「先生奪わないで」“逆風”も撤回なし
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大阪市立桜宮高校の男子生徒の自殺を受けて、入試中止や教員の総入れ替えを求める橋下徹市長の発言は、在校生らの激しい反発を招いている。
橋下市長も会見やツイッターで「賛否両論ある」と“逆風”を認めつつ「ここで譲ったら子どものためにならない。ぼくの考えが間違いなら選挙で落とせばいい」と撤回するつもりは毛頭ない。
大阪市教育委員会の長谷川恵一委員長ら委員は18日、学校を視察。運動部の顧問や生徒から聞き取り調査を行い、「市長のやり方は個性なので認めるが、入試は実施してくれというのが基本的な考え方。教育内容なので、われわれが主体的に決めたい」と苦悩をにじませた。
同高体育科3年の女子生徒(18)は「市長から大切な学校を侮辱され、多くの生徒が傷ついた。私たちの先生を奪わないで」と切実だ。
現在、桜宮高校では文化系も含めてすべての部活動が中止。女子生徒が所属する部も対外試合をキャンセルした。
橋下市長が入試中止の方針を打ち出した翌日の16日、女子生徒は、学校を守るために自分たちに出来ることはないかと友人らと話し合ったという。「市長は『選挙で落とせ』と言うけれど、私たちには選挙権もない。私たちの声も聞かずに、『子どもたちのため』などと言わないで」と訴えた。(共同)
[2013年1月21日11時54分]