16. 2012年7月28日 12:49:12 : Bm5YmpeCyg
アメリカの代理人
金貸しの間接支配とは、知識人の組織化⇒騙しによる観念支配@
「金貸しは集団を直接的に支配・統合することはできない」(『るいネット』「一枚岩になれない金融資本家たち」)
では、金貸しの間接支配とはどのようなものなのか? その典型が竹中平蔵氏である。以下、『アメリカの日本改造計画』(関岡英之+イースト・プレス特別取材班)の中の「竹中平蔵・宮内義彦の研究」(中田安彦氏)からの引用。
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アメリカは、世界各国から優秀な人材を、アメリカの大学に奨学生として学費の援助を与えることで呼び集め、アメリカ式の最新の教育を受けさせる。この背後には、アメリカの国家戦略としての意図が見え隠れしている。
戦後、日本は焼け跡から再出発するにあたり、いわゆる「ガリオア・エロア資金」や「ララ物資」などの経済援助を受けた。ロックフェラー財団の資金で、多くの日本人がアメリカの発展する光景を目の当りにした。戦後まもなくの日本人のアメリカに対する憧れの中で、アメリカと日本との「知的交流事業」が次々とスタートした。(中略)その狙いは、アメリカの国家戦略に協力する人材を育てることにある。
現在では、政治家だけでなく官僚、マスコミ関係者まで、多くの人たちがアメリカの大学やシンクタンクに受け入れられ、教育を受けている。これは一種の「洗脳」であると言っても間違いではない。
実はこの好例と言えるのが竹中平蔵氏なのである。
竹中氏は1973年に一橋大学を卒業した後、日本開発銀行に入行し、1981年にはハーヴァード大学、ペンシルヴァニア大学の客員研究員として研究生活に入っている。竹中氏はこの留学時に、当時ハーヴァード大学国際問題研究所の「日米関係プログラム」初代事務局長を務めていたケント・カルダーというジャパノロジストに出会っている。カルダー氏は、郵政民営化の際に行われた「首相官邸カンファレンス」のメンバーとして竹中氏の政策をバックアップしている。カルダー氏は、いわゆる「知日派」(アメリカと日本の二重スパイのような存在)として、クリントン政権における駐日米国大使の経済担当補佐官を務めていた。
竹中氏は1982年には一度帰国し、大蔵省財政金融研究室主任研究官を5年間務めた。この後、小泉内閣の経済財政諮問会議で席を同じくした経済学者の本間正明氏の尽力で大阪大学経済学部助教授の職を得た。ところが、この2年後の1989年に、竹中氏は今度はハーヴァード大学客員准教授、国際経済研究所(IIE)の客員フェローとして、牛場信彦元駐米大使の名前を冠した「牛場フェロー」の一員として、朝日新聞の船橋洋一記者とともに研究生活に入っている。
この国際経済研究所の研究員を務めたことが竹中氏の「対米人脈」を徹底的に強化した。このシンクタンクは、アメリカ最高のシンクタンクである外交問題評議会(CFR)と多くのメンバーが重なるシンクタンクで、初代会長となるのがフレッド・バーグステンという人物だ。彼はカーネギー国際平和財団やブルッキングス研究所の研究員を歴任し、アメリカ外交政策の重鎮であるヘンリー・キッシンジャー元国務長官に見いだされる形でカーター政権の国際経済担当次官補となったほどの大物であり、いまも海外の新聞雑誌に政策提言を寄稿して一目置かれている。
このカーター政権は、実はニクソン政権を支持していたアメリカの「非東海岸財閥資本」に代わってアメリカの政治・経済の中心に躍り出た「東部エスタブリッシュメント」という権力集団の強力なバックアップで誕生している。この東部エスタブリッシュメントの頂点に立っていたのが、ディビッド・ロックフェラー・シニアだ。ロックフェラー氏は、日本をアメリカ、欧州の政治家・財界人の間でつくる会員制民間交流組織「トライラテラル・コミッション」を宮澤喜一元総理などと一緒に73年に立ち上げたアメリカ財界の最後の大物である。IIEの理事会にもピーター・ピーターソン元商務長官(CFRの現会長でもあり、投資ファンド「ブラックストーングループ」上級会長でもある)ほか、ロックフェラー、キッシンジャーが参加している。
竹中氏は、カルダー氏に始まり、バーグステンを頂点とする1980年代のアメリカ人脈の形成を行っている。この過程で著されたのが、大蔵官僚の石井菜穂子氏との共著という形の『日本経済論争』(TBSブリタニカ、1988年)という、アメリカのジャパノロジストを総覧的に研究した本である。この時点での竹中氏の立場は阪大助教授。2年後に竹中氏は国際経済研究所(IIE)に招かれ、アメリカへの傾斜を強めることになる。
金貸しの間接支配とは、知識人の組織化⇒騙しによる観念支配A
引き続き、『アメリカの日本改造計画』(関岡英之+イースト・プレス特別取材班)の中の「竹中平蔵・宮内義彦の研究」(中田安彦氏)からの引用。
経済学者であった竹中平蔵氏が、金融担当大臣・郵政民営化担当大臣に登りつめ、アメリカの手先として辣腕を振るうようになる過程である。
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竹中氏は1996年に経済学者の加藤寛氏の「引き」で助教授に就任していた慶應義塾大学総合政策学部で教授のポストを得る。彼が小渕恵三内閣の経済戦略会議、森喜朗内閣のIT戦略会議メンバーに推薦されたのも、中曽根康弘政権の第二次臨時行政調査会の主要メンバーとして「官業の民営化」を推進してきた加藤氏の影響力の賜物だった。
森内閣が誕生して間もない2000年4月には、竹中氏は、大手広告会社・電通のクリエイターの佐藤雅彦氏と経済戦略会議の名前をもじった『経済ってそういうことだったのか会議』(日本経済新聞社)を出版。この流れの中で、彼は小泉内閣で民間出身の「学者大臣」として経済財政担当大臣に就任し、金融大臣、郵政民営化担当大臣の要職に就くようになる。
そして、竹中氏が経済財政担当大臣だった2001年12月に、彼とアメリカで交友を深めていたグレン・ハバート氏が大統領経済諮問委員会委員長の立場で来日し、静岡県御殿場市でマスコミをシャットアウトして行われた、内外の投資ファンドの重要人物が100人規模で集まった会合に出席している。この際、日本の不良債権処理ビジネスへの外資の参入について議論されたと見られている。
そして、2002年9月には日本の”経営危機”といわれた、大銀行に公的資金を注入して国有化し、外資に売却するという政策に露骨に抵抗した、当時の金融担当大臣だった柳沢伯夫氏と交代する形で、竹中氏が金融担当大臣を兼務することになった。この背景には、旧知のハバート委員長の後押しがあったといわれている。しかしハバート委員長は竹中氏と旧知の関係にあったために竹中氏を応援していたわけではない。
実は、ブッシュ政権の対日経済戦略として、日本に対する直接投資(日本企業の買収・合併)を推進するという政策文書が存在しており、この文書に従ってアメリカの経済政策は立案されていた。この文書は、2000年12月に出された、「新政権のための対日経済指針」という、アメリカの政財界の最高指令塔である「外交問題評議会」が作成したレポートである。
アメリカ財界の意志としては、はっきり言えば「アメリカの投資ファンドが日本の大企業を買い叩き、日本からアメリカに資金が流れるようにしろ」というものである。
このレポートのための作成チームには、竹中氏が客員研究員を務めていたIIEのアダム・ポーゼン研究員も含まれているほか、ブルッキングス研究所所属で日本の構造改革の遅れについてかねて批判していたエドワード・リンカーン研究員など錚々たる顔ぶれが含まれていた。
日本の知識人をシンクタンクやアメリカの大学で従米に染め上げる。対象となる知識人は、学界だけでなく政界・官界・マスコミにまで広く及ぶ。朝日新聞現主筆である船橋洋一氏もその一人である。同じく朝日新聞論説主幹である若宮啓文氏も米国ブルッキングス研究所客員研究員を経験している。おそらく電通にも相当数いるだろう。こうして戦後60年かけて、学界・政界・官界・マスコミに従米人脈が作り上げられてきた。
こうして、電通→マスコミが竹中氏をはじめとする従米人脈の言説を喧伝し、従米世論を作り上げ、従米政策を実現していく。それを日米の従米人脈が後押しする。中田安彦氏の記述から、この背後でロックフェラーをはじめとする金貸しが糸を引いていることは明らかである。その中核機関が外交問題評議会(CFR)や国際経済研究所(IIE)などのシンクタンクである。これらシンクタンクとは、金貸しにとって都合のいい正当化観念の作成機関に他ならない。
つまり、金貸しによる間接支配の最大の武器は、「騙し」による知識人の組織化(観念支配)である。目論見を実現するためには世論を金貸しに都合のいい理屈で染め上げなければならない。その尖兵となったのが学界・政界・官界・マスコミ界に棲む知識人階級である。4月28日の記事「金貸しがつくった三権分立」ではモンテスキューが挙げられているが、知識人の組織化はもっと古くから始まっている。おそらく中世キリスト教会(→十字軍遠征)やルネサンス期から、金貸しは知識人のパトロンとして、その組織化を始めている。これが金貸しの基幹戦略の一つである。
一方、支配のために人々を騙し続けなければならない、このことは今や金貸し支配の最大の弱点でもある(近いうちに彼らの弱点構造を明らかにしたい)。
また、このことから金貸したちの日本支配の次なる狙いも見えてくる。次のターゲットは日本の教育ではないだろうか。教育を支配することで、大衆を洗脳する。それが金貸しの目論む日本支配の完成形態ではなかろうか。
(本郷猛)
by hongou at 23:50
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歴史の裏を探っていくと、世界を支配するのはロスチャイルド家やロックフェラーなどのユダヤ系財閥にたどり着きます。そのパワーの源泉がユダヤ民族の不幸な歴史だとすれば、恐ろしいまでの民族の血を感じます。
戦争や飢えも全て彼らの計算のうちで、全てはお金の力でコントロールできる今の社会システムは根本的に間違っている、生物としての人間本来の正体ではないはずです。
土に汗する民 2008年05月22日 13:38
「土に汗する民」さま、コメントありがとうございます。
>全てはお金の力でコントロールできる今の社会システムは根本的に間違っている、生物としての人間本来の正体ではないはずです。
おっしゃる通りです。
生物としての人間本来の正体とは「自然の摂理」に他なりません。これは生物として数十億年にわたる進化過程で形成された、我々人類の存在の土台をなす実態です。
それに対して、市場は、特に投機の世界は実生活とは乖離した幻想世界です。人々にとってお金は第一価値であった時代は金貸しがその支配力を行使できましたが、お金が第一ではなくなると、金貸しの支配力は衰弱し、市場システム全体が実態のない幻影(砂上の楼閣)であることが顕になる。そんな時代に入ったのではないかと考えています。
http://www.asyura2.com/12/senkyo133/msg/572.html#c16