http://digital.asahi.com/articles/SEB201302260081.html
上関原発の免許判断先送り 山口知事、エネ政策見極め(朝日新聞)
中国電力が出した上関原発(山口県上関町)の建設予定地の海域埋め立て免許の延長申請について、山口県の山本繁太郎知事は、許可、不許可の判断を当面先送りする方針を固めた。不許可の方針を表明してきたが、安倍政権のエネルギー政策を見極めてから判断する方針に転換した。
開会中の県議会定例会で表明する見通し。県幹部らが明らかにした。
県は近く中国電に対し改めて質問を提出する。今回は回答期限を1年程度に設定し、この間は審査が続くため免許は失効しない、との立場を取る。安倍政権のエネルギー政策を見極めたうえで、原発建設の見通しを示すよう求める内容になる見通しだ。
すでに安倍政権は野田政権が打ち出した「2030年代に原発稼働ゼロ」の見直しを表明。新設に含みを持たせている。山本知事はこれまで原発政策について「国家が方針を決めればそれに従う」と述べていた。
山本知事の方針転換を受け、「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の山戸孝事務局次長は「明確な公約違反だ。いますぐ職を辞するべきだ」。推進派の自営業男性(37)は「知事も原発を不必要とは思っていないということ。無難な判断」と話した。
中国電は昨年10月に免許の延長申請を出したが、山本知事は当時の野田政権の原発政策があいまいなことを理由に不許可の方針だった。県の内規に従えば、申請から32日以内に審査しなければならない。
ただ、山本知事は中国電に対し、申請内容に対する補足説明を4回にわたって求め、補足説明を求めている期間は日数に含まれないとして、判断を留保。26日が内規の32日目にあたっていた。内規で定められた期間を超えて「審査」が続くことになる。