安倍首相は、タンス預金を活用するための秘策を繰り出した
「タンス預金」30兆円を引き出す!? 孫の教育費を非課税に 1000〜1500万円が上限
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130109/plt1301091216003-n1.htm
2013.01.09 夕刊フジ
安倍晋三政権が緊急経済対策に盛り込む減税措置に、祖父母が孫などに教育資金を一括贈与した場合、贈与税の一定額を非課税にする措置を創設することが9日、分かった。非課税とする贈与額の上限は1000万〜1500万円とする方向で調整している。30兆円とされる「タンス預金」などを引き出し、景気浮揚につなげる意図もありそうだ。
「経済再生は最優先課題だ」と明言する安倍首相率いる新政権の経済対策の一端が見えてきた。現在でも、祖父母が孫の大学に授業料を直接払い込むのは、原則として贈与とみなされないが、入学時に大学4年間の授業料をまとめて孫に渡すのは贈与となり、贈与税がかかる。
今回、安倍政権は数年間の時限措置として、祖父母から孫などに教育資金をまとめて贈与した場合の贈与税を非課税にする方針を固めた。祖父母が信託銀行などに孫名義の口座をつくり、そこに将来の教育資金を贈与した場合に減税が適用される仕組みとする。
日本の個人の金融資産は約1400兆円あるが、多くを高齢者が貯め込み、うち30兆円がタンス預金となっている。今回の措置は、こうした資金の一部を若い世代に有効活用してもらう意図もありそう。
このほか、一定規模の雇用を創出した企業を対象に法人税を軽減する「雇用促進税制」について、減税幅を拡充する方向で検討に入った。同税制は年間の新規雇用者を5人以上増やし、かつ雇用者数を10%以上増加させた企業に対し、増やした人数1人あたり20万円の税額控除を認めるもの。これを1人あたり40万円に拡大する案を軸に検討する。
また、65歳以上の従業員を継続雇用した場合も、新規雇用と認める制度改正を併せて実施し、高齢者雇用の維持に努める見通し。
11日に閣議決定する緊急経済対策に盛り込んだうえで、与党の税制調査会が今月下旬に決定する2013年度税制改正大綱で詳細を決定する。
安倍首相の側近である菅義偉官房長官はかつて「100年に一度の危機には、100年に一度の対応が必要だ。政治家として強い意志と覚悟を持って進む」と語っていたが、今後もあらゆる措置が検討されそうだ。