原発問題、TPP、消費税、行政改革など、問題山積の日本であるが、折から起こっているオキュパイ運動が示す富の偏りと雇用の喪失の問題こそが、世界共通の根本課題である。
これに対応するには、市場主義経済の問題を避けて通ることは出来ない。
また福祉行政の観点からは、財政の問題を避けて通ることは出来ない。
高速道路無料化や子供手当てなど民主党のマニュフェストの実現も、行政改革だけでは成就できないこと。
上記の根本問題に対応してこそのマニュフェストである。
それを事業仕分けなどのみ視野に入れている連中に本当の国の改革など期待する方が無理である。
最近、高橋是清の経済政策をめぐる投稿があった。
時代は異なり、現代ほど複雑ではなかったが、高橋是清は、当時の恐慌を納めるために、国債の日銀引き受けと言う手段を持ちいて、マクロ的観点からの経済の運営に踏み込み一定の成果を挙げた。
先に言ったように、生産拠点が海外へ流出していたり、ヘッジファンドなど金融塩本の暗躍が著しい現代で、同じ方法が有効であるとは言いがたいが、この様な何らかのマクロ的観点からの経済政策抜きに現状打破は困難と思う。
我が国の現状を見るとき、政治は、これに対応しなければならない時である。
事業仕分け程度の話しよりおきてこない政治の貧困を嘆くものである。
小沢に期待するも、この点である。
TPPの問題も、この様な観点から結論が出されるべきであるのである。
然るに、この根本の課題について、小沢から聞こえてくるものは、何もない。
民主党のマニュフェストを本気で実行するつもりであれば(中途半端でお茶を濁すつもりであれば別だが)、必ず踏み込まねばならない問題を封印していることに疑問を抱いている。
TPP問題にしても、我が国の雇用の確保の為、食糧自給体制を堅持するために我が国の農業は何が何でも保護育成しなければならないという結論が、何故、出せない。
財政出動の手段を研究して、公共事業を起こし、雇用を確保すると、何故、明言できない。
巨額な財政出動への不安を取り除く経済の理念を求めることが出来ていないのであろう。
要するに、時代の違いはあるとしても、高橋是清ほどの気概、識見がないのであろう。
繰り返す、
原発問題も、官僚の横暴も、確かに近々の課題であるが、そればばかりに目をやっていても、わが国の問題は解決できない。
否、その問題も、根本のことを解決する道筋として考えねば、解決できることも出来ないであろう。
こういう視点を、小沢と小沢新党に求めるものである。
それが、私が期待する英雄小沢のありようである。