今朝の毎日新聞(大阪本社版)でも「原発と倫理」と題して載っていましたが
隣には、なぜか大熊由紀子氏の記事が・・・・
今回は、先々週に掲載された記事です。青野さんが原発に疑問を抱いたきっかけは
旧科学技術庁官僚の
「数万年後に最終処分場の上がどうなっているか、誰にもわかりません」。
ということばだったということです。
青野さんが思わずつぶやいたように「ええ!?、そんなんでええんか〜」
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3・11後のサイエンス:原発と地球の時間=青野由利(毎日新聞)
毎日新聞 2013年02月26日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/news/20130226ddm016070013000c.html
原発に疑問を抱いたきっかけは、人それぞれだろう。私の場合は20年以上前、旧科学技術庁の官僚が原発のゴミについて述べた一言だった。「(放射能が減衰する)数万年後に最終処分場の上がどうなっているか、誰にもわかりません」。えっ、それでいいの、と驚いたのを覚えている。
人類が原発を使うようになって、60年。その間に大量の核のゴミが生み出された。無害になるまでの10万年は、「人間の時間」というより、「地球の時間」だろう。氷河期、巨大隕石(いんせき)の落下、火山の大噴火など何が起きても不思議はない。福島原発事故のきっかけとなった地震も「地球の時間」で起きる。1000年に1回、1万年に1回の確率を、「人間の時間」で考えるのは難しい。
日本は使用済み核燃料を再処理する国策をとってきたが、高レベル放射性廃棄物は残る。これを地下に埋め「地層処分」する方針だが、場所選びはまったく進んでいない。原発を動かすなら、耐震性もゴミも、「地球の時間」で考える必要がある。これを怠り、目先のことだけ考えてきたのが日本の政策ではなかったか。
今回、日本記者クラブの取材団に参加してオンカロを訪問したのも、「原発と時間」への疑問がくすぶっていたからだ。セキュリティー上の理由で人数制限があり、私は最深部まで入れなかったが、地盤、最終処分に対する電力会社の責任体制、自治体の受け入れなどが、日本と大きく異なっていることが分かった。それでも、「処分はこの世代の責任」という点で変わりはない。
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