阿修羅を読まれているかどうかわかりませんが、お久しぶりです。
エンセンさんへの呼びかけという奇妙な形式と雑談板という場所を選んだのは、ネタが陰謀論の最たるもので、あっしらはとうとう逝ってしまったというような反応を避けるための措置です(笑)。
それはともかく、フセイン拘束報道後のエンセンさんの「ブッシュがイラクへ突然訪問した事実がやはり何か臭う」の一言が、私の頭の中で「ブッシュ大統領バグダッド電撃訪問」と「フセイン救出作戦」をリンクさせたという経緯もあるので、新情報をエンセンさんに伝えるというかたちにさせてもらいました。
何より、“見えている世界”がある程度似ているという思いが、エンセンさんに語りかける安心感の源泉です。
どっちが真実だとか、何が正しいといったことを問題するわけではありませんが、陰謀論サイトの阿修羅でさえ、多くの方々との“見えている世界”のズレに悩んでいます(笑)。
敗戦責任さえうやむやにされてきた日本の歴史を考えれば当然のことなんですが、昨年暮れの総選挙で、“多数派の日本人は原発事故による放射能大量放出に対してさえ責任を追求しない”という姿勢を見せました。
それまでもそう思ってきましたが、国政選挙の結果は、主要メディアの論調で決まるものという現実がより明瞭に示された総選挙でしたね。
そのような現実を目の当たりにすると、あれやこれや文句を言っても始まらないという気分にもなりますが、即効性を期待しないで書き続けていきたいとは思っています。
年明けに、エンセンさんなら知っている私が大好きなアジアの都市に遊びに行っていたとき、ホテルの部屋に配達された日経新聞の一面に、「給与を増やしたら法人税減税」という見出しが踊っているのを見てビックリしました。
財務省が10年前の私のアイデアを採用したのかはわかりませんが、何にしろ、財務官僚を自称していた匿名希望さんは経緯を知っているわけですから、どこかで苦笑いしていることでしょう。
アイデアの借用は誰であれご自由にというスタンスですが、政策としては、時機を逸しているし、手法も半端だし、何より、消費税増税の緩和策として利用していることに腹立たしさを覚えています。
それはともかく、現実的な効果は薄くとも、メッセージ効果はあるし、やらないよりはましな政策だと思っています。
政府が民間企業の給与の支払いに補助金を出すような“愚策”とわかっていながら、「給与を増やしたら法人税減税」という政策を打ち出さざるを得なくなった財務省の“苦悩”や“苦渋”の深さを理解できない経済界の愚かさにめげてしまいます(笑)。
この問題も、別の機会に説明したいと思っています。
「給与を増やしたら法人税減税」という新政策の話を持ち出したのは、そのような政策を提言し自称財務省官僚とやり取りしたのが02年で、表題の事件が起きたのが03年ということで、ごく短い期間に10年前の“世界”に引き戻される出来事に続けざまに遭遇したという奇妙な体験をお知らせしたかったからです。
※ 参考投稿
「【「デフレ不況」からの脱却をめざして】 グランド・デザインを持ちつつも、まず第一歩の政策実施を [政財界が望む「法人税減税」の活用方法]」
投稿者 あっしら 日時 2002 年 8 月 29 日 21:43:46:
http://www.asyura2.com/2002/hasan13/msg/284.html
貴殿の政策アイデアの本質
投稿者 匿名希望 日時 2002 年 8 月 30 日 07:33:31:
http://www.asyura2.com/2002/hasan13/msg/302.html
旅先から帰国した翌日に、フランスのマリ内戦介入が報じられ、ほどなく、あの「アルジェリア人質事件」が発生しました。
「アルジェリア人質事件」も、当初は疑いのレベルでしたが、いろいろ見聞きしていくなかで、事件は英仏の謀略によるもので間違いないと判断するに至りました。
多くの日本人が友好国と信じる国々の謀略によって殺されてしまったのが、「アルジェリア人質事件」の内実です。
武装勢力も32名が死んだということですから、英仏の情報機関などとつるんでいるのは武装組織のトップだけで、実働部隊は、大義のためと信じ、死をも厭わず作戦に参加したのでしょう。
イスラム絡みではこのような奇妙な謀略事件が頻発するので、あまり深入りしたくありません(笑)。第二次世界大戦もごろごろ奇妙な謀略事件が起きましたが・・・(笑)
1月30日にBSフジで放送された「プライムニュース」に出演した森本前防衛相も、人質事件に関してそのような裏側に気づいているようで、施設の主要運営主体でなぜか基本の警備にも責任を負っていたBPも絡む謀略の可能性を示唆していました。
人質事件の問題も別の機会に詳細な説明をしたいと思っていますが、新聞やテレビで報じられた内容をつなげて状況をイメージすれば、あの人質事件が虚をつかれて武装勢力に施設を占拠されたことで起きたというようなものではなく、防御すべき組織や国家機構が“イスラム武装勢力にやらせてやった”結果の事件という事情が透けて見えるはずです。
事件が発生した時点で、“本物”のイスラムテロであれば、交渉が行き詰まり身の破滅を意識した時点で、西側とアルジェリア政府の“膨大な経済権益”である天然ガス施設を破壊すると思っていました。
しかし、結果は、天然ガス施設の損傷はわずかに黒こげができる程度で、すぐに操業が再開されました。
たぶん、武装組織のリーダーから、施設の本格的破壊は避けるよう指示が出ていたと思います。武装組織内でも衛星電話がじゃかじゃか使われていたそうですから、傍受しているはずのそれらが公開されれば、内実がより詳細に見えてくるはずです。
英国やフランスのニュースを見てきた限りの話ですが、日本のように遺体が帰ってきた様子や遺族のコメントが流れることもなく、不謹慎ながら、それらの国民に本当に犠牲者がいたの?と疑いたくなります。アフガンなどで死んだ兵士の遺体帰還は、その都度映像が流れています。
謀略の目的は、日本人の意識にイスラム武装勢力の脅威を強く浸透させることであり、日本に兵力や金銭を供出させることにあるのだろうと思っています。(日本政府は、UNにですが、早速1.2億ドルの供出を決めました)
公式発表によれば日本が最多の犠牲者を出していますが、それは、おそらく、日本人を人質として連れ出せば、「日本政府は、地球より重い人命のために努力を惜しまない」という考えを現場の武装勢力に吹き込んでいたからではないでしょうか。とにかく日本人を捜し出し、日本人を車両に乗せて連れ出せという命令があったように思えます。
テレビや新聞がほとんど触れていない事実として、あの天然ガス施設は、新聞やテレビが使っていた地図のように、砂漠の真ん中に一つだけぽつんとあるわけではなく、武装勢力の侵入経路とされるリビア側にもいくつかの天然ガス施設がある“重要資源地帯”のなかの一つであることを指摘したいと思います。
リビア西部ガスプロジェクト(WEST LIBYA GAS P/L)の中心であるワファ・フィールド(ワファ砂漠:NC169鉱区)は、人質事件が起きたイナメナスからわずか50〜60Km離れているだけです。
ワファ・フィールドから地中海までは、天然ガスを送るパイプラインも敷設されています。今回の人質事件で多数の犠牲を強いられたあの日揮も、ワファ砂漠で処理プラントを請け負っています。そのような事実から、日揮幹部も、事件の成り行きに釈然としない思いがあると思っています。
リビアから来たと言われるあの武装勢力は、そのようなリビア側の“重要資源地帯”を通過して、隣国アルジェリアのイナメナスに攻撃を仕掛けることができたのです。
※ 参考投稿
「[人質事件]外国で世界に向け“失言”した安倍首相:「日米同盟」の空虚さを露呈した“情報疎外”:「マリ内戦」と今後の世界」
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/154.html
今後の世界は、イスラム教徒を中心とした“近代的価値観や近代的支配(統治)構造にまつろわない人々”を排撃するための「対テロ戦争」と、国際金融家やグローバル企業の利益を最大化するために先進国多数派国民の生活水準を切り下げることも厭わない「世界諸国民の生活条件平準化」を進める動きが並行していくものになると考えています。
むかし書きましたが、西側の対イスラム政策の最終ゴールは、イスラムを政治思想や統治方式そして経済思想から切り離し、“心の中だけの信仰”にしてしまうことです。
まさに、フランス革命が象徴的だったキリスト教の“政教分離”と同じものと考えればわかりやすいと思っています。
かつてはという国も含むいわゆる共産主義(国家)は、近代的価値観の最たるもので、無神論的精神性から反イスラムの急先鋒になりうる存在です。
それらをことさら言うまでもなく、ロシアや中国の現状を見れば、陰謀や意図の有無にかかわらず、“彼ら”の価値観との親和性がわかります。
ロシアはチェチェンをはじめカフカス地方を中心にイスラム問題を抱え、中国も、ウイグル自治区(東トルキスタン)問題を抱えています。
アフガニスタンが“西側諸国”に奪われたことで、イスラム主義を統治の基礎に置く国家はなくなりました。
(ムスリム同胞団が政治的多数派を占めているエジプトも、内実は軍部統治国家です。サウジなどは、イスラムの仮面を被るえげつない利益集団に統治された国家です。イランは、フランスに庇護されていたホメイニ派が最高権力を掌握している国家です)
動員をかけられた周辺諸国は気乗り薄で資金にも困っているためうまくいっていないようですが、マリ内戦介入の形態に見られるように、西側諸国と対象国家の支配層が一体となって、その地域内のまつろわぬ人々を排撃するという、まさに帝国主義植民地時代と同じ構図の「対テロ戦争」が続くことになるでしょう。
北及び西アフリカに西側諸国が本格介入に踏み切ったことで、チュニジアに端を発した“アラブの春”や西側のお仲間であるカダフィ政権が消滅した理由が見えてきました。
“アラブの春”は、シリアでその実態が激越に表面化しているように、“アラブの混迷化”です。
その狙いは、イスラム主義派と世俗派の対立を強め、西側の介入に支えられた政権でなければ統治がうまくいかないと思わせることであり、西側の価値観を受け容れないムスリムのあぶり出しだと思っています。
リビア南部はトゥアレグ族の地盤ですから、彼らを徹底的に掃討したいと思ったら、リビア南部地域においても軍事作戦を展開する必要があります。
リビアを現状のようにしたことで、軍事拠点や協力者としてリビアを利用し、まつろわぬムスリムのあぶり出しもできると思っているのでしょう。米国の無人機もリビアから飛び立っているようです。
カダフィ大佐は、フセインと同じように、身に危険が迫る前にフランス情報機関によって“救出”されたと思っています。カダフィ政権と西側諸国の親密な関係は、政権崩壊後、ぽろぽろと表に出てきています。嫌いな人ではないのですが、カダフィは、二次大戦後の英仏統治時代に育成された人物だと見ています。
昨今、イスラム世界で騒動の中心になっているチュニジア・シリア・リビア・アルジェリア・マリは、揃って、かつてのフランス植民地(保護国)です。政治家はともかく、軍部・情報機関・公安組織とは深いつながりが維持され続けています。
これからの世界で、アフガニスタン侵攻やイラク侵攻のような激越で衝撃的な戦争は起きないと思っていますが、“静かで陰湿なテロ勢力掃討戦”がインドネシア・フィリピンミンダナオ島を東の端とし、ユーラシア大陸のほとんど地域とアフリカ北部&西部で続くと考えています。
“静かで陰湿なテロ勢力掃討戦”と無関係でいられるのは、南北アメリカ大陸を別にすれば、日本・朝鮮半島二ヶ国・台湾など極めて限られた国々です。タイやインドも大きな影響を受けます。
西側諸国の勢力を駆逐できそうな地域はアフガニスタンですが、西側諸国は、来年末の戦闘部隊撤退をにらみ、反タリバン派諸勢力の戦闘力を高めるとともに、タリバン勢力の懐柔(取り込みや切り崩し)に動き、なんとか元の木阿弥になってしまう事態を避けようとするようです。
「対テロ戦争」の帰趨は、「対テロ戦争」の原点であるアフガニスタンの勝敗にかかっているように思えます。
一方、先進国では、多数派国民の生活水準は今後も切り下げられていき、貧乏人同士の相互扶助政策がさらに強まっていくはずです。それは、ユーロ危機=欧州銀行危機から現在に至る西欧諸国の動きで明瞭にわかります。
いろいろ勝手なことを書きましたが、近代世界最後の“決戦は”、国家統治や国民経済をめぐる欧米的価値観と中国的価値観の衝突だろうと思っています。
欧米的価値観を個人主義的価値観、中国的価値観を全体主義的価値観と置き換えて考えるとわかりやすいかも知れません。
とくに米国ですが、日本に対するあれこれの策動は、日本を欧米的価値観につなぎ止めることが主目的と思っています。
欧米諸国は、なんとしても中国的価値観(全体主義的価値観)が先進国国民の多数派にならないよう、情報操作(いやな言い方ですが“洗脳”)に精を出しています。
本題に戻りますが、これから説明する内容は、昨年末のクリスマス(12月25日)に、東京都も出資している東京MXテレビが放送した『アメリカ大統領専用機9.11決死の飛行とバグダッド隠密飛行』(ナショナルジオグラフィック向けにPARTISAN PICTURESが製作/MMIX NGC Networksのクレジット)を見て触発されたものです。
東京MXテレビは、「危険な未公開映画」を見るくらいで、番組チェックもほとんどしないのですが、電子番組表をめくっているとき、タイトルの一部に“バグダッド隠密飛行”という表現があることに気づき録画したのですが、それがとんでもないクリスマスプレゼントだったのです。
いつもながらのことですが、“彼ら”は、自分たちがやったころを黙って隠し通すことができない性格のようで、ドキュメンタリー番組などで事実をチラリズムで見せてくれます(笑)。
『アメリカ大統領専用機9.11決死の飛行とバグダッド隠密飛行』は、大統領専用機(大統領搭乗時のコールサイン:エアフォースワン)のパイロットをはじめ搭乗員が実名顔出しで登場し、W.ブッシュ元大統領やオバマ大統領までが出演するという“豪華版”で、機内の様子や運営実態などがけっこう細かく説明され、陰謀論とは無関係に面白いものでした。隠密飛行でバグダッド国際空港に着陸したあとの映像も流れました。
※ ブッシュ電撃バグダッド訪問に関する当時の記事
◎ その他の関連投稿は末尾にまとめてリストアップします。
「産経/共同【米大統領、極秘にイラク電撃訪問 駐留兵を慰労】朝日よりもずっと詳しい」
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/548.html
木村愛二さんの投稿
■ 奥参事官と井之上3等書記官は二つの偶然が重なったことで殺害
03年に、二人の日本国外交官がイラクで移動中に銃撃され亡くなりましたが、当時から、犯行グループは、反米武装勢力ではなく、米軍関係者との見方が広くなされていました。
二人が殺されたのは03年11月29日で、殺された場所はティクリートに至る幹線道路です。
二人の移動目的は、ティクリートで開催される予定だった「北部イラク支援会議」への出席です。
当時、阿修羅で両氏を殺害した目的をあれこれ書いたりもしましたが、「イスラム武装勢力のテロの脅威」を煽り、金銭的支援を含め日本を対イスラムテロ戦争に引きずり込むための謀略であるということくらいしか思いあたりませんでした。
おかしな説明の仕方になりますが、番組を見て、お二人の移動と支援会議がブッシュのバグダッド訪問(03年11月27日)よりも前であったり、場所がティクリート以外であったなら、お二人は殺されずに済み今も存命だったと考えるようになりました。
29日と30日の「北部イラク支援会議」の開催日時と場所は、当然のことですが、ブッシュ元大統領のバグダッド電撃訪問をまったく考慮しないまま決められたはずです。
大統領専用機に関する情報をできるだけ隠蔽するという“くだらない”目的のために、2名の日本外交官を殺した無慈悲で残虐非道な米国支配層をいくら責めても責め足りませんが、そのような経緯で支援会議の開催が決まったために、お二人にとんでもなく不幸な運命が舞い降りてしまったと思っています。
■ 2機が一体の編成で運用の大統領専用機のうち1機がティクリートに着陸した可能性
そのように考えたわけを東京MXが放送したドキュメンタリー番組に即して説明したいと思います。
ブッシュのあのバグダッド“隠密電撃”訪問は11月27日です。そして、お二人は、それから2日後の11月29日に殺害されました。
今になって考えれば、その関連性を疑って当然だったと言えるのですが、当時は、フセイン元大統領は秘かにバグダッド国際空港に移動し、秘かにエアフォースワンに搭乗して米国に向かったと勝手に思い込んでいたため、そのつながりに思い至りませんでした。
ところが、番組のなかで、大統領の身の安全をできるだけ守るよう2機で一体という大統領専用機の運用原則がたった一度だけ破られたことがあり、それがなんと、ブッシュのバグダッド電撃訪問のときだったと説明したのです。
ワシントンD.C.からイラク・バグダッドに向かった2機のエアフォースワンのうち、ブッシュ大統領を乗せていた本機はバグダッドに着陸したが、残り1機(予備機)は、その1時間前に、「イラク以外のある国に着陸した。それがどこかは未だ明らかにされていない」と説明しました。
そして、着陸した航空機(予備機)に「現地の人々が気づき、アメリカ合衆国(機体の側面に「UNITED STATES OF AMERICA」)と書いてあるのを見て驚いた」と状況を語り、予備機のパイロット(ターナー大佐)は、「いろいろ問題を処理しなければならないので、飛行機の整備をして欲しいとごまかした。乗務員全員が国際法違反で捕まっていたかも知れない」と冗談を交えて話しました。
まず、番組のなかで、空の上でも、本機と予備機は、不測の事態に対応できるよう離れず飛行すると言っているくらいですから、本機と予備機が別々の空港に着陸するというのは、米国大統領専用機の運用にとって、とんでもない“異常事態”であり、容認できない前代未聞の“掟破り”と言えます。
※ 番組は、ホワイトハウスからアンドルーズ空軍基地やキャンプデービットに移動するさいも、同型のヘリコプターを同時に5機ほど飛行させ、どのヘリコプターに大統領が乗っているのかわからないようにしていると、映像を交えて説明していました。
ターナー機長の説明から、予備機は、機体に不具合が生じるなどのテクニカルな問題でなく、「いろいろ問題を処理しなければならない」(何かの用事を果たす)ため、本機とは別の空港に降りたことがわかります。
次に問題になるのは、予備機は、バグダッド国際航空以外のどこの空港に着陸したのかということです。
イラク以外の国で本機がバグダッドに着陸する1時間前ということなら、距離的にそれほど離れているところではないはずです。ざっと列挙すると、シリア・トルコ・イラン・サウジアラビアですが、米国との表面的な外交関係から、シリアとイランはありえないはずです。
トルコやサウジアラビアには米軍ができる軍用飛行場もありますが、「現地の人々が気づき」「国際法違反で逮捕」云々というターナー大佐の話を考えれば、その可能性はないでしょう。
現在の大統領専用機は原型がB747ですから、3千メートル級の滑走路が必要です。そのような空港は国際空港クラスがほとんどですから、そこにエアフォースワンが突然舞い降りれば、多くの人目にさらされ、必ずや話題になり報道もされたでしょう。
また、着陸した空港がサウジアラビアやトルコであれば、「それがどこかは未だ明らかにされていない」というような扱いになる理由が見当たりません。
何より、ターナー機長の「乗務員全員が捕まってもおかしくない」という説明でわかるように、予備機は、空港官制に無通告のまま強制着陸を敢行していますから、サウジアラビアやトルコの大空港である可能性は極めて低いことがわかります。
本音はともかく、サウジアラビアやトルコの政権は、米国のそのような暴挙を黙って見過ごすことなぞ国民対策上できません。
このように考えると、「イラク以外のある国に着陸した」という説明はウソで、すでに米軍の占領状態になっていたイラクのどこかの空港に着陸したと考えたほうが妥当でしょう。
この件について、番組の別のところで、貴重な証言がありました。
ブッシュ大統領が搭乗した本機は、バグダッドに着陸にするときに目立たないよう、日が暮れるまでバグダッド上空を何度も旋回し、滑走路も無灯火の状態で着陸したというのです。
大統領搭乗機がバグダッド上空で無駄な時間を消費していたのなら、予備機が本機着陸の1時間前に着陸した別の空港は、バグダッドのすぐ近くであってもおかしくありません。
バグダッドより遠いというケースも考えられますが、ファルジャーなどがあるバグダッド西部やバスラなどがあるバグダッド南東部は、当時、戦闘やテロを含むいざこざが頻発するような不安的な地域でしたから、そのような地域に米国大統領専用機を着陸させることは無謀と言えますし、そのような場所に降りて何の用があるのか?という疑問に答えるネタも見当たりません。
イラク国内でバグダッドより北方と考えると、予備機が降りた空港として浮かび上がってくるのは、キルクークとティクリートです。もっと北の大都市モスルも地理的には該当しますが、今でさえクルド人・トルコ系・スン二派などが衝突するような政情不安定の地域ですから除外できるはずです。
ご存じのように、ティクリートは、フセイン元大統領の出身地であり確固たる牙城でした。12月13日にフセインを拘束したと報じられた場所も、ティクリート近郊です。
最後の難関は、それほど大きな都市ではないティクリートに、747クラスが離着陸できる(とりわけ燃料を満載しなければならない離陸が問題)空港があるのかという問題です。
ティクリートは、モスルやキルクークに較べるとずっと小さな都市です。
B747型航空機が離着陸できる空港があるかどうか調べてみると、さすがにフセインの牙城だけあって、現在は米軍のキャンプ・スペイチャー / Camp SpeicherになっているAl Sahra飛行場がありました。その空港には、2900mと2200mの2本の滑走路があり、手練れの大統領専用機パイロットであれば、搭乗人数や積載貨物も少ないこともあり、燃料満載でも2900mの滑走路で無事に離陸させられるはずです。
■ 奥さんや井之上さんはなぜ殺されたのか
ティクリートに大統領専用機が降り立ち、その機にフセイン(一家?)を乗せて米国に運んだということが事実であれば、奥さんや井之上さんがなぜ殺されたかも見えてきます。
ティクリートに降り立った航空機にフセインが乗って、飛び去っていったというところまでは見られていなくても、ティクリートにアメリカ合衆国の大統領専用機が降り立ったという話が伝わるだけでも、そこまでするような目的は何なのだろうと、大きな騒動になるはずです。
お二人が出席する予定だった支援会議に参加するティクリート有力者の耳にも、アメリカ合衆国の大統領専用機が降り立った事実は伝わっていたはずです。地元の勘の良い人なら、その目的がフセイン救出であることも推測したでしょう。
そうであれば、二日間の会議の場で、「そうそう、2、3日前にアメリカの大統領専用機がティクリートにやって来てね・・・」という話が出てくる可能性は高いと推測できます。
ことさら殺さなくても、奥さんや井之上さんに予め匂わせて口外無用と念を押しておけば、うぶな素人ではないのだから、機密の保持はできたと思いますが、それだけではあてにならないと思って殺害に踏み切ったようです。
当時の世界情勢のなかで、ブッシュ政権とフセイン政権がつるんでいたことが“発覚”すれば、911そのものも再検証の対象となり、以降の「対テロ戦争」も現実のようなかたちで遂行できなかったはずです。
そのような事態になることを回避するため、無慈悲にも、奥さんや井之上さんを殺害するに至ったと推測しています。
お二人と共に殺されてしまったレバノン人運転手は、誰が二人を殺したのかわからないようにするための口封じ工作だと思っています。
■ 同時期に起きた韓国やスペイン情報部員の殺害について
お二人が殺害された翌日(30日)に、ティクリートでの送電設備の補修工事に向けて移動していた韓国の送電設備業者が銃撃され殺されましたが、これも、フセイン救出作戦の情報をできるだけ秘匿する作戦の一つだと思っています。
※ 関連投稿
『イラクでの韓国人殺傷事件、幹線道路を走行中に銃撃 [読売新聞]【「10分後通りがかりの米軍車両に救助要請その20分後に救急車」:日本人外交官は???】』
( http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/1236.html )
日本外交官2名が殺害されたまさに同じ日に、スペイン情報機関員7名が襲撃されて殺害されています。場所がバグダッド南方で、フセイン派武装勢力による犯行の可能性が高く、彼らがどういう目的でそこを移動していたのかも不明なので、殺害目的に関する見解は保留させていただきます。
■ ブッシュとフセインが11月27日に会っていたという報道との関連性
フセイン元大統領の拘束報道が出たあと、11月27日の「フセイン救出作戦」とつながる面白い報道がいくつかありました。
予備機が降りた場所の特定は保留しても、米国大統領専用機が地元の住民に目撃されているのですから、何にしろ、その事実はすぐに拡散されたはずです。
そうであれば、米国大統領専用機の目撃とその場所をつなぎ合わせて、「ブッシュはサダムに11月27日に会った」というような報道や「フセインは3週間前に拘束」というイスラエル情報といったものが出てきても不思議ではありません。
「イランが「ブッシュはサダムに11月27日に会った」と報道
iribnews
2003年12月16日
イスラマバード発:火曜日に発行されたパキスタンの新聞は、米国大統領ジョージ・ブッシュ元イラク大統領サダム・フセインが11月27日に会談を持ったと主張する報道を行った。
Khabrainというウルドゥ語新聞は、いくつかの報告を引用しながら、ブッシュ大統領が突然のバグダッド訪問を果たした11月27日に、地位を去ったイラク大統領サダム・フセインに会ったと伝えた。
その新聞は、サダムが11月23日に自殺を企てたとも伝えた。
サダムは、自殺を試みる3日前に、クルド人指導者ジャラル・タラバニ氏とサダム自身の護衛によって拘束された。
その地方紙は、あらゆる国々に対し、サダムの捕獲に至る拘束や状況についてのストーリーに幅広い見方を提供した。
KH」
※ 関連投稿
「「フセインは3週間前に拘束」というイスラエル情報 [浜田和幸氏:日刊ゲンダイ]」
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1392.html
だらだらと長くなりましたが、『アメリカ大統領専用機9.11決死の飛行とバグダッド隠密飛行』を見たことで、ブッシュ政権による「フセイン救出作戦」、より言えば、「対イラク戦争のブッシュ−フセイン合作説」が確固たるものになったことを報告して終わりにさせていただきます。
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【関連投稿リスト】
※ 「フセイン救出作戦」に関する当時の見方
「「サダム・フセイン拘束劇」を読む − 妄想編:豊穣なる想像力と貧困なる想像力 −」
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1231.html
※ 対イラク戦争や西側諸国とフセイン政権の関係についての見方
「【「イラク侵略戦争」のこれまで】 「ブッシュ−フセイン合作」の“戦争劇”は終わった − その1 −
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/865.html
「「イラク侵略戦争」のこれまで】 「ブッシュ−フセイン合作」の“戦争劇”は終わった − その2 −」
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/868.html
「米国歴代政権とフセイン政権の“長期同盟関係”を読む − 「イラン−イスラム戦争」から現在の「イラク侵略戦争」まで −」
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/1033.html
「【イラク情勢】反フセイン派 Vs. フセイン派を軸にイラク・スンニ派の動向を考える」(ティクリート閥に触れている)
http://www.asyura2.com/0401/dispute16/msg/978.html
「フセイン大統領への最後の呼びかけ:イラクの「非武装国家宣言」を − 米軍の空爆を避けられなくとも“悪魔の所業”とできる英断 −」
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1074.html
「フセイン氏は「世界支配層のお仲間」だと思っています」
http://www.asyura2.com/2003/war24/msg/1050.html
「テロリズムそして国際テロリズムとは何か」
http://www.asyura2.com/sora/bd16/msg/438.html
「【世界は「大宗教戦争」のまっただ中にある】『十字軍』と『魔女裁判』は今なお進行している現実のものである」
〈その1〉http://www.asyura2.com/sora/bd16/msg/587.html
〈その2〉http://www.asyura2.com/sora/bd16/msg/588.html
〈その3〉http://www.asyura2.com/sora/bd16/msg/589.html
※ 日本外交官2名殺害事件関連投稿
「ティクリート日本外交官殺害事件」を読み解く 【二人のパスポートを米軍が“回収”:二人の遺体の扱いに激怒し米国に抗議しない日本政府はカス未満!】」
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/814.html
「「ティクリート日本外交官殺害事件」報道のまとめ − その1 −」
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/572.html
「「ティクリート日本外交官殺害事件」報道のまとめ − 政府の反応や社説 −」
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/573.html
「テレビ朝日「サンデープロジェクト」がイラク外交官銃撃「米軍誤射説」を俎上に」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/848.html
★ 以下、「なるほど」さんによる投稿
「日本人外交官殺害の真相?[青山貞一氏/環境総合研究所]【サンプロ】」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1036.html
「日本人外交官殺害の真相?(2) [青山貞一氏/環境総合研究所]【誤射の可能性に言及する記事はゼロ】」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1076.html
「日本人外交官殺害の真相?(3)]【米軍はなぜニセの事故情報を発表したのか。その目的は何か】」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1077.html
「日本人外交官殺害の真相?(4)【日米両政府はグルになって何かを隠している(マスコミも)】」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1078.html
「日本人外交官殺害の真相?(5) [青山貞一氏/環境総合研究所]」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1079.html