike+とはスポーツ用品の世界的ブランドであるナイキが提供している健康管理記録アプリである。スマートフォンなどにNike+をインストールして携帯したままジョギングをすると、GPS機能によりジョギングしたルート・時間・距離を記録、その情報をネット上で閲覧することができる。
Nike+が画期的だったのは、こういった数字の記録にゲーム性(目標要素/可視化要素/ソーシャル要素など)を取り入れたことだ。運動したことを“実感できる”場面を多く用意することで、ジョギングを継続するモチベーションを高める工夫がなされている。具体的には、SNSと連動した声援機能やチームでの競争機能を備えることで、「応援してくれる人のために走ろう」「チームの皆のためにがんばろう」といった気持ちにより、一人きりでは続かない運動も長く続けられるようサポートしている。
また、ナイキは「Game On, World」キャンペーンと題し、ゲーム性を取り入れたキャンペーンを世界各国で展開している。日本でも、2012年夏、最新のデジタルイノベーションを体験できる「UGOKIDASE STATION」を期間限定で原宿にオープン。体験型デジタルスポーツを売りとして、最新シューズの貸し出しを行い、原宿に集まる若者たちに価値を実感させる試みが行われた。若者に対してまずは興味を抱いてもらい、お試しの体験からファン化してもらいたいというナイキの狙いが伺える。
現代の若者たちは、物心がついた時からゲーム機やインターネットが当たり前の存在であり、いわばバーチャルなコミュニケーション環境で育ってきた。そんな彼らに対して“実感できる価値”をいかに伝達し、商品・サービスを購入・使用してもらうのか。ゲーミフィケーションによるアプローチはその鍵となりうるだろう。
バーチャルとの親和性が高い彼らにこそ、今「リアルの実感」が求められている。
http://diamond.jp/articles/print/35130
オーガニックコットンは体にいい?
消費者の“誤解”を販促に利用してはいけない
2013年4月24日(水) 南 充浩
H&Mの関西旗艦店である心斎橋店が4月13日にオープンした。オープン前に行われた内覧会に出席した際、オーガニックコットンを使用した子供服を見つけた。
売り場面積3000平方メートルのこの巨大店舗では、これまでよりもランジェリーコーナーやマタニティーコーナーが広く取られていたり、170センチまでの子供服がフルラインで揃っていたりする。その子供服の中に92〜128センチサイズで二枚一組999円のオーガニックコットンTシャツや、新生児向けで三枚一組1190円のオーガニックコットン使用のロンパースなどが並んでいた。
無印良品でもオーガニックコットン100%使用のTシャツやポロシャツが並んでいる。価格は一枚がだいたい1550〜3900円の範囲内に設定されている。
オーガニックコットン製品はこれまでも存在していたが、かなり高額な物として認知されていた。例えばTシャツで1万円前後というレベルである。ところが最近では、H&Mや無印良品に限らず低価格のオーガニックコットン製品が市場に多く出回っている。これまでと何が違うのだろうか。
広がるオーガニックコットンの産地
オーガニックコットンとは、栽培地の土壌汚染を緩和するために化学肥料や農薬を使わずに栽培する綿花のこととされている。もともとは米国で起きた消費者運動で、米国の綿花農場での有機栽培を指したものだった。米南部は綿花栽培が昔から現在に至るまで盛んに行われており、アフリカ大陸からの奴隷連行もその多くは綿花栽培のためだったことは広く知られている。
化学肥料と農薬を使わないで栽培すると、当然ながら通常の栽培よりも人手が必要となり、通常品よりも生産コストが上昇することになる。ましてや先進国で人件費の高い米国でやろうとすれば、栽培された綿花の価格は通常よりもかなり高くなる。本来、オーガニックコットンといえば米国で有機栽培された綿花のみを指していた。従来のオーガニックコットン製品が高価格だったのは、こうした背景があったからだ。
デニム生地メーカーの営業本部長や繊維業界に詳しいコンサルタントによると、昨今の低価格製品に使用されているオーガニックコットンはアジア諸国やアフリカ諸国、中南米で栽培されたものだという。インドやトルコや中国、パキスタンなどがアジアの綿花栽培国として知られているし、ブラジルやアフリカの国々でも綿花栽培が行われている。これらの国では気象的条件から除虫用の農薬が必要なかったり、設備投資が遅れているために「仕方なく」有機栽培せざるを得ない農場が数多く存在する。
こうした国で栽培された綿花はオーガニックコットンといえども価格は安い。そのため、低価格品にもオーガニックコットンがふんだんに使えるようになったようだ。ただ、本来のオーガニックコットンの定義とは、少しズレが出ているとも感じる。
低価格品に広い意味合いでの「オーガニックコットン」が使用されるようになって、一般消費者にもなじみが広がった。低価格で様々な商品が出回るようになったのは、オーガニックコットンの定義以外の要素もある。
従来の高額オーガニックコットンの多くは色彩的には面白みのない物が多かった。オフホワイト、ベージュ、薄緑、薄茶色とだいたいこんな色のアイテムが多かった。これは、綿花本来の色合いであり、染色がなされていない商品が多いことを意味する。真っ白の製品もない。漂白する際に化学薬品が使用されるからだ。
染色する場合でも草木染めという天然植物由来の染料に限られていた。そのため、色展開にも限界があるし、化学染料のように大量生産できない草木染料を使えば価格はやはり高くなる。
一般の衣料品には様々な色が使われる。今春はネオンカラーやビビッドカラーがブームで、特に鮮やかな色彩のアイテムが市場に溢れている。これらは化学染料で染めているため、草木染めで同じ色合いを再現するのはかなり難しい。
オーガニックコットンを化学染料で染める是非
昨今の低価格オーガニックコットン製品には通常の衣料品と同様のビビッドな色が使用されている。もちろん、これらの多くは通常の衣料品と同様に大量生産された化学染料で染められている。これに対して業界内には、「せっかく有機栽培された綿花を化学物質の塊である化学染料で染めたら意味がないのではないか」と指摘する声がある。この指摘はある意味、納得できるものではある。
話はやや脱線するが、皮革にもエコレザーなるものがある。皮革は鞣(なめ)さないと素材として使用できない。鞣す方法として、草木から抽出したタンニンを使用する「フルベジタブルタンニン鞣し」と、重金属を使った「クロム鞣し」の2つが存在する。エコレザーといった場合は「フルベジタブルタンニン鞣し」を指す。
エコレザーは染色する染料も限られるので、本来のオーガニックコットン製品と同様に地味な色合いが多い。しかし、ごく稀にビビッドにカラーリングされたエコレザー製品がある。これは化学染料で着色されている。当然、レザー業界関係者の中には「エコレザーに化学染料で着色したら台無しじゃないか」と指摘する人もいる。オーガニックコットンと似たような状況にあるのだ。
染料や加工剤に含まれる化学物質は本当に有害なのだろうかと以前から疑問に思っていたら、2008年4月にやはりそれなりに有害だと分かった事件があった。大阪を本社とする中規模子供服メーカーが製造・販売したTシャツを着用した乳幼児に湿疹が出たというニュースだ。このTシャツは中国産で、ロゴの文字などをプリントするためのインクの溶剤にホルムアルデヒドが含まれていたと伝えられている。やはり一定の濃度以上になると有害なのだろう。ちなみに生地の整理加工や表面の加工にホルムアルデヒドが使われる場合もある。
そういう観点からすると、染色しない、または天然由来の草木成分以外の染料は使用しない本来のオーガニックコットン製品というのは、好き嫌いは別として意義のある商品だと言える部分もある。しかし、衣料品である以上、鮮やかな色柄を求める消費者も多数存在するため、従来の地味な色合いしかないオーガニックコットン製品では支持者が広がらないこともまた事実である。
「オーガニックコットン」は品質や機能を指さない
重要なのは、オーガニックコットンとは綿花の栽培方法を指す言葉であって、何らかの効能や機能、品質を示しているわけではないことである。
通常、綿花の良し悪しは繊維長の長さによって決まり、多くの場合、繊維長が長い綿花が高級とされる。繊維長が長い綿花を紡績し、その糸で織った生地は滑らかで柔らかいからだ。綿花の繊維長は栽培される土地の気候風土で左右されることが多く、スーピマ綿やエジプト綿、インド綿などといったように品種や栽培地の名前がブランドとなっている。
先ほども書いたように、最終製品までオーガニックであることにはもちろん意義があると思う。一方で、あるテキスタイルコンバーターのベテラン企画担当者はこう話す。「化学染料で着色したオーガニックコットン生地やオーガニックコットン製品に批判があるのは知っています。しかし、化学染料でさまざまに着色することでファッション用途が広がり、オーガニックコットンの支持者が増える要素もある。そういう意味では化学染料による着色という手法も全面的な誤りだと言えないのではないでしょうか」。
オーガニックコットン製品が「化学物質を一切使っておらず、体にいい」という機能をうたっているのであれば、化学染料を使うことは問題だろう。だが、オーガニックコットンはあくまで栽培方法を指している。単純に支持者が増え、オーガニックコットンの栽培が広がることで、地球環境への負荷を減らすことができるという考え方もある。
となると、問題は売り方かもしれない。一般的な消費者はオーガニックコットンに対し、「エコロジーな素材」というイメージに加えて、「高級品」「健康にいい」というイメージを持っていると思う。もしかすると、「高級品」だから「健康にいい」という認識もあるかもしれない。そして、「『高級』で『健康にいい』オーガニックコットンがこの値段!お買い得だわ〜」という反応になる。
しかし、価格が下がったのは先ほど述べたような事情があるし、「健康」とオーガニックコットンの関係はよく分からない。にもかかわらず、現在のオーガニックコットンの売り方には、こうした消費者のイメージを利用しているように見受けられる部分がある。オーガニックコットンという言葉が過度に販促に利用されているような気がしてならない。
オーガニックコットンの普及は大いに結構なことだと思う。しかし、もう少しその内容そのものを知ってもらう努力をすべきなのではないだろうか。
「糸へん」小耳早耳
普段、私たちが何気なく身に着けている衣服の数々。これらを作る世界では何が起きているのか。業界に精通した筆者がファストファッションから国内産地の実情まで、アパレルや繊維といったいわゆる「糸へん」産業にまつわる最新動向を鮮やかに切り取る。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130418/246903/?ST=print
「就職先が詐欺会社だった!」どうする?
業務上横領、背任そして詐欺というビジネス上の事件
2013年4月24日(水) 岡野 武志
第5回の今回は、ビジネス上で問題になり得る経済事件について説明します。過去に話題になった経済事件をみると、ビジネスを行うにあたって利益の追求をするあまり、合法とされる行為を逸脱し、犯罪を犯して逮捕されてしまったというケースも少なくありません。
そこで、こうした事態を避けるためには、どういう行為が刑事事件として問題になるのかを知り、ビジネス上特に問題になりやすい業務上横領、背任そして詐欺との違いをしっかりと把握しておくことが大切です。
業務上横領、背任そして詐欺の違い
ビジネス上で問題になり得る経済的な刑事事件でメジャーなものとしては、業務上横領罪、背任罪そして詐欺罪が挙げられます。まずは、それぞれの犯罪の法律上の定義を明らかにしておきましょう。
・業務上横領罪とは
「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合を言います。
業務上横領罪にあたるとされると、法律上「10年以下の懲役に処する」と定められています(刑法253条)。
具体例で言うと、「経理担当者が自分が管理する会社の小口現金を持ち逃げした」「集金担当者が自分が管理する回収金を着服した」などのケースが該当します。
・背任罪とは
「他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたとき」を言います。
背任罪の刑罰は、法律上「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています(刑法247条)。具体例で言うと、「銀行の貸付担当者が自分の利益を図るために不良貸し付けをした」などのケースが背任罪に該当します。
・詐欺罪とは
「人を欺いて財物を交付させた」場合を言います。詐欺罪の刑罰は、法律上「10年以下の懲役に処する」と定められています(刑法246条1項)。具体例で言うと、「存在しない架空の未公開株を販売することを業としていた」、「虚偽の取引で手形をだまし取った」などのケースが詐欺罪に該当します。
上記3つの犯罪は、一見するとどれも同じように感じられるかもしれませんが、いくつかの特徴によって分類することができます。
まず、業務上横領罪や背任罪は、ビジネスの場面においては、従業員が加害者・会社が被害者となるケースが多く、その意味で性質が共通しています。これに対して、詐欺罪は、会社の人間が加害者・外部の第三者が被害者となるケースが多く、その点で他の二罪とは性質を異にします。
また、背任罪は、法律上「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められているのに対して、業務上横領罪と詐欺罪は、「10年以下の懲役に処する」と、法律上より重い刑罰が設定されています。そのため、業務上横領罪や詐欺罪においては、背任罪の場合と異なり、事件が立件され起訴されれば、必ず刑事裁判が開かれることになります。
これに対して背任罪の場合は、罰金刑が定められていることから、たとえ事件が起訴されたとしても、法廷での裁判を行わず、罰金の納付によって終了する「略式罰金」という手続きで事件が終わる可能性もあります。
ビジネスで問題になる業務上横領罪の典型
業務上横領罪とは、「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合を言います。少し難しい言い回しですが、ここで言う「業務」とは、「社会生活上の地位に基づいて反復・継続して行う事務」を言い、他人の委託に基づいて他人の財物を占有したり保管したりすることを言います。倉庫業、運送業、質屋、クリーニング業、修理業、会社の経理担当や集金担当などが典型例ですが、業務は職業や職務となっていなくてもよく、本務に付随して行う業務でもよいとされています。
また、それが報酬や利益を目的とするものでなくてもかまいません。つまり、業務上横領罪は、これらの業務に基づいて他人から委託を受けて占有している財物を奪う行為を言います。
業務上横領罪にあたると判断された場合の法定刑については、前述のように「10年以下の懲役に処する」と定められています(刑法253条)。他方で、単純な横領罪の場合、つまり単に自分が占有・保管している他人の財物を横領した場合には、法律上「5年以下の懲役に処する」と定められています(刑法252条)。
このように、業務上横領罪について重い刑罰が定められている理由としては、社会生活上の地位に基づいて反復・継続して他人の財物を占有する人による横領行為であるという性質を有するため、多数の人との信頼関係を壊すものであり、また多くの法律上の利益を侵害しやすいこと、さらに横領行為が繰り返し行われる可能性が高い、といった点が指摘されています。
ビジネスで問題になる業務上横領罪の典型としては、経理担当者による会社の金銭の着服が挙げられます。
普段、弁護士として、女性を被疑者とする刑事事件の法律相談を受けていると、その背後に男性の影がちらつくことが多いのですが(例えば、「覚せい剤を使用し始めたのは当時付き合っていた彼氏の影響からだった」「交際相手に持ち掛けられて美人局を行った」など)、業務上横領に関しては、他の犯罪と比べて、女性単独で犯行を計画し、実行するケースも多いように感じます。
これは、業務上横領が経理担当者一人で行われることが多く、ビジネスの現場においては、経理担当者として女性が採用されることも珍しくないことが影響していることも考えられます。
例えば、先月は、某県JAで経理担当だった元派遣社員の女性が、取引先から集金した売上金の一部を着服するなどして約2560万円を横領していた事件が、業務改善調査から判明したというニュースが話題に上りました。
また、昨年には、製薬会社の企業年金基金を扱う法人で会計処理を担当していた元パート職員の女性が、銀行の振り込みサービスの暗証番号を使い、基金の運営費から自分の口座に振り込ませるなどして計1880万円を横領していたとされる事件の裁判で、実刑判決が下されました。
出来心を起こさせない鉄壁の管理体制を
横領罪には未遂犯の処罰規定がなく、犯罪は着手したと同時に既遂になります。例えば、実際の裁判例においては、他への支払いに充てるために口座に振り込み入金を受けて預かり保管中であった877万5136円について、その一部である10万6370円を自動引き落としに充てた段階で、「全額について…着服行為ということができる」として、877万5136円全額の横領が認められたケースがあります。
また、先月初旬には、某社団法人の役員夫婦が、社団法人の預金口座から百数十万円を引き出して横領したという業務上横領の容疑で逮捕されたというニュースが流れましたが、このように、業務上横領罪で問題となる財物は、個人のものだけではなく、会社などの法人の預金などの財物も含まれます。
また、業務上横領の加害者側(従業員側)の法律相談を受けて感じるのは、加害者側は、横領行為が刑事事件として発覚した際には、すでに横領した金銭を生活費や遊興費などに充てて使い果たしているケースがほとんどで、被害弁償を尽くした上で示談を締結することが難しいということです。
業務上横領罪は被害者がいる犯罪ですので、被害者側に対して被害を弁償し、示談を締結すれば、その事実は刑事手続きにおいて有利に考慮してもらえることが期待できます。しかし、業務上横領の場合は、そもそも被害弁償のための資金を用意できないというケースが多いのが実情です。
一方、同時に業務上横領の被害者側(オーナー、社長側)としても、資力のない加害者を相手に民事裁判を起こしても賠償金を支払ってもらうことが期待できず、訴訟の時間と手間が無駄であるとして、結局は、あきらめて被害の回復が図られないまま終わるケースも少なくありません。
ビジネスの現場で業務上横領事件が起きないようにするためには、従業員としては、会社のお金を横領しないことは当然ですが、経営者側としても、従業員に出来心を起こさせない鉄壁の金銭管理体制を敷いておくことが大切です。
というのも、業務上横領の被害に遭う会社というのは、往々にしてお金の管理がずさんであることが多い、経営者側にも一定の落ち度がある(…とまでは言えないかもしれませんが、チェック体制の甘さがあるなど)のではないかと思われるケースも少なくないからです。
就職先で「何かおかしい」と感じたら…
弁護士として、刑事事件の法律相談を数多く受けていると、就職先の会社が実は詐欺会社だったというケースに出くわすことがあります。例えば、求人広告を見て応募し営業職として就職したら、実は詐欺的な商品を通信販売している会社だったとか、知らない他人の免許証を渡されて複数の銀行口座を開設するように命じられた、などのケースです。
このようなケースでは、働いている本人が「何かおかしいのではないか」という疑問を抱いて法律相談に来て詐欺だと発覚する場合もあれば、「何かおかしい」と思いながらもズルズルと働いているうちに同僚と一緒に逮捕されて、その段階になって初めて自分が行っていたのは詐欺だったという確信に至るケースもあります。
いずれにしても、詐欺に加担した責任は、最終的には働いている本人が負わなければなりません。当初の求人広告の内容が違っていたので詐欺とは思わなかった、といった言い分が理解されるのは難しいと言えるでしょう。
また、直ちに詐欺には該当しないものの、詐欺まがいの強引な商売を行っている会社も多くみられます。訪問販売や通信販売など、消費者とトラブルを生じやすい取引類型については、別途「特定商取引に関する法律」によりさまざまな規制が設けられているため、営業担当者はトラブル防止のためこれらに精通しておく必要があります。
加えて、昨今は金融商品や投資の対象が多様化したこともあり、本来は利益を上げることを目的として金融商品の販売を行ったが結果として顧客に財産上の損害を与えてしまったというケースと、いわゆる「投資詐欺」との線引きを行うことが、客観的な事情からは判断しにくいような事例も散見されます。
少し前の事例にはなりますが、2010年には東京地方裁判所において、エビ養殖の投資を目的とした詐欺事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた投資会社幹部の男性に、詐欺の故意がないとして無罪判決が下された事例もあります。
とはいえ、もしご自分が携わっている業務が詐欺にあたるのではないかなど不安に感じられる要素がある場合は、まずは専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
バイト先が振り込め詐欺の現場だったケースも
なお、最近は振り込め詐欺などを行う犯罪集団の低年齢化が目立ちます。十代後半の子供をお持ちの読者の方は、子供のバイト先にも注意を払った方がよいかもしれません。先輩から紹介されたアルバイト先だということで現場に向かったら、実は振り込め詐欺の現場だったというケースが実際にあります。
振り込め詐欺の場合、被害者の人数が多数にのぼり、被害金額も多額になるケースが多いため、被害者全員に対して被害を弁償し示談に応じてもらうことは難しく、また事件の社会的影響の大きさを考慮して、昨今は厳しい判断が下されがちです。
このように、本人の意図に反して、思わぬ形で犯罪に加担することになったとしても、そのことを容認した以上、最終的に責任を負うのは本人です。仕事やアルバイトなどに応募する際は、注意深くその内容を確認し、違法な仕事をしている現場に配属された場合は、勇気をもって逃げて帰ってくる必要があります。
いかがでしたか? 今回は、ビジネス上で問題になり得る経済事件のパターンと対処法について解説しました。特に、業務上横領罪に関しては、日常業務の延長上で起こり得る犯罪であることから、日々いろいろな法律相談を受ける中で、本人の法律遵守という意識づけの大切さはもちろん、犯罪を防ぐための会社側の金銭管理体制の大切さを痛感しています。
(次回は犯罪になり得る企業活動について解説します)
冤罪トラブル回避マニュアル
ビジネスパーソンにとっての冤罪。痴漢始め、自分は関係ないと思っていても、意図せず巻き込まれることがあるのが恐ろしいところ。このコラムでは、刑事事件を専門に扱う弁護士が、万が一、トラブルに巻き込まれた際の対処法を具体的に指南します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130416/246767/?ST=print
【第3回】 2013年4月24日 潮凪 洋介
「自分は必要とされていない」。
もし、こんな気持ちに襲われたら?
知識でも、ノウハウでもなく、大切なのは「自信」。
19歳で起業。成功と失敗を繰り返し、2回目の脱サラ後、32歳で5000万円の借金を背負った著者が、どん底状態から、人生を大逆転させた行動力の秘密を語る。根拠がなくても、実績がなくても、やる気を生み、恐怖心を消し去る「強い心」のつくり方
「自信が持てない人」は、
マイナスの出来事を大きくとらえる
本連載では、「自己肯定感を高めることがいかに大切か」を繰り返し述べている。さて本日は、自己肯定感を高め、自分自身のことを好きになるためのコツをご紹介したい。
たまたまの失敗で「これは不得意だ」「自分に合わない」と落ち込んだことはないだろうか?あるいは「自分は世の中に必要な人間なのだろうか」とふさぎ込んだ経験はないだろうか?
ほんの一瞬のマイナスの出来事で、全体の印象までこうだと思い込んでしまい、「できない」「無理だ」と決めつけてしまう。心当たりはないだろうか?
自信が持てない人ほど、1つのマイナスの出来事を大きくとらえて、どんどん自分の中で膨らませてしまう。
しかし、そんな自信喪失の多くはたいてい「思い込み」によるものであり、妄想にすぎない。「思い込み」の力は大きい。あなたの人生を加速させる、アクセルにもブレーキにもなりうるものだ。この「思い込み」を武器に変えてほしい。
「プラスの思い込み」で、
人生を変えよう!
人間は思考の生き物だ。プラスの思い込みを持てれば、それは必ずプラスに還元される。しかし逆に、マイナスの思い込みは、マイナスしかもたらさない。
ダメな理由、できそうもない理由があったとしても、それがデータに基づいたものでなければ信じるに値しない。「思い込みの自信喪失」につき合ってはいけない。
さてここで、「思い込み」の正体について話したい。少しでもいい、今、あなたが自信を持っている分野とは何だろう?
「資格試験の取得には自信がある」
「会社内での人間関係構築には自信がある」
あなたはそう思っている。しかし、それもおそらく単なる思い込みにすぎないのだ。多くの場合、昔の成功体験がそうした思い込みを支えている。しかし以前うまくいったからといって、また次回うまくいくとは限らない。運が悪ければ失敗し、その自信も覆される可能性がある。
1秒先のことは何もわからない。うまくいく保証なんてどこにもないのだ。あなたが抱くその自信だって、単なる思い込みなのである。とすれば、自信を持つも、自信を喪失するも、実は同じ思い込みなのだ。
「自分が世界の主役である」。
そんな思い込みを持とう
別の視点からも「思い込み」を探ってみたい。例えば、あなたはコピー機を売る営業マンだったとする。アポをとって、先方と商談を行ったものの、成約には至らなかった。帰社後、上司からこう声をかけられる。
「お疲れさま。残念だけど、仕方ないね。今日はすぐ帰ってゆっくり休みなさい」
相手の言葉を素直に受け止められる状態ならば、がんばりに対して、「ねぎらいの言葉」をかけてもらえたと思うだろう。
ところが、精神状態が不安定な人は、「役立たずだから、早く帰れってこと?」「早く帰れっていってるけど、商品は売れてないし、本当はもっとがんばれっていいたいの?」という解釈をしてしまう。
相手の言葉をどう受け止めるかも、その人の精神状態、つまり「思い込み」次第で、大きく変わるのだ。悪意なく、ねぎらいの気持ちからこぼれた言葉なのに、自分の中で解釈をねじまげる。こんなもったいないことはない。
あなたにとって、都合のいい「思い込み」を持とう。自分が世界の主役である、それぐらい気持ちを持つぐらいでちょうどいい。「思い込み」こそが、あなたの人生を変える。ここで生まれる自尊心こそが、さらなる目標への情熱を呼び起こすのだ。
(次回連載は、4月25日の予定です)
第41回ダイヤモンド著者セミナー
『折れない自信をつくる48の習慣』
著者・潮凪洋介氏による無料ワークショップを開催!
日 時 : 2013年5月24日(金)
時 刻 : 19時開演(18時30分開場) 20時30分終了予定
会 場 : 東京 ダイヤモンド社 本社ビル9階セミナールーム
住 所 : 東京都渋谷区神宮前6−12−17
料 金 : 入場無料(事前登録制)
定 員 : 30名(先着順)
主 催 : ダイヤモンド社
お問い合わせ先: ダイヤモンド社書籍編集局
TEL : 03-5778-7294(担当中島)
E-mail:pbseminar@diamond.co.jp
セミナーお申込みはこちらから
◆ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ◆
『折れない自信をつくる48の習慣』
全国書店で売れてます!
知識でも、ノウハウでもなく、大切なのは「自信」。
19歳で起業。成功と失敗を繰り返し、2回目の脱サラ後、32歳で5000万円の借金を背負うことに。どん底状態から、人生を大逆転させた行動力の秘密とは何か?
根拠がなくても、実績がなくても、やる気を生み、恐怖心を消し去る「強い心」のつくり方
http://diamond.jp/articles/-/35089
【第7回】 2013年4月24日 鈴木博毅
ちっぽけな個人が社会を変えるには?
実際に世界を変えた3つの武器
小さく無力な個人でも社会を変えることは可能か。ソーシャルデザインが注目されるなか、誰もが閉塞感を感じる日本をどうすれば変えられるのか。明治維新という奇跡のソーシャル・イノベーションを、国民の精神変革によって実現させた名著『学問のすすめ』から、世界を変える「3つの武器」を読み解く。
たった一人がつくり上げた仕組みが、
全世界で1600万人を支える力に
「マイクロクレジット」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。バングラディッシュで貧困問題に取り組んだ、ムハマド・ユヌスという人物が開発した貧困層向けの新しい融資の形態です。
1970年代に彼によって設立されたグラミン銀行が起源となった「マイクロクレジット」は、現在では世界各国で実施されており、1600万人を超える人々に融資をしていると言われています。
ユヌスは元々アメリカの大学で経済学の教育を受けて祖国に戻った人物ですが、経済学者らしからぬ実践的研究に飛び込んで、現地の農家を訪問し貧困問題の根源を探りました。
「大学が知識の宝庫だというなら、一部でもいいから、その知識を周辺地域にも広めるべきだ。大学は、成果を社会に還元せずに学者が知識をきわめるだけの孤島であってはならない」(フランシス・ウェスリー他著『誰が世界を変えるのか』よりユヌスの言葉を引用)
この言葉は140年前に福沢諭吉がとなえた「実学」の概念と共通する響きがあります。諭吉は実社会で使えない学問ではなく「実学」こそ学ぶべきであり、あらゆる分野で自らが得た学びを活かすことを説いています。
2006年にグラミン銀行とユヌスはノーベル平和賞を受賞しますが、現在では広く知られているこの仕組みは、たった一人の人物が孤独の中で始めた革新から生まれていたのです。
世界をたった一人で説得はできない、
ならばどうするか?
当たり前のことですが、どれほど良いアイデアがあっても、あなた一人では説得できる人間は数えるほどしかいないでしょう。さらに言えば「説得する」「売り込む」ことには膨大なエネルギーが必要です。これでは良いことでさえ、広がる前に疲弊してしまいます。
『学問のすすめ』第4編は、「世の中の改革を目指すならば、命令するより諭す、諭すより良い手本を見せるほうが効果的である」と述べています。
相手を説得するよりも、変化すべきと要求するよりも「相手が真似したくなるような手本」を目の前に見せるほうが何倍も効果的だと諭吉は指摘しているのです。
諭吉は指導した学生たちに、学んだことを実業の世界で活かすことを強く勧めていますが、新たな学問を学んだ者が実社会で成功すれば、その成功者を真似たいと思う人が増えていく最高の「手本」になると考えていたのです。
最近、新型の電気自動車が高速道路を走っているのを目にする機会が増えてきました。ビジネスでも「真似したくなる手本」を人の目の前に見せることが効果的なのは言うまでもありません。ショールームで航続距離のカタログを読むよりも、実際に高速道路を颯爽と快走している電気自動車をその目で見るほうが、よほど説得力があります(そして、見ている側に購入意欲を抱かせることができます)。
諭吉が幕末明治初期にとった戦略も同様で、書籍『西洋事情』や『学問のすすめ』を世に出すことで、世界各国の実情をまずわかりやすく読ませるほうが、当時の日本人の固いアタマの中身を変革するのに、よほど効果があったのでしょう。
変革の起点が「真似たくなるような良い手本」であることは、私たちが生きる現代社会でも同じです。口を酸っぱくして人の説得を続ける、叱るよりも、誰もが憧れて真似をしたくなる手本を示す方が遥かによいアプローチです。なぜなら、周囲が自発的に変化してくれるからです。
その意味では、新社会人の教育研修に「誰もが憧れるエース」を登場させることも意味があります。真剣に仕事を楽しみながら、最前線で活躍している人を入社した職場で見つけることができれば、新人でさえ自然に仕事に興味を抱くことができるからです。
名著『学問のすすめ』は、
ソーシャル・イノベーションの先駆けだった!?
明治初期に超ベストセラーとなった『学問のすすめ』では、ソーシャル・イノベーションの先駆けを感じさせる、効果的な3つの武器が勧められています。
(1)全員の課題だという「当事者意識」を高める
社会組織全体から、新しい発案やアイデアを生み出すために、諭吉は国家の出来事が国民全員の課題であることを論じています。
私たちの所属するビジネス組織や社会貢献活動でも、これまで従事した人たちとは異なる分野の専門家を巻き込めるような、広い範囲での当事者意識を醸成することは、新たな視点や解決力がその問題に注ぎ込まれることになり、飛躍を生み出すイノベーションが起こりやすくなるのです。
(2)周囲を変化させる「手本」を見せる
これはすでにご説明したことですが、集団や周囲を変化させるには、みんなが真似したくなる「良い手本」をまず上手に生み出すことが重要です。
憧れる手本もないのに、言葉だけで「あの方向に進むべきだ!」と強くあなたが主張しても、相手には嫌々やらされているという気持ちだけが先に立ち、自ら変化しようとする気持ちや勢いが生れません。これではこちらが疲れるばかりで、説得や変革の効果はほとんど期待できないでしょう。
自然にブームになる商品や社会現象も同じです。周囲が憧れる、真似したくなる「良い手本」があるからこそ、自発的な変化を生みながら波状的に広がりを見せていくのです。
(3)「人的ネットワーク」を活かす
諭吉は研究室に閉じこもる、閉鎖的な学究ではなく、実社会に飛び出して世の中を変革することを進めた人物でした(マイクロクレジットの創造者・ユヌスとも類似する点)。彼は理論があっても、周囲に信頼される「人望」がない人物は、何一つとして事を成し遂げることはできないと『学問のすすめ』最終章で語っています。
また「多くの分野に友人知人をつくり続けること」も大切であり、そのためできるだけ多くの分野に常に関心を持つことを私たちに勧めています。
人が溢れている世の中で、人を嫌いになり避けていれば何を成すにも不便です。諭吉は「人間のくせに、人間を毛嫌いするのはよろしくない」と述べて、人と付き合う能力が社会における重要な要素だと140年前の時代から、私たちに教えてくれています。
これら3つの武器は、個人から始まりながら「集団を変革する」ための効果的なツールとして使用できるものです。たった一人の個から始まる変革が、より大きな集団に良い影響を与えて、結果としてさらに大きな成功や幸せ、豊かさを生み出すことが可能になる。
このような「変革」あるいは波及効果の高いソーシャル・イノベーションこそ、現代日本で私たちが求めている活動ではないでしょうか。『学問のすすめ』は140年前にソーシャル・イノベーションの要素も兼ねた、良い未来を生み出す変革の教科書でもあったのです。(第8回に続く)
次回は5月7日更新予定です。
新刊書籍のご案内
『「超」入門 学問のすすめ』
この連載の著者・鈴木博毅さんが、『学問のすすめ』を現代の閉塞感と重ね合わせながら、維新の「成功の本質」を23のポイント、7つの視点からやさしく読み解く書籍が発売されました。歴史的名著が実現させた日本史上最大の変革から、転換期を生き抜く方法をご紹介します。変革期に役立つサバイバルスキル、グローバル時代の人生戦略、新しい時代を切り拓く実学、自分のアタマで考える方法など。140年前と同じグローバル化の波、社会制度の崩壊、財政危機、社会不安などと向き合う転換期の日本人にとって、参考となることが満載です。
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13万部突破!好評発売中!
『「超」入門 失敗の本質』
野中郁次郎氏推薦!
「本書は日本の組織的問題を読み解く最適な入門書である」
13万部のベストセラー!難解な書籍として有名な『失敗の本質』を、23のポイントからダイジェストで読む入門書。『失敗の本質』の著者の一人である野中郁次郎氏からも推薦をいただいた、まさに入門書の決定版。日本軍と現代日本の共通点をあぶり出しながら、日本人の思考・行動特性、日本的組織の病根を明らかにしていきます。現代のあらゆる立場・組織にも応用可能な内容になっています。
http://diamond.jp/articles/print/34999
【第20回】 2013年4月24日 渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授]
チャレンジャー社員の魂を奪い去る職場の力学とは?
“仕事から学ぶ意義”を見出せぬ無責任時代への警鐘
――処方Sチャレンジする社員を潰すも引き上げるも上司次第
「それ、まだ何も聞いてないです」
やる気のない新人の言葉に隠された真意
最近、ある企業の女性社員Aさんから聞いた話だ。
Aさんは、あるプロジェクト専門の総務兼経理担当で、もう10年近く担当してきた。彼女には、同じく10年近く働いてきた同僚がいて、2人3脚で仕事をこなしてきた。プロジェクト自体が特殊な業務なので、他の人に任せるのは難しかったそうだ。
その同僚がこの春に異動になった。新人が来てもすぐには使い物にならないため、Aさんは春から実質的に1人で業務を回さなくてはならず、その覚悟もしていた。
新人にはいわゆる「派遣社員」が雇われる予定だったため、新年度になるぎりぎりまで人事は難航していたそうだが、土壇場で決まった人物が、他社の同種のプロジェクトで働いていた経験のある人だったため、Aさんの上司も含め、皆喜んでいたという。
実はAさんは、夫が夏に海外赴任することになり、6月までに引継ぎを済ませたかった。仕事のことが全くわからない素人が来たのでは、引継ぎだけで、数ヵ月かかる。そのことを考えれば、経験者が来てくれるのはまさに「渡りに船」だった。
新しく入った人物も女性で、Bさんといった。Bさんは性格も社交的で、人間的に問題はなかったのだが、彼女が職場に来て2週間ほどで態度が大きく変わった。
というのは、引継ぎに必要な情報を話しても、翌日には「聞いてません」「存じません」と返答が返ってくることが多くなったからだ。Aさんは、その後口頭ではなく、メールで用件を送るようになったが、「あ、メール見てませんでした」「そんなメール、受け取ってないです」といった具合で、全く仕事を覚える気がないように感じる。
上司から何か聞かれても、「それ、まだAさんから何も聞いてないです」と答えるため、Aさんは上司から「ちゃんと引継ぎをやってくれ」と言われた。
性格的に問題があるようにも思えないし、日常の会話は楽しくしているので、Aさんはどう対処すべきか悩んでしまった。
しかし、Bさんがそのような態度をとっていたのには、理由があったのだ。それが先日判明した。
Bさんはその週で辞める、と上司に報告していたのだった。理由は、「病気の父親のそばにいてあげたい」というものだった。しかし彼女には、兄弟がたくさんいて、父親のそばに住んでいる兄弟もいる。何より独身で1人暮らしの彼女が仕事を辞めて収入がなくなるリスクを負ってまで父親のそばにいてあげる理由は、よくわからなかった。
すぐに辞めるのは気が引けるので……。
新人の都合に翻弄された先輩社員の落胆
少なくともはっきりしていたのは、Aさんが6月で辞めるのを聞いてから、Bさんの態度が変わったことだ。実はBさんは、大変な業務を引き継ぐのが嫌で、すぐに辞める決心をしたのだが、「1ヵ月もしないうちに辞めるのはさすがに気が引けるので、1ヵ月だけ勤めた」というのが真相のようだ。
Aさんは落ち込んでいた。Bさんがすぐに辞めるということよりも、そんなBさんに2週間以上、自分の仕事を減らして、引き継ぎのために骨を折っていた努力が無駄になったことに対して、落ち込んでいたのだった。
その後Aさんは気を取り直して、6月までに是が非でも継続業務は終わらせ、その後入ってくる人に引き継ぐ事項は最低限にしよう、と奮闘している。
このことは、今の日本の職場が抱えている問題を象徴する出来事だと筆者は感じている。
実はBさんの経歴を見ると、色々な仕事を転々としていて、Aさんと同種の他社のプロジェクトで働いてはいたが、最も大変な立ち上げ時と終了時には、そこで働いていない。特に終了時の大変な時期に、すっぱりと辞めている。
チャレンジせずに逃げる人
チャレンジして学ぶ人
ここからわかるのは、Bさんは「できるだけ面倒な業務はやりたくない」という方針で仕事をしていることだ。
この考え自体、特に悪いものではない。できるだけ少ない作業で多くの実りを得る「効率的」な仕事の仕方につながるからだ。
しかし、Bさんに決定的に欠けているのは、「チャレンジングな業務に挑んで自分を伸ばそう」と思うメンタリティだ。将来の自分への投資と考えて、目の前にある仕事にチャレンジする、とういう発想はないようである。
その点、Aさんは逆だ。今となっては1人でこの状況を打破することで、ステップアップできると信じて仕事をしている。
彼女らの仕事に対する考え方の違いは、根本では「仕事と自分との関係」についての見方の違いが原因となっている。
少し極端に言うならば、Bさんにとって、仕事とはお金を稼ぐための手段であり、少ない仕事量で多くのお金を得ることが望ましい状況と言える。それに対し、Aさんにとっては、仕事は自分を成長させる機会を与えてくれるもので、チャレンジングな仕事から学べるものが多いと考えている。
むろん、Aさんだって100%きれいごとを言えるはずもなく、「お金を稼ぐ手段としての仕事」という側面も認識している。だが、少なくとも上記のBさんの状況では、Aさんは引継ぎを拒否して辞めるという選択はしない。それが職場の他の人に与える影響も考えるだろう。
つまり、職場の環境や仕事がチャレンジングでも、そこから何かを学ぼうと思う人とそうではない人の間には、大きな違いが生じるのだ。
筆者はそれこそが最近の「ゆとり社員への不満」の正体だと思っている。飲み会に参加しないとか、「それ、教えられてないんでできません」と言って仕事をしようとしない、という行動の1つ1つは、大した問題ではない。問題なのは、その背後にある「仕事に挑み、それを糧にする意識」の欠如なのだ。
仕事に挑み、そこから学ぼうとする人は、まず仕事を大切にする。それをやることに真剣になる。わからないことを自分からわかろうとし、調べ、人に尋ねる。仕事をしていくら稼げるかではなく、仕事を通じて、自分自身がどれだけ発展できたかを気にする。成功ではなく成長を求めるのだ。
そうしているうちに、仕事が無性に面白くなる。仕事に真剣に向き合っていれば、仕事もまた期待に応えてくれることに気がつくのだ。
若い世代で薄れる「成長」の意識
暗黙知に代わり形式知が溢れる職場に
今の若い世代の間では、こうした意識が急速に薄れているような気がしている。
それはなぜか。筆者自身は、若い世代は「仕事から学ぶ」ことの大切さを認識できていないからだと考えている。そして、その本当の理由は、仕事から学んでも、それを将来活かせる可能性が低くなってきたからだと思っている。
このコラムで何度も述べているように、21世紀に入ってから、日本の労働者の流動性は極端に高くなった。このことは、多くの人が職場を辞め、また新しい人が入ってくる、というケースが増えていることを意味する。
そのような状況では、時間をかけてじっくりと学ぶ「暗黙知」はなかなか継承されず、文書化、マニュアル化をしやすい「形式知」のみで仕事が回る。冒頭の例のように、その業務に長年関わっている人でなくてはできないような仕事は、「暗黙知」の部分が多いため、引き継ぎのコストが非常に高くなるのだ。
そして、たとえ仕事を一生懸命やって「暗黙知」を得たとしても、すぐに職場が変わる可能性が高いならば、新しい職場でその暗黙知が役に立つとは限らない。むしろ、役に立たない可能性のほうが高いだろう。
そのように考えると、コストをかけて現在の職場の暗黙知を学ぶ意味がなくなる。表面上のマニュアルのみを憶えて、あとは適当にしのぐほうが個人にとっては楽だろう。
冒頭の例のBさんは、現在の日本の状況に適応して行動しているだけなのだ。それを「無責任」とか「社会人としてどうか」とむやみに批判するのは間違っている。
むしろ考えるべきは、Bさんのような人が、1つの職場に長くしっかりと勤められるような制度づくりだ。大手企業はすでに、自分を成長させる行動(英語の習得など)を推奨し、金銭的サポートや、人事上の好待遇などのインセンティブを与えるような措置を講じている。
学ぼうとする意欲のある人をサポートしているのだ。このことは、多少つらい目に遭っても、頑張ることができるきっかけも与えてくれる。
若い世代が仕事に挑むかどうかは
結局、上司と組織にかかっている
あなたが上司ならば、部下が仕事から何かを学ぶ癖をつけさせるべきだ。マッキンゼーなどでは、新人が入ってくると、毎日「その1日で自分はどんなバリューを身に着けたか」を報告させる。経験したこと全てから学ばせ、自分の中の進歩を自覚させるのだ。
こういった小さなことの積み重ねは、やがて大きな業務上のパフォーマンスの差を生み出す。そして、学ぶ部下にはどんどん「大変だがやり甲斐のある仕事」を与える。もちろん、体を壊さないように気をつけてだ。そして、部下の失敗の尻拭いは自分がやる。
これら全てが実行できたとき、部下は上司を尊敬し、上司から学び、職場に対して強いコミットメントを示すだろう。
最終的には、若い世代が仕事に果敢に挑むかどうかは、上司と組織次第なのである。私は今の日本には、それができるだけの潜在能力はまだまだあると思っている。「上司」に当たる中間管理職の世代が、それに気づくことができたとき、日本の会社組織は再び世界の注目を集めるに違いない。
http://diamond.jp/articles/print/35128
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/617.html
バカな論争
もちろん、他でタンパク質を補うなら肉なし生活でも問題はないが、
有害な添加物を避け、脂肪が過剰ではない、品質が良いものを選んで、適度な量を食べれば問題はない
そして適量とは、他の食品や、本人の体質、生活条件で変化する
いずれにせよ、食べ過ぎも0も、どちらも愚かな選択
>残念ですが屁理屈に付き合う暇はありません。
かってにレスして絡んできてちょっとこずかれたら付き合えないっておもしろい人だw
付き合えないけど、自分の発言によってとにかく一言言ってやらないと気がすまないって
心境にさせてしまったようですね。申し訳ない。
レスのお礼の代わりと言っちゃなんですが、わざわざピエロを演じて心をざわつかした相手を
喜ばすぐらいなら、このトピックはさっさと閉じて別のスレに行ったほうがよほど精神的にいいと思いますよ。
言い返せない相手に無理に絡んでもいいことは何もありません。
本当は、属国の日本人も半島やベトナムに尖兵として送られて、赤軍と殺しあうはずだったが
マッカーサーが失脚したお蔭で、ほぼ漁夫の利だけを得ることができた
フィフィの潜ってきた修羅はアジアの比じゃないのが分からないのかな?
朝鮮族が日本でマッチポンプを繰り返してアメリカの軍需産業を潤す構図はもう飽き飽きです
ホントの日本人ならオスプレイが韓国で墜落することを想定しておくものだ
この場合、誰が得して損するか、分かるだろ?日本人ならw
尖閣侵略を目論む中国にとって、日本の平和主義者ほど強力な味方はおるまい。
敗戦で武器を取り上げられた日本、づっとそのまま敗戦国を続けたい
ってのが共産や社民の偽善おばちゃん等だね
しかし全くポスト英米氏の言うとおりですね。
自分は親戚はころしたことないですがねw
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