http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/earthquake/40919.html
低線量被ばく細胞を自動分析可能に 福井大・安田教授が装置開発(に挑む
引用します
放射線が細胞に与える影響について解説する安田仲宏教授=福井県敦賀市の福井大附属国際原子力工学研究所
放射性物質に汚染された古里で安心して暮らせるのか―
原発事故で低線量被ばくの不安が続く福島に、科学はまだ明確な答えを示せていない
線量が低いと細胞への影響が非常に少なく、健康影響の判断が難しいことが一因だ
福井大附属国際原子力工学研究所(福井県敦賀市)の安田仲宏教授(放射線計測)はこの問題に、大量の細胞を自動で分析できる装置を開発し、挑もうとしている
名付けて「細胞解析工場」
今夏、装置第1弾を製品化する計画だ
一般人の年間の被ばく線量上限は1ミリシーベルト
国はこれを1時間当たりに換算した0・23マイクロシーベルト以下を除染の長期目標にしている
一方で現在の住民避難の目安は年間20ミリシーベルトで、さらに学校再開の目安として毎時1マイクロシーベルトという基準もある
佐藤雄平福島県知事は先月開かれた根本匠復興相らとの意見交換会で、「(年間20ミリシーベルト以下の安全性の根拠が示されないため)仮置き場の確保問題や観光、食(の風評被害)など、さまざまな問題につながっている」と訴えた
安田教授は「累積100ミリシーベルト以下の低線量被ばくは、広島・長崎など、100ミリシーベルト以上の被ばくデータから類推するしかない」と現状を説明する
放射線は細胞のDNAを傷つけがん化させるが、「低線量ではDNAが傷つくこと自体まれで、仮に傷ついても生物には修復する機能もある
影響が観察できることは非常にまれ」と言う
細胞レベルの実験は現状、放射線を当てた細胞を培養、染色し異常のあるものを数えるまで、人の手で行う必要がある
「細胞1千〜1万個が限界
たとえ低線量被ばくで1万個の細胞に影響がなくても、1万1個目にはあるかもしれず『影響はゼロ』と言えない苦しさがある」と言う
「細胞解析工場」の装置は人の手の100倍の細胞分析を可能にする
培養皿に入った細胞をベルトコンベヤーで次々と流し、カメラで連続撮影し画像化
自動で細胞の数などを解析し、パソコンにデータ表示する仕組み
千葉県のメーカーと共同開発しており、直径10センチの培養皿を1秒で映像化できる
「10万〜1千万個の分析が可能になる」と言う
安田教授が所属する原子力防災・危機管理部門は、同研究所が敦賀市に移転した昨年3月に発足
安田教授はそれに合わせ、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)から移籍した
福島第1原発事故では、現地対策本部の医療班副班長として、被ばくを伴う負傷者の搬送に関わった
「長期にわたる復興を担う人材育成が必要だと思った」と移籍の理由を話す
将来的には放射線照射や培養など一連の処理も自動化し「工場」とする構想で、今回のベルトコンベヤー装置がその一部となる
内閣官房原子力防災専門家グループの政策調査員も務める安田教授
「福島の事故で研究者は、健康への影響があるのかないのか明言できなかった
新しい装置を作って知見を重ねることで、時間はかかるが被災地の安心につなげたい」と話している
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/647.html