http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-17/2013021701_01_1.html
「しんぶん赤旗」 2013年2月17日(日)
除染でピンハネ/「最低賃金+危険手当」を下回る日当/危険手当ゼロでも「もらったことに」/福島県労連が「労働者110番」
福島県労連労働相談センターは、「除染労働者110番」(14日)に寄せられた16件の相談内容を16日までに公表しました。1万円の除染手当(危険手当)が支払われるべき国直轄の「除染特別地域」から7件の相談がありました。環境省が明示している「1日1万1700円+危険手当」をもらう人は誰もおらず、逆に「最低賃金+危険手当」の1万5312円を下回る日当しかないとの相談が3件もありました。
相談では、除染手当がまともに支払われていないことを隠す悪質な例もありました。危険手当が支払われていないのに会社から「もらっていることにしてくれ」といわれたという人や、「危険手当はもらわない」と一筆を書けといわれた人がいました。
「除染事業の元請けのゼネコンが受け取る金額は膨大なのに、ピンハネせずにきちんと払ってほしい」「原発の被害者で一生懸命働いているのに、何を考えているのか。やる気がなくなる」などの厳しい指摘がありました。
雇用保険や社会保険の未加入、交通費の未支給、内部ひばく線量を調べるホールボディーカウンターを受けるときは無給になることなどの苦情がありました。
国直轄の除染特別地域と放射線量に違いはない市町村実施の「除染実施区域」から、おもに「危険手当の対象にならないのか」との相談が5件ありました。
誇りと自覚もてる労働に
福島県労連労働相談センターの小川英雄所長の話 問題の重大さが浮き彫りになる相談でした。放射性物質を取り除く「除染」という労働の特別の危険を考えて「危険手当」が払われているものを、実際の作業に携わらないゼネコンなどがピンハネするなどは言語道断です。危険手当を「国直轄地域に出すが市町村実施地域には出さない」との制度も不可解で、改善すべきです。
除染労働者の無権利・不安定な雇用の実態も明らかです。労働者が確保できなければ除染が進まず、安心して自分の家に戻れません。安定した労働条件で除染労働者が誇りと自覚をもって除染に取り組める制度の確立を国に求めていきます。
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【関連記事】
ピンハネと劣悪な労働環境〜除染作業員「福島とつながる2.15労働者集会」で語る(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2013/0215shasin
「8畳の部屋に4人。粗末な食事。マスクは自腹。そして国から出ているはずの危険手当は払われていなかった」。2月15日、東京・日本教育会館ホールで開かれた「福島とつながる2.15労働者集会」(480人参加)で、福島第一原発「警戒区域」で除染作業に携わった2人の労働者が、劣悪な職場実態を語った。除染事業は大手ゼネコンが受注し、下請け・孫請けに流す多重請負構造になっている。「我々の仕事の元請けは赤坂に本社があるゼネコンだった。二次下請けは、東電100%子会社の尾瀬林業だがこれだけは許せない。医者と葬儀屋が一緒にやっているようなものではないか」と怒りをこめた。かれらは「全国一般ふくしま連帯労組」に加入。危険手当支払いを始め「人間らしい生活と労働」を求めてたたかっている。また集会では、ルポライター鎌田慧さんの講演、五十嵐史郎さん(福島県平和フォーラム代表)の「福島からの訴え」があった。(M)
(以下略)
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