現代史をざっと見ただけでも、丸腰のフセインが惨殺され、丸腰でもなかったがカダフィも惨殺された。それだけを見ても米国を親玉した欧米という強盗国家のゴロツキ度が半端ではないことはすぐ分かる。この頃ではフランス軍のマリ侵略もある。日本低国民がそのゴロツキ国家に脅威をあまり感じないのは、日本低国がその強盗の一味であるからである。よってこのことから、世界の大多数の国家の権力者は、この恐ろしいゴロツキ国家の集団に対抗する手段を模索するわけだ。ある権力者はゴロツキ国家に近づき、またある権力者はゴロツキ国家に対抗する。ベネズエラのチャベスなどは、国民のためにゴロツキ国家集団と対抗している1人だろう。その文脈のなかで、丸腰のフセインが惨殺されたのを見れば、核武装が必要だと考える権力者がいたとしても何ら不思議ではない。核産業そのものが国民と敵対するものだから、その意味は権力者のための核武装なのは言うまでもない。要するに朝鮮民主主義人民共和国の権力者の核武装はこの文脈では理解はできる。
ただし核武装すれば戦争を防げるかというと、それは正しくはない。歴史をひもとけば、核武装しているイスラエルを攻撃したエジプト・シリアの例があるからだ。もちろんイスラエルは核兵器を実戦配備して米国とソ連を脅した。それで米国から無償の武器援助をせしめた。まあ核兵器には、こういう使い方もあることは、世界の権力者は知っているわけだ。
そこで不思議に思うべきことなのだが、核兵器を200発以上も持ち、かつそれらを使おうとした過去があり、かつ日常的にアパルトヘイトと占領と土地強奪を繰り返しているイスラエルという国はなぜ欧米(国際社会の中でとりわけ声が大きい)から叩かれないかということだ。もちろんそれへの簡潔な答えは、イスラエルが欧米ゴロツキ植民地国家の最前線国家だからというものだが、要するにイスラエルは、欧米ゴロツキ植民地国家の本当にやりたいことを毎日やってくれている国家ということだ。
基準を普遍的に適用するなら、イスラエルは朝鮮民主主義人民共和国の数万倍叩かれなくてはならないが、そうならないのはそういう理由があるからだ。
巷間でささやかれている脅威というなら、図抜けて極大なのが毎日世界中で殺人を繰り返しているテロ国家アメリカなのであり、それを核産業に限っても、侵略戦争で大量殺戮、おまけに劣化ウラン弾を世界中にばらまき、ヒバクシャを世界中に造っているのもアメリカだということだ。反核・反原発にたつなら朝鮮民主主義人民共和国の核実験を非難するのは当然だが、それには日頃からテロ国家アメリカを徹底的に批判しているという基本がなければならないのである。
さて権力者の最後でひと言付け加えるなら、フセインとカダフィの惨殺との関連で是非記憶にとどめていて欲しいことは、イラクとリビアでは医療費・教育費が無料だったということだ。こういう善政は、多国籍企業には毛嫌いされることは明白だ。惨殺されたのは「医療費・教育費が無料という制度」だったと記憶しておこう。
私たちがゴロツキ国家の側に立って、なにがしの脅威をがなり立てる非倫理的意味を知りうる貴重な映像がNHKのBSドキュメンタリー(『アフリカ争奪戦〜“富”を操る多国籍企業〜』)で放映されていた。マーク・リッチ(メタル・トレーダー)という経済犯罪者が造った会社=グレンコアに移転価格などによって搾取されるザンビアの貧困(国民の8 割以上が、1日2ドル以下で暮らす貧困層)と、搾取で儲かる(グレンコアのCEO=アイバン・グラセンバーグが住み税収が莫大に増え、結果市民減税7%)スイス・リュシリコン市民を対比してた。その市民の中の2人(夫婦)が、減税分2%をアフリカ支援に戻す案を提案。しかし住民は圧倒的多数でそれを否決。リュシリコン市民の無関心と低い倫理感は際立っていた。
無関心だから朝鮮民主主義人民共和国の核実験だけが脅威に思える。そう騒ぐマスコミに洗脳される。東電によって放射能で汚染されていることも忘れて、中国の大気汚染で騒ぐ。それも呆れたことに、偏西風に乗らして日本によこすな!とかほざいて。言うまでもなく中国の大気汚染でもっと多く死ぬのは中国国民である。あるいはタバコを吸いながらのPM2.5批判とか(笑)。
「木を見て森を見ない」のは総じて罪悪である。