http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130117-00000006-pseven-soci
週刊ポスト 2013年1月25日号
東日本大震災1週間後の一昨年3月19日にYouTubeで、いち早く復興計画案を発表した大前研一氏。2013年になって明るみなった“手抜き除染問題”によって改めて注目を浴びている福島第一原発跡地について、前向きのプランを出すべきと提言する。
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福島県で放射性物質の“手抜き除染”が問題になっているが、「除染利権」は今後いっそう巨大化し、カネを垂れ流すだけに終わる可能性が高いので、政府は避難区域の線引きや放射線量の基準値を早急に見直すべきである。
たとえば、東京電力・福島第一原発の跡地である大熊町や双葉町をどうするのか? 両町は福島第一原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」になって住民が避難させられただけで、半ば放置されている。
だが、もう半径5キロ圏内は永遠に住めない、と宣言するしかないと思う。そして、その代償として、対象となる土地は国なり東電なりが買い取り、放射能を帯びた瓦礫の処分場などにする。
その金額が、たとえば1兆円とすれば、それで福島県内の別の場所に新たな大熊町、双葉町をつくる。そういうプランを出して前向きの話をしないと、避難先で苦労している住民たちに夢や希望は生まれてこないのだ。