22. 母系社会 2013年2月01日 00:04:02 : Xfgr7Fh//h.LU : ucHknvsOc6
●尖閣戦争の勝敗はわからない
1982年のフォークランド戦争では、旧式の武器しか持たないアルゼン
チン軍が、当時、最新式の「エグゾゼ」空対艦ミサイルを、たったの5発
保有していたために、イギリス空母艦隊はフォークランド諸島に近づくこと
ができなくなりました。
それで、遠くからハリアー戦闘機を飛ばしたので、ハリアーはフォーク
ランド上空に短時間しかいられなくなり、イギリス軍の上陸作戦を十分
に援護できなくなったのです。
その結果、当時、既に旧式化していたアルゼンチン空軍のスカイホーク
戦闘機が大活躍して、爆弾で駆逐艦など4隻を撃沈。また、たったの5発
しか保有していなかった「エグゾゼ」で、フリゲート艦など2隻を撃沈し
ました。
実は、アルゼンチン空軍のスカイホークは、その他4隻にも爆弾を命中
させ、大破や中破で戦線離脱させました。これらの艦が沈没しなかったのは、
投下した高度が低すぎて信管が機能せず不発であったためです。
ですから、かろうじてイギリスは勝てたのであり、イギリス艦に命中した
爆弾が全て爆発していれば、イギリス軍は10隻もの艦を失い、フォーク
ランドを占領できず、負けたかもしれないのです。
つまり、少数であれ、最新式の武器があれば、戦争の勝敗はわかりません。
●中国軍の軍備は不明
そこで、中国軍の軍備が問題となるが、確かに大半の武器は旧式で
あることは間違いありません。
しかし、フォークランド戦争ではたった5発の「エグゾゼ」がイギリス軍
の戦闘能力を大幅に制限し、危うく負けるかもしれなかったのです。
そして、中国がどのような兵器を持っているのか、日本の軍事評論家は、
誰も正確には知らないはずなので、自衛隊が必ず勝つとは誰も断言でき
ないはずです。
たとえば、中国は10年以上前から、ロシアの超高速対艦ミサイル
「モスキート」を装備したソヴレメンヌイ級駆逐艦を合計4隻導入
し、30発以上の「モスキート」を保有しています。「モスキート」
は、その存在が明らかになった時、米軍には撃墜不可能という評価さえ
あったマッハ2以上の超高速ミサイルで、最後には撃墜を防ぐために、
S字運動をしながら突入します。(米軍や自衛隊の対艦ミサイルは音速
以下です)
中国は10年以上前に「モスキート」を保有したのですから、既に、
「モスキート」を改良したロシアの「ヤーホント」のようなミサイル
を保有しているかもしれません。
この「ヤーホント」は3発単位で編隊を組み、米国製ミサイルの2倍
以上の超高速で接近し、自衛艦に近づくと先頭のリーダー役のミサイル
だけがアクティブレーダーで自衛艦の位置を捜索し、結果を他の2発に
無線で伝えて照準させます。またレーダー警戒装置が搭載され、必要に
応じて回避運動も行うミサイルです。
アクティブレーダーを作動させると自衛艦に発見される可能性があり、
先頭のリーダー役のミサイルが撃墜された場合、自動的にリーダー役
が替わり、攻撃を続けます。ですから、このミサイルは、組織的に
攻撃するロボットのような対艦ミサイルなのですが、こうしたミサイル
を実践配備しているかもしれないのです。
「モスキート」や「ヤーホント」のような超高速ミサイルは日本は
もちろんですが、米国も持っていませんので、これで「飽和攻撃」
されたら、世界最高の防空能力がある米軍の空母部隊でも、恐らく
迎撃不可能です。(日本は開発中:XASM-3)
しかも、「モスキート」や「ヤーホント」の射程距離は200キロ
以上もあり、艦や航空機だけでなく地上からも発射でき、尖閣諸島
は中国本土に近く、本土から発射しても尖閣まで十分に届くので、
おそらく、自衛艦は尖閣近辺には近づくことが出来ないと思います。
ですから、中国軍が「ヤーホント」のような最新式の超高速ミサイル
を保有していたら、尖閣は航空自衛隊の戦闘機だけで守らなければ
なりません。
その場合、中国軍が500隻とか1000隻もの漁船などの小型船
を動員して兵士を乗せ、押し寄せて来たら、航空自衛隊だけでは防ぎ
きれないでしょう。
●米軍は尖閣戦争に介入しない
もし、中国兵が尖閣に上陸したら、どうなるでしょうか?元外務省の
高官だった孫崎亨氏は、アメリカは尖閣を日米安保の適応範囲と言明
しましたが、これは日本向けのリップ・サービスで、米軍は絶対に介入
しないと言っています。
その理由は、日米間では尖閣のような島は自衛隊が防衛すること
になっているので、中国が侵攻してきても、自衛隊が中国軍の尖閣
への上陸を防いでいる限り、米軍は介入しないのです。
そして、中国軍が尖閣に上陸したら、その瞬間に尖閣を管轄している
のは中国となり、管轄しているのは日本ではなくなるので、安保条約
第5条は日本が管轄していることを介入の条件としていることから、
適応外となり、米軍には介入する義務が無くなるのです。
それで、どちらの場合でも米軍は介入する義務は無いので、日本が
勝っても、負けても米軍は介入しないということです。
もし、介入しなかったら、米国は約束を守らない国として信用を失う
から、必ず介入するという議論もあります。
しかし、万一、尖閣戦争が起きて、日本を支援するために米軍が介入
したら、世界初の核兵器保有国=中国と米国=の正規軍同士の戦争
となります。
ですから、世界中の国が核兵器保有国同士の戦争が核戦争に発展する
ことを恐れて反対するはずです。
そこで、世界中が反対していることを言い訳にして介入しません。
実際に米軍が介入した場合、何がおこるかわかりませんから、全面
核戦争に発展しかねず、万一核戦争になれば、本土の基地や政府機関、
経済インフラが核兵器で攻撃され、たとえ尖閣は守れても、肝心の
日本自体が消滅してしまいます。
だから、日本が尖閣で負けても米軍は介入しない方が、日本にとっても
良いのです。
当然、中国も米国は核戦争に発展しかねない尖閣戦争には介入しない
ことを知っています。
つまり、アメリカが尖閣は日米安保の適応範囲と言明したことを
喜んでいるのは日本人だけであり、そのような日本人は国際社会
の現実が全く理解できていない極楽トンボです。
●戦争は停戦の仕方や、戦後のことも考えなければならない
そもそも、戦争は勝てば良いというものではなく、停戦の仕方やその
後の日中関係の正常化の仕方も考えなければなりません。
今の共産党政権は、日本軍を中国から追い出して、中国の主権を回復
した功績で、独裁的統治を国民からも認められて始まった政権です。
ですから、中国が尖閣戦争に負けたら、今の共産党政権は統治する大義
を失って崩壊しかねないのです。そして、共産党政権が崩壊した場合、
中国では内戦が始まりかねなず、そうなれば多数の犠牲者がでます。
ですから、中国は核兵器以外のあらゆる兵器を使用し、何が何でも勝つ
ことを考えるでしょうから、戦争の展開は予測不可能。日本が緒戦に
勝ったとしても、そのまま停戦したら中国の敗北が確定するので、中国は
停戦に応じないで長期化しかねないのです。
直ぐに停戦したフォークランド戦争の場合も、国交回復にはその後、
9年ぐらいかかりました。
また、日本が尖閣で中国軍に大きな被害を与えたら、たとえ、尖閣戦争
に勝っても、日本は中国市場を相当長期間は放棄しなければならず、
その後も再侵攻を防ぐための軍事費は莫大になります。仮に、約10年
もの間、日中貿易が途絶えたら、日本の経済的被害も甚大となります。
ですから、自衛隊は、中国軍に大きな被害が出ないように配慮して
戦わなければならず、自衛隊に大変困難な戦いを強いることになります。
タリバンのように、勝てなくとも持久戦に持ち込み、「負けない」
ことで事実上、勝つこともあります。
戦争は、部隊の運用次第で弱い軍が強い軍に勝つことも有り、やって
みないと誰にも結果はわかりません。